ラリー:この前世間で話題になっていたのが、都議会での塩村議員へのセクハラヤジ問題

梅田:そこに触れますか。

ラリー:「早く結婚しろよ」、「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジが飛んだと。

梅田:塩村議員はそう言ってましたね。

ラリー:ヤジを飛ばされたって言って、それでヤジを飛ばした議員が謝罪をするみたいな騒動になってました。この話っていろいろ切り口あってややこしい(笑)。ややこしいので、とりあえず今回は「失言」っていう話でいきたいんですが。

梅田:政治家と失言ってことですか。

ラリー:はい。よく聞くじゃないですか。政治家が失言して謝罪とか。

梅田:今は塩村議員が目立ってますけど、「金目」発言ですか、石原伸晃さんの。最近すごい多いですね、政治家の失言みたいのが。

ラリー:昔からある話ですけど。

梅田:でもみんなで取り立ててっていうのは、ここ10年くらいじゃないですか? もうずいぶん前ですけど、麻生首相の漢字が読めないだとか。まあどうでもいいじゃないですか。国の行く末とは。

ラリー:そこは難しいところですね。どうでもいいとするか、でもやっぱり漢字読めないのやばくない? みたいな(笑)。

梅田:でも、僕そういう……あー(笑)。

ラリー:どうしたんですか? 急にエクスタシーに達したんですか?(笑)

梅田:(笑)。難しいですね、この問題は。

ラリー:でも一般論として言えばいいんじゃないですか。政治家とかじゃなくて。

梅田:話はズレますが、最近一般論とかよく聞きますけど、「一般論として」と言って、自分の思いをぶちまけるみたいなフォーマットもありますね(笑)。

ラリー:そんなこと言ったら余計言いたいこと言えなくなるんじゃないですか(笑)? 石原慎太郎さんとかナベツネさんとか、口を開けば物議をかもす人いるでしょ。ああいうのも基本的にはサービス精神だと思うんです。本人が、国民に訴えようとかマスコミを楽しませようとか、そういう一心でわざとちょっと過激なこと、突っ込んだことを言ってるんじゃないですか。

梅田:どこで言ったのかが問題ですよね。議会とか公の場で言うのは、それはちょっと不注意だったっていうか、叩かれてしょうがないことだと思うんですけど、ちょっと談話みたいな瞬間がある。録音されてないところだったら僕もラリーさんも、「あいつ死ねばいいのになー」とか言うこともあるじゃないですか。言ってるかどうかは別にして。

ラリー:それけっこうあるみたいですね、政治家は。記者会見とか囲み取材とかでいろいろ言う。それとは別に、政治家と記者が個人的な付き合いがあって、一緒に食事に行ったり飲みに行ったりするとき。そこではわりとざっくばらんにお互い何でも話し合ってる。そこで言ったことが失言みたいになるケースもあるみたいです。そこが難しいですよね。

梅田:それはマスコミがもう落とし込めようとしてるってことですよね。しかけてる、油断させようとしてるっていうか。

ラリー:似たようなケースであるのが、芸能人が飲食店で何かしゃべっている。それを、隣の部屋にマスコミがいてたまたま聞いて、記事にしちゃうみたいなことあるんですよ。そういうのってどうなんでしょうか。そこでしゃべって、仮に過激なこととか誰かの悪口とか言ってたとしても、それはもういいんじゃないか。そこを言っちゃかわいそうじゃないかっていうのありますよ。

梅田:本当に清廉潔白な人なんていないですからね。みんなどこかで不規則発言をしているはず。それを良いと思っているか悪いと思っているかっていう問題ですよ。

ラリー:あと、人前で聞かれるのが前提っていうならわかるけど、そうじゃないときに言ったことをどうこう言うのもかわいそうですよね。それはプライバシーの侵害とかって話をしますけど。

梅田:サラリーマンで例えると、居酒屋で上司の悪口いっぱい言っていたら聞かれてて、クビになったみたいな。そういう状況の人も日本に何人かはいるかもしれないですけど。職場で言ってるのと、居酒屋で愚痴ってるのはまたちょっと別の話ですからね。

ラリー:仮にクビになったとして、その時に、僕は上司の人に言いたいです。「あなたの部下が、居酒屋であなたの悪口を言ってました。それで怒る気持ちはわかるけど、でも、ちょっと違いますよ」と。本人がいなくて言ってる話だから、それを人づてで聞いちゃった不運はあるけど、それを本人に怒るべきかっていうと、どうなんですか、っていうね。

梅田:でも一方で、ふと軽い気持ちで言ったことがどんどん拡散されていって大事件になる時代であるってことは間違いないですね。だから、そういう意味では不注意なのかもしれないですけど、ちょっと息苦しいですね、単純にそれは。

ラリー:それをやってもお互いあんまり幸せにはならないんじゃないのって気はします。他人の知らない世界があるってことを認めないとしょうがないんじゃないか。アイツが陰で俺の悪口を言うことも許さないってなっちゃうとおかしいから。「あいつが俺に対して悪口を言うのは嫌だ」となったらおかしい。

梅田:人それぞれ嫌いな人っていると思うけど、嫌いだというのは生理的なものでしょうがないじゃないですか。それを口に出したらダメだっていうのはわかる、マナーとして。でも、その人に言ってるのがどういう場所なのかっていうのは気になりますね。

ラリー:そうなんですよね。だから失言とかヤジっていうのも、ここが切り取られる、そこが聞きこまれるとは思わなかったとかいうところがあるから、難しいんでしょうね。今回の件がどうってことじゃないですけど、一般的には。これですよ、「一般論では」(笑)。

梅田:あと、「ヤジはいけない!」ってヤジってる人いますよね(笑)。

ラリー:なんですかそのトンチみたいな話は(笑)。

梅田:「ヤジはいけない」って意味のことを外野ですごくヤジっている人いるなって思って。それヤジだよって思うんですよ。

ラリー:Twitterとかではよくあるけど。そういうことですか?

梅田:そういうことですね。

ラリー:だから不毛なんですよね、そういうのって。誰かが悪口を言うと、それの文句をいう人がいると。それで議論になるならいいんだけども、議論じゃなくてただ言いたいだけの人はいます。

梅田:今回の事件はヤジにセクハラが乗っかってるから問題なんですけど。でもヤジの問題とセクハラの問題は切り離さないといけないですね。ヤジそのものを批判するのは違うと思う。