まずは「実家を出ろ」

ナレーター:前回、華やかな世界への憧れを捨てきれないと告白した彼女。しかし、眞邊が、ある問題点を指摘する。

眞邊明人氏(以下、眞邊):まず1つの大きなハードルって、家族の了解。家族の了解をいかに取れるか。お父さん、お母さんからしたら……。

ナレーター:芸能界に入るには、家族の了解が必要だと説く眞邊。しかし、彼女は、家族に相談したものの反対され、いったん夢は諦めたという。

眞邊:諦めてる?(笑)。

遠藤氏(以下、遠藤):諦めてます(笑)。

眞邊:うーん、なんか諦めてるようには、ほとんど見えない(笑)。見えないから、代替物を探している感じがすごくするので。そうするとたぶん、就職って、すごく難しい状況に追い込まれる。だって、そこに気がないので。

ナレーター:就職に対して迷いを見せる彼女に、眞邊から、ある1つの提案が。

眞邊:自宅?

遠藤:自宅です。

眞邊:あ~、もう今すぐ家出て、一人暮らししたほうがいいよ。結局、親の手元にいるし。

環境を変えない限り、自分からアクションはできない

真面目な話をすると、何不自由ないわけですよ。極端なことを言うとね。就職決まらなくても、決まりたいけど、決まらなくても家に入れるから。家を出てしまえば、たぶん生活しなきゃいけないから、本気がやっぱり出てくると思うのね。あなたを見てると。

やっぱり周りがいろいろ言ってはくれると思うけど、あなた自体のアクションはないので、はっきり言って、暗中模索なわけですよ。そこは。

さっきのタレントみたいなことはやりたかったなっていうのだけが、多少のリアリティを持つ感じがして。それも、もっと言えば、読者モデルとか多いのね。とにかく雑誌に載りたいとか、モデルになりたいとかいう子は山ほどいて、その子たちの共通の問題点は、僕らタレントやってると、やっぱり根性入ってるやつが売れるわけですよ。

「絶対売れたる」って思ってるやつは、何回オーディション落ちてもやるし、がんばるし。でも、読者モデルで雑誌に載りたいっていう子は、ちょろちょろっとやって辞めるんですよ。その一番大きな違いは、生活かけてやるやつと、楽にしてやってるパターン。家事手伝いが一番いいんじゃないって、なっちゃうから。

でも、たぶん、外出て、食べていかなあかんってなると、生活できないじゃん。となると、お金も最低限絶対いる。そうしたら、条件面が絶対決まってくる、っていうことを、なかなか難しいかもしれないけど、自分を変えるチャンスにはなる。

理工学部にも入ってるし、嫌なことにチャレンジして大学に入ったわけだから、根っこはあるんだと思うのね。もう1回、環境を変えたほうがいいんじゃないかなぁ。もう1回、エンジンかけるタイミングちがうかな。

面接のプロたちのジャッジは?

ナレーター:そして、彼女の最終ジャッジに。

鈴木康弘氏(以下、鈴木):今のままの遠藤さんは、採用する側からすると正社員で採用するメリットがまったく見当たらないです。じゃあ、わざわざ社員として君を雇って期待する役割というのは、アルバイトの社員よりも、少なくとも、やる気だけは上回ってないと雇う意味がないんだよね。

ちゃんと、本気で仕事をすんだというふうに君が思った瞬間に、いい企業との出会いというか、内定というのが取れると思います。

並木裕太氏(以下、並木):みんなスタート地点の時点では、たぶん、まだ出遅れてるよね。きっとね。「私、こういう仕事をしたい」とか、「こういう業界に興味がある」っていう本心が、まだないという意味で、レッドカードですね。

ナレーター:そして、厳しい指摘をしてきた眞邊のジャッジは。

眞邊:こういう感じ(笑)。

うーん、やっぱり自立する。自分でやってみるっていうチャレンジ精神を持たないと、本当にダメだと思うのね。親が言ったら、諦めたんだから。親の手元にいる限り、あなたはずっとその人生を歩む。親が言うと諦める。ね。

お父さんとお母さんが、「もういいよ、就職なんかしなくて、家にいたら」「アルバイトを好きなところでやったらいいよ」。そんな人生、おもしろくないじゃん?

遠藤:はい。

眞邊:自分の自立した、その2つ足あるんだから、足で立って、やることを考えたら、たぶん、親と話するときに、もっと真剣味も出るし、もっと真剣に話し合えるし、もっと自分の夢みたいなものが見えるんじゃないかな。

就職っていうのは、親が子からうまく離れられるチャンスなの。自分でそのチャンス潰しちゃダメよ。家出るとかね、きっかけ作りをしないと。

収録を終えて

鈴木:うーん。

遠藤:いつも、他人のレールに敷かれて来たなっていうのは、すごく感じました。自分を持たないといけないなというのは、すごく感じました。

ナレーター:面接のプロ3人衆がくだした結果は、ご覧の通り。