「23歳の日本人女性」は世界で最も恵まれている!
著名エコノミストが教える、日本の20代がオイシイ理由

イェスパー・コール at TEDxTokyo 2014 #1/2

高齢化の影響により、若年層を取り巻く環境は厳しさを増しているように見えますが、著名エコノミストのイェスパー・コール氏によれば、日本の20代、特に「23歳の女性」は、世界有数の恵まれた環境にあるとか。高齢化社会のウラ側に潜む、数々の経済的なチャンスについて語りました。(TEDxTokyo 2014より)

「みんなが自分よりも先に歳をとってくれる」という考え方

イェスパー・コール氏:私は23歳の日本人として、生まれ変わりたいと思います。信じてください、私は別に、中年の危機(ミッドライフクライシス)を迎えているわけではありません。あるいは、夢のようなことを言っているわけではありません。私はエコノミストです。

私はデータを、そして事実を見ています。そのうえで希少性の高い世代に属したい、と思っています。希少性の高い世代というのは、20代の日本人です。そこにこそ、力が集結します。

皆さんご存知だと思いますが、日本はよく高齢化社会だと言われています。これから2020年の東京オリンピックまでの間に、66歳以上の人口というのは毎年、43万4,000人ずつ増加していきます。つまり5分間毎に66歳以上が4人増えていく、ということになります。

だから私は日本が大好きなんですよ。日本は世界でも、皆が自分よりも早く歳をとってくれる、数少ない国だと思っています。

「失われた20年」の仕打ちをまともに浴びた若年層

36歳から55歳に目を向けますと、毎年17万2,000人ずつ人口が減っていきます。

しかしさらにスイートスポットと言うべきなのは、25歳から35歳までです。23万1,000人の人口が減っていきます。これは大学を終えて、まさにこれから働こう、という世代であります。

そして15歳から24歳という世代に目を向けますと、少しこの世代も減っていくということがわかります。

しかし一番減っていくのは、25歳から35歳。ということで、ここがスイートスポットだということがわかるかと思います。皆さん、この20年間が、失われた20年だということにお気づきでしょうか。

日本社会というのは、この世代にひどいことをしてきました。この世代、25歳から35歳というのは、夢を与えられつつ、本当の機会というものを与えられませんでした。今日の全労働人口の40%の人が、パートやアルバイトの非正規雇用です。

構造的に、サラリーマン社会というのは崩れてきています。全く新しい世代が台頭してきているということがわかると思います。40%が非正規雇用です。そしてデータを見ますと、20代の2人のうち1人が正規雇用を持ったことがない、また助成率が高いとわかっています。

ということは数字を計算してみると、非常に力強い数字が出てくるんです。20代が人口的に減ってきている、ということは20代の希少価値が上がっていくということです。この20代の世代を、これから正規雇用として再雇用する企業が増えていく、そして経済を成長軌道に戻すために、非常にパワフルに働いていく、という風に思います。

すこし計算してみるとわかるんですけど、正規雇用と非正規雇用の年収差というのは40%です。ということは非正規雇用者が減れば減るほど、日本のGDPは増えていく効果があるのです。私はいろいろな政府のアドバイザーを務めていますけど、今そういった議論もなされています。人口が減っていって、そこに力がみなぎっていく、こういった力の関係があるわけです。

希少性の高い若年世代と、資産を持つ高齢世代

では、誰が資産を持っているのでしょうか? GDPの40%が国債であるなどと、いろいろ言われてはいますけど、日本というのは非常に裕福な国です。

……すこし桁が大きくて読めませんけど、1,286兆円、純金融資産がGDPの2.5倍あるんです。では、それを一体誰が所有しているのでしょうか? これは若い世代ではありません。若い世代は、純金融資産の2.5%ぐらいしか所有していません。40代を超えても7.4%、50代になると少し増えてきますけれども、60歳以上が相当に資産を持っているということがわかると思います。

私はさきほど申し上げたように、エコノミストなんです。ですから日本には、素晴らしいマッチメイキングがあると思います。希少性の高い若い世代があって、そして資産を持っている高齢世代がいるんです。これはゼロサムゲーム(一定の得点を取り合うゲーム)ではありません。経済ですから、ポジティブなサイクルがあるんです。

需要と供給のバランスを崩している国家資格

エコノミストにとって、これは素晴らしい夢のようなマッチメイキングだと言いました。けれども実際の日本の状況に目を向けますと、一つ問題があります。日本というのはルールが好きですし、先輩後輩という、目上を敬う文化があります。また終身雇用制度もあり、能力ではなくて、年齢で昇進するという人もいます。これが本当の日本の現実です。

具体的な例を、いくつかお教えしたいと思います。まずは看護師、高齢者にサービスを提供しているヘルスケアですけど、私がもしお金をもらえたら、ルイ・ヴィトンによる老人ホームを作りたいとよく言っているんです。ただ問題は、日本においてヘルスケアは成長産業であるにも関わらず、約75万人の看護士が不足しているんです。何故でしょうか? 看護士になるルールというのが非常に厳しいからです。馬鹿げています。

(会場拍手)

本当に、このルールは馬鹿げていると思います。看護士はすごく大変で、フィリピン人で実際にテストを受けて受かる方というのは、2%しかいないなんて言います。でもそうじゃない、もっと面白い数字があります。

日本人でも、この看護師の資格試験を受けて落ちる人が40%いるんです。例えば脳外科の看護士になるのはとても難しい。試験に受かった後の現実といえば、老人のおむつを替えていることが多いというにも関わらず、です。

15年で社長就任のチャンスがあるアメリカ、課長止まりの日本

もう一つの例を挙げましょう。私の友人が、彼の息子のヒロシさんについて私に連絡してきました。MITを卒業してエンジニアリングの学士をとった、ということです。そしてアメリカ企業から、ドイツ企業から、そして日本企業からも仕事のオファーがあったそうです。ですから彼は私に、ヒロシにアドヴァイスをしてくれないかと言いました。

私はヒロシさんに言いました。私がアドバイスをするとすれば、アメリカの会社に就職して、もしあなたが優秀でラッキーならば、15年後には社長になれるかもしれない。ドイツ企業の場合は、15年後、優秀でラッキーであれば、地域のディレクターになれるかもしれない。日本の場合は、15年後、優秀でラッキーであれば……どうでしょう? 課長?

(会場笑)

課長になれる"かも"しれませんね。そういった独自の社内文化、社内的テンションがあるわけです。

また日本人はこうした雇用関係に嫌気がさして起業する、という起業家が増えています。日本の中で過去10年間の間に、設立5年未満というスタートアップ企業が200万の雇用を創出してきました。設立10年未満の会社は、約100万弱の雇用を創出してきました。ところが設立20年を超えると、雇用がマイナスの方向に転じています。ですから是非ともクラウドファンディングを使って、雇用の創出を続けていってほしいと思います。

仕事の機会はそこにありますし、希少性もあるんです。ですから起業精神を持っていただきたい、そういった男性女性が増えていってほしい、という風に思います。ですから、素晴らしい23歳日本人に、生まれ変わりたいなと思っています。

男女間のミスマッチ

……もう一つ、ボーナスがあるんです。赤ちゃんが少ない。日本では0歳から10歳までの子供が、これから毎年18万6,000人ずつ減っていきます。

ですから赤ちゃんを産まなくてはいけない。どうやって赤ちゃんをつくるんですかね。もちろん家族を持つというのがひとつの方法だと思います。一人では家族は持てませんから、誰か相手を探すということになるでしょう。

ここにも面白いデータがあるんですけど、40%以上の日本人の女性が結婚相手の条件として求めるのは、600万以上の年収です。ところが残念ながら、600万以上の年収を稼いでいる男性というのは、10%もいません。ですから、これだけのミスマッチがあるわけです。そしてさらに悲しいのは、年収が200万以下という男性は32%、それに対しそういった男性を結婚相手として求めるのは1.2%しかいません。

しかし、ぜひ野心を持ってください。もしかしたら、女性は正しいのかもしれない。そして、女性は野心を持っているのかもしれない。私はぜひ、23歳の日本人女性に生まれ変わりたいと思っています。ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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