作品の無料公開は時代の流れ

内村史子氏(以下、内村):テーマトークのコーナー! というわけで、本日のトークテーマを発表します。本日のテーマは、「作品の無料公開」ですね。

高橋正敏氏(以下、高橋):お、いま話題の。タイムリーですね。

内村:話題になってますね。作品の無料公開について。お二人はどう思いますか?

高橋:ソーシャルゲームなんかもそうだけど、基本は無料が前提みたいな感じになりつつあるじゃない?

内村:そうですね。

高橋:やっぱり、無料公開自体は時代の流れかなとも思っていて、それ自体が良いとか悪いとかではないと思うんだけどね。

庄司智氏(以下、庄司):ちょっと前までは、「ネットで見られる物をなんで紙で買うのか?」みたいなお話が強かったのかなと。もちろん今もそれはあると思いますが、逆に、ネットで見てて内容を知っているから安心して買える……という流れもあるよね。

内村:それはありますね。

高橋:まずおもしろいと思わせないと買わないんだろう、ということも当然あるだろうから。

内村:例えば化粧品だって、肌に合うか合わないかわからないのに冒険して買うことができるかというと、ちょっと難しいので……。だから化粧品会社さんはサンプルを街頭で配ってたりとかするのかなって思いますね。一部の無料公開っていうのは、そういう意味があるのかなって思います。

時には作家を傷つけることもある

高橋:そもそも作品数がすごく増えて身近になったじゃない? 作品が少なくて身近になかった時は買ってみて試すっていうのもあったけど、身近で量が多くなったぶん、自分に合うものを選びたいって自然な欲求があるのかなって思う。

一方で無料公開をすると、無料で読んで悪口を言われることもあるから、作家さんたちが傷つくことがあって。そこはうーんって思うところはあるよね。

庄司:ものによるよね。無料で公開して、そこにワーっと人が集まって……。中には悪口もあるかもしれないけど、一方で人が集まること自体が数字につながることもあるし。

高橋:もちろん、ある。無料が当たり前になってきてるんだろうなあとは思うね。

内村:全部が無料になるのが当たり前ってわけではないですけどね。

高橋:ラノベってどうなの? マンガは1話無料公開が当たり前の世界になりつつあるんだけど、ラノベはどこまで無料にするかっていうのは決まってるの?

庄司:うちはどの作品もだいたい30ページくらいは立ち読みを用意してるよ。

内村:へー。

庄司:新刊はもう少し量を増やして、1章や2章まで無料とかやったりしてる。ただ、もっとパッと見て、おもしろそうだから手に取ってみようとか、ツイートしてみようとか……そういう風に思ってもらえないかっていうのはけっこう考えてる。

「無料化」と「ブラック企業反対」の矛盾

高橋:お金の流れとかってどうなんだろうね? 無料で公開するのが当たり前になっちゃうとさ、結局原稿料を含めた制作費がすごく不透明になりかねない。

内村:1人で作ってるものでもないですしね。

高橋:無料公開が当たり前という観点もあれば、一方で、「ブラック企業反対」みたいな、搾取はダメっていう話もある。僕はすごくそこに矛盾を感じてしまって。なるべく無料にすることと、原稿料とかをちゃんと払うという。そのバランスはどうしたらいいのかな? っていうのは、僕では答えは出ないんだけど。

庄司:公開する作品ができるには、原稿料をはじめとしていろいろお金はかかるわけだからね……。

高橋:今日、めっちゃ良い話してない?

内村:珍しく真面目な(笑)。

高橋:下ネタ1個もないよ。今んとこ、下ネタ1個も入ってない。

内村:考えなくて良いです(笑)。

高橋:ね、無料公開。

庄司:性の。

高橋:性の無料公開ってどういうこと(笑)。

庄司:高橋さんの過去の女遍歴を(笑)。

高橋:過去の女遍歴って(笑)。無料公開するわけないだろ、有料だよ有料。

庄司:有料チャンネル?

高橋:ないない(笑)。女遍歴の無料公開はいたしません!

内村:ラノベ編集者NIGHTはこれからもたぶん無料のまま、このまま公開していきますので(笑)。みなさん、よろしくお願いします。というわけで、もう切っちゃうよ! テーマトークのコーナーでした!