雑誌の切り貼りが芸術に 「コラージュ」を駆使するアーティストたち

COLLAGE | 5 Artists in 5 Minutes

コラージュ。新聞の切り抜きや雑誌など、さまざまな素材を組み合わせることでなにかを表現する現代絵画の技法の1つです。素材として使われるのは紙だけに限らず、布や針金、ガラス片などが使用されることもあります。今回のアート系YouTubeチャンネル「Little Art Talks」では、ドイツのダダイストから若手のアフリカ人アーティストまで、コラージュを使って芸術活動を行った5人のアーティストを紹介します。

コラージュと芸術

カリン・ユエン氏:みなさん、楽しい日曜をお過ごしでしょうか。さて今回の「5 Artists in 5 Minutes」はコラージュについてです。

ハンナ・ヘーヒ(Hannah Hoch 1889~1978)はドイツのダダイストであり、彼女のもっとも著名な作品は、≪ドイツにおけるワイマール共和制最後のビア=ベリーの文化時代にダダのキッチンナイフで切る(Cut with the Dada Kitchen Knife through the Last Weimar Beer-Belly Cultural Epoch in Germany)≫(1919年)です。

コラージュの画像は、第二次世界大戦後ドイツ政府が長く混乱していた時期の新聞からです。彼女は時代を識別できるような像を用いて、ダダ運動における生活と芸術にまつわる新しい芸術宣言として再制作しました。サーカスのような着想には、ある意味滑稽さがあり、古いワイマール共和政指導者たちと、新たに台頭した左翼共産主義者たちとの乱戦状態に対する政治批判になっています。

リチャード・ハミルトン(Richard Hamilton 1922~2011)は、イギリスの画家であり、コラージュ作家です。彼のコラージュ作品は、≪一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか≫は、1956年に制作され、ロンドンのインディペンデント・グループ(Independent Group 略称IG、モダニズムの優勢に対抗し大衆文化をファインアートの中に取り込むことに挑戦した芸術家集団 1952~55年に活動)の展覧会「This Is Tomorrow」に出品されました。

これは、ポップアートのもっとも初期の作品と考えられています。コラージュは、奇妙に散りばめられた日常の凡庸なイメージから構成されていて、アメリカの雑誌から取り出されたものです。筋肉質の男性がトッツィー・ポップのキャンディを持ち、そして女性がランプシェイドの帽子をかぶっています。彼らの周辺は、掃除機や大きなハムの缶など、1950年代の富を象徴するアイコンに囲まれています。

アル・ジョンソンが主演した初期のトーキー映画『ジャズ・シンガー』など、現実の広告やポスターが取り上げられており、天井は大きな地球の画像があります。ハミルトンは言いました。「ポップアートは、大衆的で、刹那的で、消耗品であり、低価格で、大量生産品で、若くウィットに富んでいて、セクシーで、いかさま仕掛けで、グラマラスで、大きなビジネスである」。

コラージュが物語るもの

ジョン・ステザッカー(John Stezaker 1949~)は、ポップアートの優位に対抗して活動した、イギリスのコンセプチュアルアーティストの第一世代です。彼の作品は、シュールレアリズムの様相ながら、ポストカードや、映画のスティール写真、広告写真など、すでに存在するイメージを借用しています。

美術史学者のジュリアン・スタラブラス(Julian Stallabass)は以下のように述べています。「これらの作品の真髄でもある対比は、再現されたものと現実にあるものの間の対比ではなく、大衆文化の未知なる原始性と意識の間、そしてポストモダン的イメージにおけるアイロニカルな芸術家と観者の間の対比である」。

1991年の作品は、パンク・ロックのあるイメージを描写していますが、下記のキャプションがつけられています。「このような展覧会でなぜ時間を過ごすのか?」。

ワンゲチ・ムトゥ(Wangechi Mutu 1972~)は、ニューヨークで制作するアフリカ人アーティストです。彼女は、マイラーというポリエステル被膜に大規模なコラージュを施した作品で知られています。

しばしば中央の人物像は女性の身体であり、植物のような、動物のような要素が、抽象的な模様と絡み合い、有機的で超現実的な人間の形態と合流しています。雑誌の切り抜き記事や、絵画、発見した物質などから作品は構成され、これらの素材は、商業的なファッション雑誌やライフスタイル写真、ポルノグラフィや自動車雑誌などのメディアから取られたものです。

このような怪物的でありながら、エレガントな兵士のように見える女性たちは、フェミニズムやグローバリゼーションなど、ポスト帝国主義における個人的な、あるいは歴史的、文化的な物語をつづります。です。アフリカ文化や伝統の、今日の語りと女性の身体イメージを組み合わせています。

ジョン・バルデッサリ(John Baldessari 1931~)は、カリフォルニア州のサンタモニカとヴェニスで制作する、アメリカのコンセプチュアルアーティストです。彼はしばしば、物語の可能性のあるイメージを提示し、そしてアートにおける言語を連想する力を問うています。

≪建物=拳銃=人々注:欲望、そして希望(スモッグも)≫(1985/2007年)は、白黒写真やカラー写真、ビニール塗料や、油絵具などを組み合わせた作品です。11×26フィート(3.35×8メートル)の大きさで、近寄ると広告のビルボードのような見かけをしています。凡庸なポーズの顔が失われた市民の冷たさ、そして近代的なオフィスのブロック、そして銃などが組み合わされています。

キスの画像や青いバラ、そしてかじったリンゴなどの画像は平坦で、タイトルが示唆するように等価交換可能なように見えます。顔を覆う点々は白くて、銃弾の穴のように空虚に見えます。これは、邪悪であると同時にユーモラスです。

これらは、作品にコラージュを用いる5人のアーティストでした。もちろん、これだけではありません。みなさんはどのアーティストがお好きなのか、コメント欄にお知らせください。

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Karin Yuen(カリン・ユエン)がアートの世界をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。古今東西のアートにまつわる豆知識をお送りします。

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