芦名氏の異色の経歴

芦名佑介氏(以下、芦名):こんにちは。芦名です。よろしくお願いします。

(会場拍手)

僕が何者かわからない方もけっこういらっしゃると思うんで、少し自己紹介ができればと思います。

(会場笑)

今、芦名表参道という会社でCEOをやっています。その前に、今大谷さんから紹介があったように、ハリウッドで俳優をやっていました。その前はプルデンシャル生命という外資系の保険会社ですね。

そこで、営業所長をやって、その前が電通っていう、いま渦中のですが、そこでコピーライターをやっていました。その前はアメリカンフットボールをやっていまして、U19日本代表と慶應大学でキャプテンをやっていました。

学生の方って、どれぐらいいらっしゃってますか?

(会場挙手)

学生がけっこう多いですね。経営者の方、どれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

経営者の方も多いですね。ありがとうございます。僕一番最初、慶應でアメリカンフットボールやっていて、まったく就職をしたくなかったんですよね。ただ、周りの人間がみんな「就職をしたい」っていうもんで、「なんでこいつら就職したいんだ?」と全然分からなかったんです。

アメフト部の同級生が「俺、鉄の専門家になりたいんだ」とか、就職活動が始まる寸前に言いはじめるやつがいたんですね。

(会場笑)

「鉄の専門家、やっぱりかっこよくないか! 海外から鉄を買って、海外に売り飛ばすんだ、すげえかっこいいだろ」って、ぜんぜんかっこよくねえだろと思って。他の同級生は、「俺、銀行員になりたいんだ、銀行でお金の専門家になったら、将来独立するときに潰しが利くだろ?」だったら今すぐ起業したらいいのに、って思っていたんです。

人生で初めて自分のことを尊敬できなくなった

僕はまったく仕事がしたくなかったんですけど、「仕事をしない」「就職をしない」という勇気がなかったので、とりあえず就職活動をはじめました。そのなかで、電通っていう人種の人間に会うようになるんですね。

どんな人種かと言うと、なんていうんですかね。基本的に飲み会です。どんちゃん騒ぎして飲み会やって、1回仕事のスイッチがパチンと入ると、「あのCM俺が作ってんだよ」。ドヤ顔みたいな。

飲み会しながら、ドヤ顔できるって、こんなおもしろい仕事ねえじゃねえかと思って。僕は、「電通行きたいです」って、電通に入らせてもらいました。電通でどんな仕事をしてたかというと、コピーライターという仕事をしてました。

体育会出身で、僕みたいなガタイの人間は、だいたいテレビ局担当とか新聞局担当っていうすごくハードにさせて頂くほうの仕事になるんですけど、コピーライターというどちらかというと、ちょっと貴族な仕事に就いたんですね。

そのときに、コカ・コーラゼロさんだったりとか、ディズニーランドさんのCMを、入ってすぐ作らせてもらってました。

わかりやすいやつを、コカ・コーラゼロと『ミッション:インポッシブル』っていう映画がタイアップをしたときのキャッチコピーなんですけど、CMで「常識をくつがえせ。コカ・コーラゼロ」っていう。聞いたことある気がしません? 拍手!

(会場拍手)

あと、ディズニーランドも作ってて、ちょうど4年ぐらい前のやつですかね。「夏一番の、夏が来た。東京サマーリゾート」っていうコピーを書かせてもらいました。そんな仕事をしていて、一番最初のクリエイティブの仕事が、上戸彩ちゃんとですね。この間までアメリカンフットボールしかやってないのに、仕事の現場に行ったら、いきなり上戸彩ちゃんと仕事があるっていう、もう興奮しまくりまして。当時僕、iPhone3を持っていたんですけど、iPhone3で写真を撮ろうと思ったんですね。そしたら、めちゃくちゃ怒られまして。それで電通を辞めることになるという。

(会場笑)

っていうわけではないんですけど。というように、電通のときはすごく楽しく仕事をさせてもらってました。なんで電通を辞めたかっていうと、めちゃくちゃ男前になりたかったんですね。すごくおもしろくて、真面目でストイックで、みたいなそういう男前になりたかったんですけど。

僕がなにをしながら仕事をしていたかというと、会社に行って、ちょっと上司の顔色気にしながら仕事をしたりとか、電通の新入社員、パソコンで1時間残業つけると、2,000円くらい残業代がもらえるんですね。だから、仕事が5時半が定時なんですけど、10時半まで残れば、5時間残業がつくので、1万円もらえるんですよ。そしてその残業代で六本木に飲みに行く、という。

(会場笑)

でもこれ、もし僕のアメリカンフットボールのチームメートにそんなやつがいたら、絶対ボコボコにしてたんですね。「今日ちょっと居残り練習してたら、監督、金くれるらしいよ」って。

(会場笑)

そんなやついたら、絶対ボコボコにしてたし。「今日練習終わったら、六本木飲みに行かない?」っていうチームメイトがいたら、絶対ぶん殴ってたんですよ、僕。でも、僕自身がそういう社会人になってて。「うわ、これやばいな」と思って。

人生で初めて自分のことを尊敬できなくなったんですね。それまで、めちゃくちゃ尊敬してたんですけど。

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