17年間増収増益のヤフー、3年で大躍進のLINE

小野裕史氏(以下、小野):私、インフィニティ・ベンチャーズの小野と申します。今日はですね、日本のインターネット業界では皆様が注目する2社のキーマンにお越しいただきました。もうご存知だと思いますが、ヤフーの小澤さん。LINEより、舛田さん。

テーマは「次世代プラットフォーム革命」という非常に広いテーマではあるんですけれども、まずは、小澤さんはいつも通りにスライドはご用意されてないということで、僕のほうでいくつかネタを持ってきたんですけれども。

ヤフージャパンのトップなんですけど、

思い起こせばですね、1996年、スタートの時って、ヤフーはもちろん皆さんご存知ですが、検索エンジンからスタートして、今ではあらゆるコンテンツ並びにサービスだったり、いろんなプラットフォームに君臨し続けていて。

しかも、改めてすごいなと感じるのは、ヤフーさんはサービス開始以来17年間増収増益ですよね。さっきちょっと楽屋でその話をしたら、僕は最近だからあんまり昔のことは知らないって、小澤さんは話されていましたが、改めてこれはすごいことだなと。ま、どうしてこうなったかという話は少し聞きつつ、今後プラットフォームはどうなるかという話なので、過去の事例をヒントにしながら、未来の話ということでLINEの話にも繋げていければと思うんですが。

一方で、日本のモバイルのインターネットを紐解くと、1999年に世界で初めてモバイルのインターネットというのが、docomoのiモードからスタートして、当然ご存知の通り、2007年にスマートフォンの流れが来て、LINEさんはまだたった3年、ですね。3年でもうすでにこれだけのユーザーを一気に増やしていて。

最初はもちろんメッセージングアプリというところからスタートしているんですが、今では無料電話ですとか、様々なコンテンツを持っていたり、最近はLINEモールといったECのプラットフォームを始められたりと、非常に幅広いコンテンツサービスプラットフォームに広がっているということで。

この2社に何故このような発展に至ったのかということ、今何を考えているのか、今後、どういうプラットフォームがインターネットを牛耳っていくのか、そんな話を紐解いて聞いていければと思います。

ヤフーはなぜ発展し続けてこれたのか?

小野:まず、コンテンツプラットフォームというところで、小澤さん、客観的にインターネット業界を古くから見てきて、何故ヤフーはここまでのコンテンツサービスプラットフォームとして発展をずっと続けてこれたのか、客観的にどういう風に見られてますか。

小澤隆生氏(以下、小澤):はい。皆様改めまして、ヤフーの小澤です。よろしくお願い申し上げます。今週大きなニュースがございましたが、この件に関しましては広報とIRからくれぐれもふざけるなと言われておりますので、その件に関しましては難しいと、冒頭に申し上げておきます(笑)。

小野:私も事前のスライド用意していたんですが抜きましたので、皆さんも質問等、触れないようにお願いします。

小澤:また、今回のテーマでございますプラットフォームということに関しましては、正直ブッキングミスじゃないかと思っているんですけども。ヤフーの社歴が浅く、かなり難しい展開になると思いますけども、ま、プラットフォームといえば私ですから、インターネット業界に長くからいる身として、プラットフォームの編成を見て参りましたので、その辺りの視点で話せればと思います。

いろいろと今回は制約がある中での話になると思います。たいして笑えないと思いますけども、許してくださいというのが最初のエクスキューズでございまして。

仕組みが変わったときに、いち早く動いた

ご質問の「ヤフーは何で強かったんですか」ということでございますけども、私もよくわかりません。この手の物はPC、LINEさんの場合はスマートフォン、その前にガラケーって、デバイスの変化によってプラットフォームってのがすごく大きく変わって、その時にファーストムーバーであったり、バーンとトラフィックを集めて勝ち抜けて行くという、その典型のPC上での勝ち方だったんじゃないかなと思っているわけですね。

しかも、ヤフーというUSでうまく行っているサービスをいち早く日本に持ってくるという、孫さんお得意のタイムマシン経営というやつが、まさにうまくはまったということであると思ってます。やはり、アメリカで成功しているインターネット、PCにおけるインターネットのサービスにおいてうまくいってるものをですね、バシッと見抜いて日本に持ってきましたと。正直、その仕組みが良かったというところだと思います。

あとは当然、人が集まってきた後、何をコンテンツとしてぶち込んでいくかという中で、例えばオークションだったり、知恵袋といった、かなり日本独自のものが発展していったと。そもそも人が多いところに、多くの人が欲しがっているニュースだとか天気予報といった、当たり前のコンテンツをぶち込んで行く。

この辺りは当たり前の発展なんですけど、デバイスとかルールが大きく変わったときに、いち早くズドーンといった。ヤフーの場合はディレクトリサービスとか検索という主軸となるサービスを持って来て、そこに対してコンテンツをくっつけて行ったと。そういうことが成功の要因だと思って。

その辺りは、プラットフォームの発展のあり方って、一応僕もちょっとだけ考えたことがあるので、このセッションの中でおいおいお話できればなと思っている所存でございます。ただ、これはPCの世界の話ですね。もう、スマートフォンになったらLINEさんの天下ですから。

検索とディレクトリは最強のコンテンツだった

小野:基本的にはPCっていう世界の中で、まずは検索、ディレクトリサービスという軸があって、そのトラフィックの中で伸びてくるコンテンツを徐々に増やしていったという。

小澤:おっしゃる通りだと思っていて。パソコン、インターネットという世界観において最も当たるコンテンツは何だったんですか、って言ったら「検索」であり「ディレクトリサービス」だったと思うんですよ。

それに対してドーンと王者になって、そこからコンテンツを増やしていったわけですね。LINEさんはどういう発展になるかわからないですけど、メッセージング、コミュニケーションという主軸がドーンってあって、それにドーンとゲームとか増えてますから、こういう発展なんじゃないかなって思ってますね。

小野:という流れでですね、そろそろ何かLINEさんのほうに振れという、プレッシャーを感じつつですね、舛田さんのほうに、マイクを変えてみたいと思うんですが。

一方、これはもうある程度お話をされているかも知れませんが、そもそも何故、LINEというものを立ち上げようと思って、その後様々なコンテンツをどの様な基準で、何を持ってこようと思ったのか。結構難しい議論だと思うんですけど、このあたりの経緯、もしかしたらヤフーさんを参考にしたりとかがあるのであれば、その辺も含めてお話をいただければと。

検索ではなく、コミュニケーション - LINEが勝てたワケ

舛田淳氏(以下、舛田):そうですね、震災がきっかけだとかいろいろ、いつもお話しているところとは別に、個人的な思いも、会社的な思いもありました。もともとは私は「検索」の人間でございまして、NAVERとして検索でヤフーさんに勝ちたかったんですよね。Googleさんにも。

で、いろんなことをやって、勝ちたい勝ちたいと、ずっと思ってやってきたんですがらやっぱり勝てなかった。強大過ぎて。そこで、全部やめるのかっていったらやめられませんので、じゃあどうしたらいいんだと考えた中の1つとして、さきほど小澤さんがおっしゃっていたデバイスのチェンジであるとか、OSのチェンジみたいな波が来たと。波が来たので、これに乗るしかないという考えでした。

「LINE」という名前自体は、人と人を繋げるっていう意味もあるんですが、もともと私たちはプラットフォームがやりたかったんです。我々の会社の志向性っていうか、考え方っていうのは基本的にプラットフォームなんです。

ですので、LINEを作った時にも、これはプラットフォーム化するのを前提にしてました。今はスマートフォンの時代になったので、プラットフォームにいく入り口として何がいいんだろう、それは検索ではなく、コミュニケーションですね、って話なんですね。

そこから、コミュニケーションを入り口として、接触時間も長いので、そこをベースとして様々なコンテンツをのせていくと。当然参考にしたのは、iモードであり、ヤフーさんをはじめとしたポータルですね。我々自身もライブドアというポータルやってますし、そういったノウハウを使ってコンテンツを入れていってると。

ですので、我々のコンテンツ展開を見ていただくと、基本的には今までPCのポータルサイトの中にあったコンテンツ、ないしは、インターネットの中にある大きい領域のものが、どんどん加わってきている。そこにスマートフォンらしさとか、スマートフォンだから出来ることとか、あとはLINEだから出来ることみたいなのを足して、今展開をしているという状況です。