「衰え」を「成長」に変える発想

のぶみ:なんかねぇ、西野さん前もそうだったけど、老人、ちょっと気になってますよね。

西野:まぁまぁ。

山本:なんでなんで?

西野:いやいや(笑)、その、人類は寿命を延ばしたじゃないですか。医療とかを発達させて。なのに、アンチエイジングとか言っているのがよくわかんないなと思って。つまり、年とることをネガティブに捉えるんだったら、だったら寿命延ばすなよっていう話じゃないですか。そんなに年とるのが嫌なんだったら、もう70歳で死ぬ生き物にしといたらいいのに、100歳ぐらいまで長生きしよう長生きしようって、そういうところまで……。

のぶみ:そうだよね。でも生きてぇよな~(笑)。

西野:嫌だっていうのって。

トンボ:社会のルールが昔のまま変わってないから。

のぶみ:そうそう、そうだよね。

西野:なんかシワ増えるの嫌だ、シミ増えるの嫌だ、腰曲がるの嫌だ、体力落ちるの嫌だって言って、やだやだって言ってるのに寿命を延ばしてるのがよくわかんないなとか思って。じゃあ嫌な時間がどんどんどんどん増えるじゃないですか。

だったら、だからなんだろう、うーん……。だから年を重ねるっていうことを「衰え」にするんじゃなくて、「成長」っていうことにしたらいいなぁと思って。

じゃあ成長してる部分ってなんだろう、10代の人よりも70代の人のほうが伸びてる部分ってどこかなって考えた時に、体力は絶対に落ちるし、まぁ肌もしわくちゃになるし。だけれど、例えば僕たちは今、例えば遅刻とかしたらすげぇ怒られると思うんですけど、でも90歳のおじいちゃんおばあちゃんが遅刻してもあんまり怒られないと。

のぶみ:そうだよね(笑)。

西野:それは「仕方ねぇな」っていう。

山本:仕方ねぇな。

西野:「仕方ねえな力」は……。

(一同笑)

のぶみ:叱れないよなぁ~(笑)。

西野:伸びてるというか。

のぶみ:すごいよね。

西野:MAXじゃないですか。

トンボ:MAXっすね。

西野:「愛される欠陥」っていうのが、すごく。年重ねれば重ねるほど愛される欠陥って増えると思うんですけど、それはロボットの対極にあるからおもしろいと思ったんですよ。

山本:はぁ~!

西野:つまりロボットっていうのは効率化、本当に完璧に仕事しなきゃいけないわけですよ。

のぶみ:そうだよね。

山本:せやねんね。

西野:自販機に100円入れてジュースが出てこなかったら、すげぇ怒られるじゃないですか。

トンボ:むちゃくちゃ腹立ちますね。

西野:でもおじいちゃんだったら「しゃあねえな」みたいな。

山本:ははは!(笑)

西野:っていうのは人として伸びて、成長だっていって。そこの伸びてる部分をうまいこと仕事化したら、僕たちは年重ねるのがちょっと楽しみになるんじゃないかって。

山本:うわぁ~!

西野:早く70歳になりたいなとか、早く80歳になりたいなっていうものを作っておかないと、寿命を延ばした意味がないっていう。

山本:「しゃあねえな力」。

西野:へへへ(笑)。

若者に夢がないのは昭和世代が原因

山本:いや、もうねぇ、もう天才! またね、リンクしたよね。僕はお母ちゃん、こんなん出すやろ? ほんでこの青いの、子育て本やねん。

西野:あぁ~。

のぶみ:へぇ~。

山本:僕は2人もいっちょあげてんねんけど、子育てで怒ったことない、叱ったことない、怒鳴ったことない。ところが、35歳まで誰よりもキレてた人やねんな、周りに言わせるとな。

のぶみ:もう怒りますよね、怒ってましたよね(笑)。

山本:いやいや、それが昭和世代やからさ。昭和の文化やから。ところが今、手上げたらあかんやろ? パワハラやろ? セクハラやろ? ほんならな、はっきり言って昭和世代の僕らは、被害者やねんや。

要は、もう刀を返しなさいと。刀狩り。ちょんまげやめなさいと。ザンギリだと。ね。ズボン穿け、革靴履けってなっちゃったの。あの当時はみんな逃げたのよ、侍は。だから元気がないの、あんまり、40、50、60と。

西野:なるほど!

山本:そう、だから僕は父ちゃん母ちゃん、俺らが元気にならな。子どもら見てみと。僕、某国立大学でもう10年ぐらい教えてるねんけど。子どもは「別に部長とかなりたないし」。「だって、幸せそうちゃうもん」みたいな。

西野:あ~。

のぶみ:なるほど。

山本:いやいや、そうやねん。

のぶみ:あ、だからなのか。

山本:そう、だから言ってることが本当にリンクしてて。今こそじいちゃんらがいきいきと生きて、「こんな仕事もあんで~」っていうのがいっぱい出てきたら、そら年重ねるのが楽しなるから。

のぶみ:だって、じいちゃんだったら読書はできるわけだからね。そういうことだよなぁ。

山本:ほんで何よりも優しいのは、みんないろんな、カオスなったらええと。要するにほら、バリバラでやってることと一緒よ。みんな違ってええ感じやんか、っていうね。だから、みんな違うから凸と凹は必要とされるわけやんなぁ? それわかってはるよ。

だから、この人が全部もしプロデュースしたらや、「僕、仕事どうしたらいいですか?」「君、これ活かしたらええやん」「これ、これ」言うたら、「そうか! こんなビジネスのチャンスがあって……」。

西野:はいはい。

山本:ほら。だから言うたやん。「坂本龍馬や」と。

西野:へへへ(笑)。

のぶみ:新しい就職相談所みたいな感じかぁ。

受付をおじいちゃんおばあちゃんにやらせる!?

西野:じいちゃんばあちゃん、いいですよね。僕、年末に「天才万博」っていうフェスをやってるんですけど、今年からは受付とかお客さんの誘導とかを、もうババアにやらしてやろうかなと思ってるんですよ。

山本:あの、「ババア」っていう言い方が炎上すんねん!

(一同笑)

トンボ:「おばあちゃん」って言えばいいんですけどね。

西野:おじいちゃんおばあちゃんがやったら……。

のぶみ:でも喜ぶよ。それは喜ぶよ。

トンボ:めちゃくちゃかわいいですね。

西野:あと、おじいちゃんおばあちゃんにそんな苦労をかけさせるわけにいかないから、お客さんが積極的にきれいに並ぶっていう。

のぶみ:文句言えないからね、結局。

西野:それを20代のやつとかにやらせると、なんかこうブーブー文句言うけれど。やっぱ70歳とか80歳とか90歳とかのおじいちゃんおばあちゃんがチケットの受付とか、「こっち並んでください」とか言ったら、みんなお客さん「ちゃんとやろうぜ」ってなると思うんです。

トンボ:なる。本当スナックと一緒ですよね。

西野:そうそう。

山本:ははは!(笑)

西野:ママはただ立ってるだけみたいな。でも、あっちのほうが問題解決もしているし、おばあちゃんとかの活躍の場も作れるし。

トンボ:それ最高っすね。

これからは「貢献感」の時代

山本:例えば学校で言うたら、「あそこの横断歩道を守ってるのはおじいちゃんや」と。

のぶみ:あ~。そうかぁ。

山本:「気をつけてね~!」って。

のぶみ:おじいちゃん多いなぁ。

山本:ほんで言うわけ、子どもらに。「ええか、あのおっちゃん誰や?」って言ったら、「松山のじっちゃん!」って。

(一同笑)

山本:「ええか?」って。「松山のじっちゃんは、レモンさんからしたらヒーローなんやで」と。「なんでかわかるか? あれ、手ぇ広げてるやろ? 信号無視した車とかバイクとかチャリンコ入ってきたら、『わしを轢けい! わしを轢けい!』」。

(一同笑)

山本:そうやって手を広げてんねん。めちゃめちゃかっこいいヒーローなんだと。だから、いつもなんであいさつせなあかん。言うたら、命を救ってくれてるねんな。だから、「おじいちゃん、いつも命を守ってくれてありがとうございました」って言うてもええぐらいのね。ただ、そんなあいさつしたら「早よ渡れ!」って怒られるから、おはよう、ありがとうでええねんけどって。

一同:へぇ~。

山本:だから、ああいうおじいちゃんたちも、僕ら全員のキーワードは、「貢献感」っていう言葉。

のぶみ&トンボ:貢献感。

のぶみ:貢献感って、どういう……。

山本:要するに、消しゴム拾いました、ありがとう言われた。ありがとうでええやんか。ほんで、あることが難しいとかよく言うやんか。簡単や、これ。今日まで命がつながってここに生きてたから拾えるんやろ? これが奇跡やんか。

西野:あ~、なるほどなるほど。

山本:な。ほんだら、なんか役立った、元気なってくれた。なんか、例えば西野くんに「ありがとうございました、もうこんなんでした」、「いやぁ、俺、計算してないねんけど」、でもちょっとうれしい。だから、ボランティアもそうやん。俺も行くやん。

のぶみ:貢献っていうことか。

山本:「なんか元気なった」とか、「俺、生きててよかった」とか言うて。それが貢献感あるおじいちゃんを作ろうって言うてんねん。

のぶみ:これシュウさん、(コメントに)書いてくれてますよ。この漢字ですね。っていうことですよね? コメントが見れるんですね。

山本:そうそう、貢献感、貢献感。これこれ。

のぶみ:これがねぇ、ニコ生なんですよ。シュウさんもやってますもんね、貢献感っていうことですよね

トンボ:「本質レモン」って書いてある。

山本:ははは(笑)。

のぶみ:本質レモン。いいレモンだ(笑)。いいやつだ。

山本:だから、いっぱい仕事を作るプロジェクトをバーンって立ち上げてくれたら、ホンマに日本動くで。

シリコンバレーでは発達障害は評価される

のぶみ:シュウさんはEテレでバリバラっていう番組やってるんですよ。それで障害者の人たくさん出てるんですよ、あの人たちっていうのは、どう思います? いろんな障害者の人たちがいますけど、今で言うアスペルガーとか言って、発達障害とかって言ったりするんですけど、俺もうっすら、西野さんもうっすら……。

西野:あ~、だと思うんです。はいはい。

山本:あ、でも今、逆転するよ? 今、どこの企業とは言わへんけど、日本企業でも一部、あるいは向こう、アメリカのシリコンバレー系なんかは、もう「発達障害の人どこにいますか?」っていう世界だから。スペシャルなパワーを持ってる人、カモーン! って。

のぶみ:あ、スペシャルっていう。

山本:スペシャルパースン。

のぶみ:へぇ~。

山本:だからこれからは、「……あれ? 健常者?(笑)」。

(一同笑)

西野:なるほどなるほど。

山本:ってなっちゃうよ? だから、みんな違っていい感じ。バラバラな世界、ごちゃまぜな世界っていうのが、まさに。

のぶみ:金子みすゞだ。

山本:すごいことを言うてはる、発想が。実は。