『嫌われる勇気』を寝かせていた編集者

山田玲司氏(以下、山田):とりあえず、メニューだけざっと言ってもらうと。カッキーは去年なかなかいつものように大暴れしていて、カッキーの事件簿っていうのがあって、毎回おもしろいんで。

乙君氏(以下、乙君):イカ飯卒業したんですか。

山田:イカ飯だけじゃなくて、イカ飯卒業するわけないじゃないですか。

(会場笑)

山田:絶対。最近、物産展多いのでちょっと熱いと思いますけど、あと金塊の話とかしたじゃないですか、あれがこの後どうなったかみたいな話から、それから『嫌われる勇気』っていうのがバカ当たりしたんだけど、実はあれ、ちょっとした秘密があるんですよ。その話をあいつにしてもらおうかなと思うんだけど。実は、寝かしてたからね、あいつ。『嫌われる勇気』。その話も本人が来てから詳しく。

乙君:寝かしてた、へー。

山田:あと後半なんだけど、なんとあの五味太郎首相のところに、この間行ってきまして、強烈なカウンターを食らって帰ってまいりまして、その話を後半。五味さんに会って、やっぱりすごかったので、その話を後半しようかなと思って。あと『君エヴァ』。

乙君:そうですね。

山田:『エヴァンゲリオン』はあれなんだけどね。今回、カッキーが実は『エヴァ』で人生おかしくなったって自分で言ってたんで、君らの世代本当に多いね。ほとんどそうなんだろうね。

乙君:ぜんぜんおかしくならなかったけど。

山田:え、でもお前好きだったんだろ?

乙君:それは普通に好きですよ。おもしろかったし。でも別に人生狂わされるそういうものではないです、僕は。僕はですけど。

山田:そこまでではなかった。しみちゃんは?

しみちゃん氏(以下、しみちゃん):僕はネタバレするとあれなんですけど、モノマネとかよくやってましたね。モノマネっていうか印象的なセリフっていうか。

乙君:え、しみちゃんモノマネするの?

しみちゃん:いや。モノマネはしてません(笑)。

乙君:え、じゃあ?

しみちゃん:モノマネじゃなくて、印象的な名言とかそういうのを、会話の端々に入れたりしてましたよ。それは遊びです、遊び。

(会場笑)

山田:その話を後半やろうかと思います。

乙君:あと質問が来てるんで、これ先にやっちゃう?

山田:それ先にやっちゃおうか。そうね、せっかくだからたまには質問と……。

乙君:けっこうみんなのためになるっていうか、「あー」っていうのやっちゃおうかな。

しみちゃん氏のモノマネ

山田:「しみちゃんモノマネから逃げた」っていうコメントが。

(会場笑)

しみちゃん:すいません(笑)。

乙君:あーあ、口すべらせちゃったから(笑)。

山田:これやらなきゃいけない流れかな。

乙君:しみちゃんの十八番のモノマネなんなの?

しみちゃん:(笑)。十八番。十八番はたけしでしょ。

乙君:たけし? ちょっとやってよ。

しみちゃん:「バカヤロ!」みたいな。……やばいな(笑)。

(会場笑)

しみちゃん:前にもやりましたよこれ。

山田:(コメントにて)「うわぁ」て。

乙君:2位。2位は?

しみちゃん:突発的に言われてもね(笑)。

山田:「似てる」ってコメントが。

しみちゃん:がんばりましたよ。ほんと。

乙君:でも似てたよね。

山田:みんな優しいなあ、相変わらず(笑)。

しみちゃん:すいません。

乙君:松方弘樹のモノマネは。

しみちゃん:やらないでしょ(笑)。

山田:できるの?

乙君:松方弘樹?

山田:うん。

乙君:象徴的なセリフあるっけあの人。

山田:あんの?

乙君:いやわからない。「マグロ!」みたいな。

しみちゃん:竹内力でしょ。

乙君:竹内力は……。ちょっと待って、「わしゃミナミで金融やっとる萬田いうもんです」

しみちゃん:今日はヤバいな(笑)。

婚活パーティーの第一印象

乙君:質問です。「30代後半の独身です。婚活パーティーとかに行ってるんですが、よく最初に3分間異性と挨拶することがあります」。婚活パーティーで、最初に3分ずつなんか来た人と挨拶すると、「3分間でお互いの話などそんなにできないんですが、相手にいい印象を与えるにはどうしたらいいでしょうか、いいアドバイスありましたらよろしくお願いします」ということです。

山田:3分なんだね。3分ごとに交代していくの? へー。

乙君:(コメントにて)「全裸になる」って(笑)。

山田:(コメントにて)「笑顔が一番」はそうだろうな。

乙君:(コメントにて)「ウルトラマンだね」。たしかに、ウルトラマンだ。

山田:けっこう過酷な世界なんだね。

乙君:いっぱいいるからってことですかね。

山田:乙君だったらどうする?

乙君:3分しかないんでしょ? あえて話さない。

山田:またこじらせたこというなあ。

しみちゃん:3分間なにしてるの?

乙君:みんな愛嬌よくしてくるんですよ。「はじめましてー」みたいな。そうじゃなくて、ちょっと遠くを見るみたいな……。

山田:え、ちょっと大丈夫か? 大丈夫か、その顔は。大丈夫か?

(会場笑)

山田:「帰れよ」ってコメントはちょっと(笑)。「回転寿司か」(笑)。

しみちゃん:「病院いこう」(笑)。

山田:病院だよ!

乙君:そっか!

山田:そうだよ、全員に向かって遠くを見るの?

しみちゃん:(笑)。病院ですよ、本当!

山田:それはやっぱり病院行ったほうが。

乙君:でも変に1発ギャグとかやると、「こいつないな」って。

山田:1発ギャグ? やります?

乙君:いややったりしない?

山田:「おさむちゃんです」って(笑)。

乙君:これ男性?

山田:だろ? うん。

乙君:男性か、男性か……。(手を挙げて)はい!

山田:はいどうぞ。

乙君:もうピンポイントに絞る。「僕は、野球が、好きなんです。あなたは、どうですか?」。

しみちゃん:なんでそのしゃべり方?

乙君:内藤の……。

しみちゃん:そうだけどさ。

山田:日本語を覚えたばっかりみたいな。

(会場笑)

乙君:すごいわかりやすく。

しみちゃん:プロレスラーの話ですいません。

山田:ああそういうプロレスラーの。

自分の話をしているようじゃダメ

乙君:そうすると、最初に「自分はこういうのが好きです、あなたはどうですか?」っていった時に、もうそこで半分以上はふるいに落とせるじゃないですか。最初に「誰でもいいや」じゃなくて、最初からキュッとレンジを絞っていったほうがいいんじゃないかなって。これ今のどう? どう? そうでもない?

(会場笑)

乙君:そう自分がピンと来た人に、っていうか向こうが話しかけやすいように、「まず俺はこういう話できますよ」っていうのを最初に言っておく。スペックを言うんじゃなくて、「どこの商社に勤めていて、年収これで」とかじゃなくて、「自分はこういうのが好きですよ」っていうのを言っておけば、そういうの好きな人とだったら会話弾むから、「向こうもこの人ならこの話できる、話しやすい」って作戦、これで行ってみようぜ。玲司さんのターンです。

山田:難しいねえ、これなにやってもあざとくなるよね。基本はだから笑顔じゃないの。

乙君:まあまあ、そうですね。

山田:で、7割相手にしゃべらせたら成功なんじゃない?

乙君:3分で?

山田:3分で。

乙君:その3分でも相手の話を聞くんですか?

山田:じゃない? それしかないでしょう、半々だったらダメじゃない。

乙君:ダメなの?

山田:自分の話してるようじゃダメじゃない。

(会場笑)

山田:相手の話をクッて引っ張っておいて、「もうちょっとしゃべりたいな」みたいな雰囲気で、「あ、時間になっちゃった、すいません、また」みたいな感じで次にいけたら、次があるってことでしょ。なのに自分語りして「俺を買え、こんなすげー俺を」みたいな感じでやったら、だいたいまあすべるよね。

だから、野球の話はどうかわからないけど、「野球好きですか?」「嫌いです」で終わっちゃうだろ。「見ませんよ」って言われたらそこで終わるから。そしたら、ものすごい勝負に出て、女子だったらだいたい好きそうな猫とか、スイーツとか……、(乙君氏に)どんな顔してんだよ(笑)。

乙君:いやそんな猫の話、俺が猫好きだったら猫の話はできますよ。

山田:いらねーんだよ、そんなん! 俺がなにが好きかなんて、向こうは、女の人の8割は猫好きじゃん。猫嫌いって人聞いたことある?

しみちゃん:いや、今んとこないです(笑)。

山田:俺、統計とったことないけど、俺の実感として8割は猫すごく好きだろ。

乙君:でもみんな大谷君とか好きじゃないですか。

山田:絶対ないって、お前の世界のなかには、日本ハムファイターズがものすごい容量を占めていて、そのなかで大谷君の価値……。

乙君:みんな応援してるじゃないですか。ハンカチ王子は。

しみちゃん:ハンカチ王子?

山田:みんな大谷君を応援してるとお思いですか?

乙君:「今年こそは斎藤君がんばってほしいよね」って話から入ってもいいじゃないですか。

しみちゃん:違うな(笑)。

山田:そうすると、「あ、この人自分の話しかしない人だな」って思われて。

乙君:むむ。

(会場笑)

しみちゃん:(コメントにて)「会場の片隅にいそう」っていわれたぞ。