「わけがわからんことが起こっている」

籠池泰典氏(以下、籠池):みなさん、こんばんは。今日、私は国会のほうで、衆参両院の聴問会に出てまいりました。たくさんの与党、野党の先生方から質問を受けさせていただいて、できるだけ誠実にお答え申し上げたつもりでありますが、私自身の記憶の不確かさもありまして、自分でも、あそこはどうやったかなぁというふうに思っている部分も多少あります。

この事柄というのが、2月8日に勃発しまして、それからもうすでに1月半くらい経っております。大阪の片田舎の豊中という土地のいち小学校の事柄で、全国で1月半も、全国中のテレビ、マスコミが追いかけてくる事件というふうになってしまいました。

このことは、今、日本人の大多数が持っておりますところの、閉塞感。なにか圧迫した窮屈な状態があるんですが、私が今からお話しようとする事柄については、その窮屈であるという根源がここにあるのではないかなぁというふうに思っております。日本語で言うと、「わけがわからんことが起こっているなぁ」ということであります。

では、そのことについて、国会のほうで、まず陳述をいたしました内容のことを読ませていただきながら、また考えていきたいと思います。

まず、このたび、国会で陳述の機会を与えてくださいましたこと、深く感謝申し上げます。

私は「真に日本国のためになる子供を育てたい」という教育者としての思いから、今年の4月に瑞穂の國記念小學院を開校できるよう、これまでがんばってまいりました。教育者としての私の思いにつきまして、安倍首相や昭恵夫人、大阪府議会の先生方をはじめ、多くの関係者のみなさんにご理解いただきましたことは、今でも本当に感謝しております。

その一方で、多くのみなさまのご期待を受けて舞い上がっていたところも私のなかにございました。結果として、手続き上の便宜から、設計士の助言に従って、工事請負契約書が3種類作成されたこと、幼児教育の現場において指導の行き過ぎなど、諸々の不行き届きを生じてしまいました。

それらの不行き届きについては、自分のいたらなさを認めますとともに、反省すべき点については反省し、謝りたいと思います。今後は行政のご指導をいただきながら、適切に改善を行ってまいります。

しかし現在、この新しい小学校を開設する的続きについて、各方面から疑問が呈されるなかで、弁護士からの指示で申請を取り下げました。これまで応援してくれていたと思っていた方々が、手のひらを返すように離れていくのを目の当たりにして、自分自身、「どうしてこうなってしまったんだろう」という思いもあります。

本日は、この問題について私の承知しておりますことを、率直に先生方にお話しいたします。

昭恵夫人から封筒に入った100万円を受け取った

真に日本国を支える人材を育てる小学校を作ることは、今でも私の夢であります。その名前については、明治維新を担った多くの人材を輩出した松下村塾のことが念頭にありました。同じく長州、山口県出身で、以前から私の教育理念に共感していただいている安倍首相に敬意を表したいと思いまして、当初は「安倍晋三記念小学校」とするつもりでありました。

昭恵夫人にもご相談申し上げてご理解をいただいたものと思っておりましたが、後日、昭恵夫人から首相のお名前を使うことを遠慮してほしいというお申し入れがありましたので、小学校の名前は「瑞穂の國記念小學院」へと変更いたしました。昭恵夫人にも私どもの教育理念を深く理解していただいていると思っております。

昭恵夫人には、3回にわたって、幼稚園にお越しいただきました。ご視察をいただきました。

瑞穂の國記念小學院の名誉校長に就任していただいたのは、平成27年9月5日にご講演を賜った時のことです。そしてその9月5日、昭恵夫人は、講演の控室として利用していただいた園長室で、私と対面していただきました。

同行していたお付きの方に、席を外すようにおっしゃった後、私と2人きりの状態で、「1人にさせてすいません。どうぞ安倍晋三からです」というふうにおっしゃって、寄付金として、封筒に入った100万円を下さいました。

昭恵夫人は、まったく覚えていないとおっしゃっているようですが、私たちには大変名誉な話なので、鮮明に覚えておりました。

また、小学校の設立に関する大阪府への申請では、先にお亡くなりになられましたが、大阪府議会議長を務めておられた、畠成章先生から頂戴したご恩も忘れられません。

畠先生には、森友学園の幹事も務めていただくなどして、いろいろとご指導いただいておりました。畠先生は、松井大阪府知事のお父様とも親しい付き合いがあり、松井知事が維新会派をつくる時にも、陰ながら助力されていたということで、大阪府の松井知事や、府にお力添えをいただけるよう、お願いしておりました。

そのおかげで、大阪府の当時の総務部長などにも説明させていただきまして、小学校設置の認可申請では、特別な取り計らいもいただいたものだと、感謝しております。その後、大阪府の中でどのようなやり取りがなされたのかは、うかがい知ることができません。松井大阪府知事や関係者の方々からお話を聞いて、国会や府議会で、真相を究明していただきたいと存じます。

政府の要人や府知事の対応を見て、なにかおかしいと気づいた

次に、土地取引について申し上げます。小学校の建設用地である、豊中の国有地の存在については、不動産屋さんから平成25年に紹介を受けました。これはすばらしい場所だと思い、小学校のために土地を確保したいと思いました。

その土地は、国有地ということで、平成27年5月29日に、定期借地契約を締結しました。その土地の買上げの条件として、10年だったものを、もっと長い期間へ変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けていただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。

平成27年の10月のことで、留守電でしたのでメッセージを残しました。後日、内閣総理大臣夫人付きの谷さえこさんという方からご連絡をいただき、「なかなか難しい」とのご返事をいただきました。

平成27年11月17日に、総理付きの谷さえこさんからいただいたFAXでは、「大変恐縮ながら現状ではご希望に沿うことはできない。なお、本件は昭恵夫人にも報国させていただいております」というお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます。

しかしながら、私は、財務省のなかでこの間にどのようなことが起こっていたのか、詳しくは存じません。昭恵夫人、谷さん、財務省の関係者に詳しくその経緯を聞いていただきたいと思います。

あの土地にヒ素や鉛などの有害物質があることは契約上も明らかだったのですが、平成28年の3月に入って工事が始まってから、新たに生活ゴミが出てまいりました。ヒ素や鉛などの有害物質はもうすでに取り除きまして、その後に生活ゴミが出てまいったということです。

その後、工事を施工していた業者に弁護士を紹介していただきまして、以降の土地取引に関する一切の交渉をお願いしました。最終的に土地価格は8億円あまりも値引きされた1億3,400万になったとお聞きして、想定外の大幅な値下げにその当時はちょっとびっくりしました。売買契約を結びました。

私は交渉の詳細について詳しくは承知していないのですが、値引きの根拠などについては、近畿財務局、当時の迫田理財局長、酒井弁護士にお聞きいただきたいと思います。

先日、私は大阪府への小学校設置認可申請を取り下げました。これは顧問弁護士であった酒井先生のご指示によるもので、私は断腸の思いで申請を取り下げました。

しかし、その後なんら事態は改善することなく、むしろこの問題で私だけを悪者にするような政府の要人や大阪府知事の対応を見て、なにかおかしいと気づき始めました。財務省の佐川理財局長の部下の嶋田さんが「10日間隠れていて」と顧問弁護士の先生から申し伝えられたことも、その時は「なんだろう?」と不思議に思っておりました。

平成29年3月15日になって、「もうこれ以上は関わることはできない」と、突然、顧問弁護士の辞任の申し入れをいただきましたが、私がなにがあったのか理解できていません。酒井先生が財務省や近畿財務局と大阪府どのような関係があったのか、ぜひ国会でも聞いていただきたいと思っております。

真相究明を進めてほしい

この問題が国会で議論されるようになってから、私の妻のところに、昭恵夫人からメールをいただいております。私の妻と私が今大変なことには想像がつきますが、主人、いわゆる安倍総理にとっても、大変なことに巻き込まれたということもご理解いただきたいと思います。

私が関わった、いわゆる、安倍昭恵夫人が関わったということは、裏でなにかがあるのではと、疑われないように、という、口止めともとれるメールが届きました。

あんなに私たちの学校の開校を楽しみにしてくれていて、「考え方に非常に共鳴している」ですとか、「森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いている」と、総理もおっしゃっていただいていたのに、どうしてなのか、割り切れない思いです。熱心に協力していただいておったと、私は思っておったんですけれども、途中で態度が変わったということだと思っております。

私は純粋に、自分の理想とする教育を実現するために、小学校設立に夢中になって走り続けてきました。その途中で、多少、無理をしてしまったこともあるかもしれません。

でも私が、昭恵夫人や、畠先生にお願いした先で、どのような対応がなされたというのは、本当にわかりません。国有地の大幅な値下げ・値引きなど、一連の経緯の真相を明らかにするためにも、私だけをトカゲのしっぽ切りで、罪をかぶせようとするのではなくて、まず私が、こうして国会の場で、正直にお話をさせていただきました。

どうぞ、ぜひ、ほかの関係者の方々を国会に呼んで、事実関係をお聞きいただき、真相究明を進めてくださいますよう、心からお願い申し上げます。

ということを、国会で陳述させていただきまして、やはり、きちっとした真相を究明していただくということが、一番重要だと思っております。

小学校がもう、設置認可というか、オッケー、開校していいですよという状態から、今はもう、開校ができないということで、非常に落胆・失望しております。

わけのわからない空気、わけのわからない力が、この……なにか動いていて、その力によって、物事が進み、そしてまた、なくなっていってしまっているんじゃないかなあというふうに思います。それはなんなのか、それを究明していただきたいと思ってます。

若い人たちが、引きこもりにならないように……はい、まあ、以上であります。

訂正。それと、先ほど、国会のほうでお話しましたなかで、安倍晋三記念小学院と書いておりました配布資料、振込用紙。これは、平成26年に配布を止めております。

で、私は、事務方のしたことは、すべては把握しておりません。当初配布した、大量に配布したものがあって、それが出回っていたら、それは私にはわかりません。で、それはもう、タイムラグがあるということです。