自己責任のキャリアを考える機会に

南壮一郎氏(以下、南):みなさん、こんにちは。株式会社ビズリーチ、南壮一郎と申します。本日はよろしくお願いします。

ビズリーチは、ちょうど創業して8年目の会社になりますが、創業以来「インターネットの力で世の中の選択肢と可能性を広げていく」ことを、会社のコーポレートミッションとして掲げてきました。

我々は、ビズリーチという会社を通じて、インターネットをはじめとしたテクノロジーやデータを駆使して、企業と働く人たちを効果的に効率的につなげていくことを会社として8年間追い求めてきました。

創業事業の即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」は、先ほど小城さんからのご紹介にありました通り、管理職や専門職をはじめとした即戦力人材のプラットフォームでして、プラットフォーム上で企業と即戦力人材が効率的につながることができる事業です。

その後は、企業のニーズに合わせて、若手の正社員や新卒、アルバイト領域まで、ありとあらゆる「働く」領域において、データとテクノロジーでプラットフォーマーとして可視化してきました。

おかげさまで、ビズリーチはこの8年で約800名が働く企業として成長し、昨年は多くの新しい株主も迎え、約50億円の資金調達を実施いたしました。多くの後方支援をいただき、私たちの時代らしい、私たちの時代にあった働き方を表現するために、さまざまなプラットフォームを作る取り組みを始めています。

また先月、首相官邸で開催された経済産業省事務局の「日本ベンチャー大賞」では、地方への転職支援やテクノロジーによる新しい働き方の創出という点を表彰していただき、人材サービス革新賞を受賞いたしました。

弊社は、日本全国に弊社のプラットフォームを展開するために、4年間、地方企業や自治体と即戦力人材をつなげる支援を行ってきています。

その結果、内閣府の推し進める「プロフェッショナル人材戦略事業」を通じて、約30道府県のサポートを行い、ただプラットフォームを提供するだけでなく、地方の企業に短期間就業体験ができる「大人のインターンシップ」など、自治体や地方企業がクリエイティブな発信をし、自らの事業活動や会社の魅力を広く発信するためのサポートもしてきました。

昨年からは、経済産業省様から受託をし、福島被災地域の雇用創出にもプラットフォームを提供しています。

なぜ我々はこんなに地方への転職というものをこのプラットフォームを通じて推し進めてきたのか? それはニーズがあるからです。実際、利用企業や転職した方々がこの数年間でどんどん増えております。

それを表すように、ビズリーチ会員の方へのアンケートでは、6割近い方々が「やりがいがあれば地方転職を検討する」という声も見られました。

弊社が、このセルフターンのプロジェクトにパートナーとして参画させていただく目的は、我々の時代らしい日本の働き方を創っていきたい。また、会社の理念としてきた、世の中の選択肢と可能性を広げていきたいという思いがあるからです。

我々の時代らしい働き方を、今回「SELF TURNプロジェクト」を通じてご支援させていただくとともに、自分たちが持つプラットフォーム、コンテンツ、転職の成功事例を通じて、日本国民のみなさんに自分らしい働き方を再度考えていただき、冒頭で申し上げた自分らしい働き方、そしてなによりもキャリアは自己責任の時代になっていくというものを今一度考えていただく機会にしていただきたいなと思っております。

日本人材機構、ETICのみなさんとともに、2023年までの6年間で一緒に目標を叶えていきたいと思っております。本日はありがとうございました。

(会場拍手)

SELF TURN実践者の紹介

司会者:さて、ここまでご説明してまいりましたSELF TURNについて、より具体的にご理解いただくために、ここで、SELF TURNを実践して、新しい働き方をスタートさせた方々をご紹介したいと存じます。まずは、実際にご活躍中の場所に取材に行ってまいりました映像をご覧いただきたいと思います。どうぞ、スクリーンにご注目ください。

(以下、紹介映像)

ナレーター:秋田さんは、大学卒業後、首都圏の大手IT企業に就職し、総務・管理部門を担当。その後、中堅のIT企業に転職後は、経営にも携わってきました。48歳のとき、学生時代を過ごした新潟のNSGグループへ転職。現在は、NSGグループの1社である、株式会社ジェイ・エス・エスの社長を務め、グループ内のIT推進に尽力しています。

秋田叔之氏(以下、秋田):このNSGグループというのは、地方を元気にして、そこから全国、世界に発信していこうという非常にすばらしいマインドを持っていまして、そこに惹かれたというのも、また事実ですね。

地方は、それだけやっぱり人材が不足していたりすることもあるので、チャンスは意外と多いんだぞということを実感して、転職をしたというかたちです。一般的な方々は、片道1時間が普通と言われる満員電車に揺られ、そういったなかで、かなり人間性というのは失われていくのではないかと、ぼんやりと感じていました。

そのなかで、ITを担当している、株式会社ジェイ・エス・エスの代表を務めさせてもらっています。のどかな感じがするところで、交通の便もよろしいですし、開発するエンジニアにとっては最高の環境なのかなと思っています。

ワークスタイル自体が変わってきますので、時間と距離がぎゅっとゼロに近くなってると思うんです。なので、東京の都心で仕事をしているから、あるいは、地方でやってるから、という差はほとんどないです。

通勤ひとつとって見ても、今、徒歩15分なんです。私、ゴルフとスキーが趣味なんですけど、ゴルフをやったり、スキーをやったりということも、非常に気軽にできますし、身近に接することができるのは、すばらしい環境だと思っています。やっぱり来てよかったなと思います。

新潟発世界ナンバーワンサービスを生み出すことを目指していまして、とにかく1日でも早く実現したいなと思っています。また、新潟であることのハンデということはないかなとも思っています。

ナレーター:星さんは、防衛大学を卒業後、航空自衛隊において、航空機整備幹部として、多くの部下や隊員を管理、育成。また、東日本大震災のときには、米軍のトモダチ作戦に広報担当幕僚として参加。その後、大手企業に就職し、公共事業や航空関連ビジネスに従事したのち、広島県府中市にあるヒロボー株式会社に執行役員副社長として迎えられました。そして、現在まで、ヘリコプター事業の推進に尽力しています。

星尚男氏(以下、星):国産の航空機を作りたいと思っていたんですね。国産の航空機を作っている会社が広島県にあると。これはおもしろいと思ったのが、最初のきっかけですね。

2011年の3月まで、防衛省にいたんですけれども、東日本大震災がございまして、そのときに、オペレーショントモダチに参加したんですね。在日米軍と自衛隊との間を取り持つようなポストにいましたので、世界規模でも、人命を助けられることができたらなというのは、ずっと心にありました。

社員が働きやすい環境を作るというのが、一番の私の仕事と思っています。その環境を作ってあげることで、成果が少しずつ出てきて、例えば、開発がいろいろ課題を抱えていたと。その課題を1つクリアして、次のステップにいけそうですという報告を受けたりすると、やっぱりやってよかったなと思いますね。

自分が一番やりたかった飛行機を作る会社に入れて、その事業をこれから引っ張っていけるという、夢に近づいたというところが一番よかったなと思っています。広島県の府中市は、もともとものづくりが盛んな街でございまして、そのものづくりを生かしたことをやりたいなと、私も思っていました。

これまで航空業界に育てていただいたという思いがございまして、その航空業界に対して、なにか恩返しができないかな、その恩返しをする時間帯に入ったのかなと思っています。今、とくに、航空機を作る人、それから、整備する人、こういったところの人材が不足していると言われておりまして、こういった不足を解決するための国立大学を誘致するという活動も、別途やっております。そういったところで、なにか恩返しができればということを考えています。

ナレーター:松嶋さんは、パリで出会ったジャムに魅せられ、それまで勤めていた大手企業を退職し、奥様の実家である山口県の周防大島で、地元果実を生かしたジャムの生産を開始。多くのファンを持つジャムメーカーへと成長しました。現在は、地域の農家や飲食店とのコラボ商品を開発するなど、地域の活性化にも貢献しています。

松嶋匡史氏(以下、松嶋):元は、電力会社で、ある程度、型にはまっているような仕事がメイン業務になってくるんですけど、新規事業部という部署に配属になったときに、やはり、新しいことを作っていく、事業として起こしていくというのは、非常におもしろいなという感覚を抱きました。

妻と結婚して、新婚旅行先で、パリでジャム屋を見つけてしまいまして。こういうのって、日本に文化が無いから、日本でこういうのを広げることができるよな、そういう事業ってやってみたいな、と思ったのが、一番の転換点ですね。

基本は、ジャム作りをするというところから始まっているんですけど、みんなが共同体で一緒に生活しているところなので、農家さんにもきちんと利益の回る仕組みを作っていくとか、売り方も、近隣の方で一緒に購入して使っていくような、そういう仕組みを考えるとかですね。ビジネスモデルが、ぜんぜん都会とは違うので、そういったところを非常に重視するという必要性がありますね。

絶対、今の生活のほうがいいですね。田舎でいろんな人と、自然環境の中で子供も育てられる。最高だと、僕は思いますね。地域の人たちからすごく喜ばれるし、笑顔で毎朝いろんな人に挨拶をしてもらえる。それ自体が本当に幸せな環境でビジネスができるというのが、ぜんぜん違うと思います。

基本は、ジャムを作る会社として立ち上げたんですけど、これは、あくまでもジャムをキーワードにして、地域をおもしろくしていくという、そういう会社にしていきたいなと思ってまして。さらに、地域のいろんな方と連携して、地域の産業として、観光産業も含めて、高齢化率日本一だった島を改善していく、そういう取り組みをやっていきたいというのは、一番の想いですね。

ナレーター:本来の自分に返って、自分をじっと見つめ、自分を活かせる場を見つけ出す。そして、本来の自分らしく働くことで、自分自身の力を最大限に発揮する。あなたの力を活かせる場所は、この日本のどこかにきっとあります。

田舎だからできる産業の作り方

司会者:いかがでしたでしょうか? 3名の方々がそれぞれの場所で、それぞれの思いで、SELF TURNしてのご活躍ぶりがうかがえたことと存じます。では、ビデオでご紹介しました3名の方を、ここで改めてご紹介申し上げます。まず、新潟県でご活躍中の株式会社ジェイ・エス・エス代表取締役社長、秋田叔之さまです。一言ご挨拶をお願いいたします。

秋田:新潟県からまいりました。秋田県から来たわけではないんですけど、名前が秋田でございます(笑)。

ジェイ・エス・エスという、IT・ICTの企業の代表を勤めております。ジェイ・エス・エスというのは、NSGグループの1社でございまして、その中で、3年から4年前になるんですけども、そこで転職をしてきて、今は、社長という重責を担っております。

また、ビデオのなかでも紹介がありましたけれども、私たちが目指しているのは、世界ナンバーワンサービス。これを新潟発信で達成すること、そして、ここ10年以内に、上場企業となることという具体的な夢を持って邁進しております。以後、お見知りおきください。

(会場拍手)

司会者:ありがとうございました。続きまして、広島県でご活躍中のヒロボー株式会社執行役員副社長、星尚男さまです。どうぞ、一言お願いいたします。

:ご紹介に預かりました、星でございます。

私の夢は、ビデオにもありましたけれども、国産の航空機を作ることです。この夢を叶えるために、広島県の府中市にまいりました。

まずは、無人機。現在、試作それから開発段階を終えて、これから事業化フェーズへと移行いたします。そのあと、将来的には、友人の航空機へと発展させていこうと考えています。

それだけではなくて、現在、不足されていると言われている航空機、これを設計する人、製造する人、整備する人。こういった方々、私どもは、航空人材だけじゃなくて、航空技術者と呼んでいるんですけれども、これを養成するための高等教育機関を府中市と協力して、誘致しようという活動に汗を流しております。

近い将来、みなさまのもとに、日本国産の航空機が、また飛ぶことになります。そのときまで、どうかご期待ください。引き続き、よろしくお願いします。

(会場拍手)

司会者:ありがとうございました。続いて、山口県でご活躍中の株式会社瀬戸内ジャムズガーデン代表取締役社長、松嶋匡史さまです。一言お願いいたします。

松嶋:瀬戸内ジャムズガーデンの松嶋です。よろしくお願いいたします。

本日、瀬戸内の島からまいりました。この瀬戸内の島、周防大島という島なんですが、なんと、先ほどのビデオにもあったように、高齢化率日本一だった島です。

妻の実家がそこだった、そういう関係から移住しているんですが、私も移住する前は、ぜんぜんそういったところを知らずに、移住してから、「ようこんな島に来たね」というようなお話をいただいたんですが(笑)。そういう島でも、実は、資源を活用して、地域で雇用を産んで、そして、地域位の人が誇りにできるような産業って作れちゃうんですよね。

要は、都会で、大量生産型の産業の作り方ではなくて、本当にいろんな人のいろんな果物をヴィンテージのように組み合わせて、年間170種類くらいのジャムを作って、その個性を楽しんでいただくというような、いわゆる、マネー経済的な産業の作り方ではない作り方で、実はビジネスができるというのは、反対に田舎だからできる産業の作り方だったりするので。

そういったところをもっともっと、この島、そして、日本全国の、産業がもう無いような地域にも広げていけたらなと思っております。ぜひ、周防大島、あと、うちの瀬戸内ジャムズガーデンを注目していただけたらと思います。ありがとうございます。

(会場拍手)

司会者:ありがとうございました。みなさま、今日のためにおいでくださいまして、ありがとうございました。

では、これをもちまして、SELF TURNプロジェクト記者発表会を終了とさせていただきます。本日は、お忙しいなかお集まりいただきまして、ありがとうございました。