プロダクトは“ユーザー勉強会”で拡散せよ
サイボウズ「kintone」の成功事例

自走するイベントのつくり方 #2/3

BACK STAGE2016
に開催

2016年8月30日、イベンターの、イベンターによる、イベンターのための夏のフェス「BACK STAGE 2016」が開催されました。トークセッション「自走するイベントの作り方」に登壇した、サイボウズ・伊佐政隆氏、ソラコム・片山暁雄氏は、自社が運営するコミュニティの事例と効果を紹介しました。

サイボウズとソラコムのコミュニティ運営

小島英揮氏(以下、小島):実はこの話の2年ぐらい前にイベレジ(EventRegist)さんのイベントで話したことがあるんだけれども。ログミーさんに書き起こしてもらって、非常にたくさんアクセスがありました。

それからはそのネタだけで座談会が1個組まれてしまうような感じで、マーケターの方からすると、コミュニティを通じてどんどん新しいお客さんにリーチする、非常に「いいな」という感じがあると思っています。

それで、「じゃあ、このコミュニティの話をやりましょう」という話になって。「徳力さんにモデレーターを」という話になりました。実はこのとき、徳力さんに言われたことがあるんです。

「お客さんがどんどん自分で集まって、商品を紹介する。これは非常におもしろいけど、こんなの誰でもできるわけじゃない。再現性がすごく難しいんじゃないの?」ということなんです。

僕はそんなことはないと思っていて、別にAWSじゃなくてもクラウドじゃなくても、僕じゃなくても、「同じようなことができるんじゃないか」と思っていたんですが、なかなかファクトがないとそれを反論することができないと。

今日はお二人いらっしゃっているんですけど、この2人はサイボウズさんがやっている「kintone」の製品のマネージャーの方と、ソラコムさんというIoTのプラットフォームをやっていらっしゃる会社の方です。そこが今、実はこういったことをやっています。

Amazonだけではなくて、ほかの会社もちゃんと自走するイベントでコミュニティのドライブができているんですよね。

今日この2人を入れて話をすると、これは再現性がある話なので、みなさんにもきっと役に立つんじゃないかなと思っています。

Amazon自体も、「これは小島がやっているからできるんじゃないか?」と思う方がけっこういるかもしれないです。わかりやすく言いますと、私は明日でAmazonを卒業します。なので、僕がいなくても自走していくわけなんですけど。

徳力基彦氏(以下、徳力):今すごいカミングアウトをさらっと(笑)。

(会場笑)

小島:いやいや、これぐらい用意しておかないと、徳力さんに話ができないので、一応辞めてきました(笑)。

徳力:なるほど(笑)。

小島:明日から僕がいなくても、このコミュニティがどんどん大きくなるのを見れば、「別に特定の人のスキルに依存してるわけじゃないんだな」ということがわかると思います。

なので、会場の方も「こんなおいしい話があるわけないじゃないか」と思っていらっしゃるかもしれませんけれども、けっこうちゃんとやっていらっしゃる方がいるので、どうやったら再現できるかという話をしていきたいと思います。

全国に広がる「kintone」勉強会

徳力:ありがとうございます。要は、2年前にさせていただいた小島さんとの対談へのアンサーソングとして、「私が間違ってるよ」と説得される日だと思っていただければと思います(笑)。

(会場笑)

徳力:では、2人の自己紹介を簡単にお願いできればと思います。まず、サイボウズの伊佐さんですね。

伊佐政隆氏(以下、伊佐):よろしくお願いします。みなさまサイボウズはご存知でいらっしゃいますでしょうか?

みなさんがご存知のサイボウズと今の私たちがどれぐらい違うかというと、国内で今7拠点、海外4拠点、陣容が600人を超えたところになっています。

チームワークを向上させるためのツールを開発してるというところは、この19年間まったく変わらずにやっています。

旧来のグループウェアは、いわゆる「スケジュールが共有できますよ」「掲示板で全社に通達が出せますよ」「メッセージ機能で連絡が取れますよ」という、アプリケーションの使用用途をある程度決めてご提供していたパッケージでした。

今、私たちがやっている「kintone」というプロダクトのサービスがありまして、チームワークを向上させるための課題はチームごとに違うじゃないですかと。

それは、「解決策は自分たちが一番よく知ってるんじゃないか?」ということで、自分たちのチームに必要な業務システムを作ってしまえと。それもプログラミング技術がなくてもできるようにしましょうと。こういうプラットフォームサービスを「kintone」という名前で提供しております。

私はこの「kintone」の販売・マーケティングの統括をさせてもらっている、プロダクトマネージャーです。

いろいろ書いてますけど、自社でおもてなしをしっかりして、準備もして、半年〜1年かけて準備をするイベントをやっています。

あとはユーザー会というかたちで、お客さん同士でアイデアを交換するような会をサイボウズで仕掛けながらやっています。

今日の主題になっている、コミュニティの自主性に任せたイベントというのも、8月に広島で開催されるイベントで100回目です。

去年50回を超えたので、今はだいたい1週間に1回は全国のどこかで自主的に勉強会イベントがされている。

「kintone」の周りはこのようになっています。今日はこの話をできたらなと思ってます。よろしくお願いします。

徳力:これをやるようになったのは、小島さんに教えてもらったからですか?

伊佐:そうなんですよ。小島さんは私の大師匠です。このコミュニティが始まったきっかけは、札幌のサイトウさんという方が「kintoneの勉強会をやりたいんだけど、『kintone Café』って名前付けてやっていいか?」という持ちかけがあって、「どうぞどうぞ。やってください!」となりました。

徳力:その「サイトウさん」は社員じゃなくて、お客さんですよね?

伊佐:そうですね。完全に社外の方で、ご自身で会社を起こして、ITの企業をやってる会社の方でし。その方が「やります」と言ってくれて、「どうぞどうぞ」と。

「こんなこともあるんだな」と思いながらやっていたんですけど、小島のコミュニティマーケティングの勉強会を1回社内でやっていただいて「これだ!」と思って、そこから集中してやりました。

徳力:なるほど。現象と手法が脳で繋がった瞬間ですよね。

伊佐:簡単に言うと「kintone」は説明コストがすごく高いんですよ。でも、使ってもらったら「すごいいいね!」となりやすい。

これを人づてで、効率よく広げていくにはどうしたらいいかなとモヤモヤしてたんですけど。そこで小島さんの勉強会につながりました。

小島:いわゆる「Sell Through the Community」ですね。

伊佐:まさにそうですね。

徳力:ありがとうございます。では、もうお一方。ソラコムの片山さんです。よろしくお願いします。

「SORACOM-UG」立ち上げのきっかけ

片山暁雄氏(以下、片山):みなさん、こんにちは。私、株式会社ソラコムでソフトウェアエンジニアをやっております、片山と申します。

おそらくSORACOMという単語を聞かれたことがない方が多いと思います。SORACOMは、2015年の9月末にサービス開始した「IoT」向けの通信サービスです。

「IoT」というのは、いろんなモノがインターネットを通じて、クラウドコンピュータにつながって、新しい価値を生み出すという、そういうビジネスモデルです。

みなさんお持ちのスマホにも入っている、通信のSIMカードをIoTの機器向けに提供しています。プラスαでIoTシステムをお考えの方に、IoT通信に関するいろんなサービスを、みなさんに使っていただきやすいような部品として提供しています。前職はAWSで技術者をやっておりました。

コミニティとの関わりで言いますと、今、我々のサービスを使っていただいているユーザー様に「SORACOM-UG」というのを東京を中心に、大阪ですとか、山形ですとか、いろいろ地方でやっていただいております。AWSにいた頃は「JAWS-UG」にも参加をしておりました。

実はこのJAWS-UGを一番最初に立ち上げる時に小島さんにお声かけをいただきまして、そのとき私はAWSにいなかったので、一開発者の立場として「コミュニティがあるとうれしいな」と、「こういうものがほしい」という要望などを入れていただきながら、コミュニティを作っていたという経歴になっております。

今日はみなさまマーケターの方だと思いますが、逆にマーケターの方が開催されるイベント参加者の立場としても、お話ができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

徳力:よろしくお願いします。小島さんとの関係は、イベント参加者でもあり、元同僚でもあると。

片山:はい。なので今、卒業の話が出てすごいビビってるんですけど。

(会場笑)

片山:「そんなこと言うなよ」みたいな感じもありますけど(笑)。

徳力:そこは壇上を降りてから話していただければと思います(笑)。お三方とも、そういう意味では「小島ブラザーズ」ということで、私がいかにアウェーかもわかっていただけたと思います。

1,000人規模のイベントができるまで

徳力:ここまでの話を軽く整理すると、まずAmazonは当然大きな会社ですから、自分たちだけでも非常にこんな大きいイベントができます。それはAmazon以外の方からすると「お金あるから大きいイベントできて良いですね」という話です。

でも、実はAmazonでは、同じような規模のこんなに大きなイベントをユーザーがやってくれているんですよね。1,100人規模。

小島:やってくれています。

徳力:これ実は御社が暗躍して、全部セッティングしてるってことはないですよね?

小島:そんなにうまくはできないですね。結局、彼らがやりたくてやっているので、これぐらいの規模になるんですよね。

徳力:じゃあ、先に1,100人のイベントを自分たちで考えようと思ったってやらないんだけど、ユーザーが自発的にやった結果、1,100人集まっちゃうから、こういう規模になるんですね。

小島:そうですね。今言われているのは、実は僕らは箱だけは用意したんですよ。会場がないと大変なことになっちゃうから。

他のところはほとんどサポートしていなくて、これだけです。それでも、「1,100人が収まらないから箱をもっと大きくしてくれ」というリクエストが来て、どんどん大きくなるんですよね。

徳力:なるほど。最初はもうちょっと小さな箱を用意してたんだけど、応募が多すぎるので増やしてくれと。うれしい悲鳴ってやつですね。

小島:「雪だるま式」って呼んでますけど、ゴロゴロゴロゴロ大きくなるんですよね。巻き込まれて大きくなる。

徳力:普通は逆ですよね。私もちょうど昨日ここで別のイベントをやっていまして、同じ会場とは思えないこの雰囲気の作りに、BACKSTAGEのスタッフの人たちの努力を感じているところです。

普通のイベントは先に箱を借りちゃうので、その箱を埋めなくちゃいけない。いざ募集してみたら、「人が来ない、どうしよう?」とか。いざ募集してみたら、「台風来る。どうしよう?」みたいになる。主催するのは本当に大変ですよね。

そこをユーザーが自発的にやってくれるうえに、想像を超えた規模になってしまうというのがAmazonの1つの事例ということですよね。

Amazon Web Servicesは日本にたくさんユーザーがいるし、小島さんが仕切っていたので、「できるのかな」と思って軽率な発言を……すいません(笑)。

小島:もうログがしっかり。

イベント運営者が抱える課題

徳力:伊佐さんはもう100回も実施されているという話なんですよね。

伊佐:そうですね。明日100回目。

徳力:小島さんを参考にしてはじめつつも既にしっかり実績が出ているという話ですよね。    ソラコムさんも似たような感じですか?

片山:我々は昨年(2016年)の9月なので、まだまだ。

徳力:まだ始まったばっかり?

片山:プロモーションを数回、大阪でも何回かやっています。我々のコミュニティ以外でも、ほかのコミュニティと一緒になにかをやったり、コミュニティという名前ではないですが、我々の製品を使って、ハンズオンでなにかみなさんにやっていただいたりしています。

徳力:会場にアンケート取らせていただいてもいいですか? 「私はイベント主催者です」という人と、「どちらかというと、イベントをサポートする側です」、「どちらかというと、普通に参加者としてよくイベントに参加してる人間です」という3択で手をあげていただければと思います。

「私はどちらかというと、イベント主催者です」という方はどれぐらいいますか?

(会場挙手)

小島:多い。

徳力:やっぱりこういう方が多いみたいですね。「どちらかというと、イベント主催者を支援する側の人間です」という方は?

(会場挙手)

徳力:けっこう多いですね。「どちらかというと、イベント参加者として、いつも参加してます」という方は?

(会場挙手)

徳力:やっぱりイベントの主催者の方が多いみたいですね。イベント主催の方からしたらめちゃめちゃうらやましい話ですよね。ユーザーがイベント運営自体をやってくれるというのは。

とくに、地方のイベントは本当にリスクが高くて、東京の人間が行くのにもコストがかかるし、宿泊費もかかる。しかも、「行ったのに人が集まらなかったらどうしよう?」と。逆にこれをユーザー側が企画してくれて良いことづくめ。小島さんも地方にたまに行くこともあるんですよね?

小島:たまに行くこともあります。

徳力:必ず行くわけではない?

小島:専任の人が2人ぐらい必要になっちゃうので。

徳力:100回やったら、何回ぐらい参加しますか?

伊佐:私は10回行ってないかもしれないですね。

徳力:1割?

伊佐:はい。

小島:僕自身でいうと、たぶん5も行ってない。

徳力:5パーセント?

小島:はい。あとで話が出ると思いますが、バーチャルで参加するんです。みんなが盛り上がっていて、いろいろなことをツイートしたりするじゃないですか? そういうのは(ソーシャルで)ジャンプインして「見てますよ」というのは、ちゃんとやります。

徳力:なるほど。いわゆるビデオ中継で参加するんじゃなくて、ちゃんとハッシュタグとかに絡んでいくとか、お礼を言うとかいう話ですね。

小島:はい。

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