のぶみ氏の新作絵本

のぶみ氏(以下、のぶみ):お! 始まりました。

(拍手)

のぶみ:気付いている人はいると思うんですが、西野さんが、今日はいません。どのくらいで来るんですか? 10分遅れるのかぁ。トンボさんは、来てるんですよね?

山口トンボ氏(以下、トンボ):来てます。来ております。

のぶみ:すごいよな。超人気ですもんね。どうします!?

トンボ:いや~もう忙しい。年末ですからね。みなさん、お忙しいですよ。本当に。

のぶみ:そうだよね。僕も、12時からしゃべりっぱなしで、しゃべることがないんだよね。

トンボ:本当にね(笑)。そうですね、もう年の瀬にね。

のぶみ:どうしよう、西野さん。だけど、『めちゃイケ』見ましたよ。ちょっと僕、泣いちゃいましたけどね。

トンボ:『めちゃイケ』ね。よかったですね。仲直りできて(笑)。

のぶみ:どう思いました?

トンボ:え、なにがですか?

のぶみ:見て。

トンボ:よかったですよ! 本当に。すばらしい回でしたね。

のぶみ:なんか、尊敬してる感は出てましたね。

トンボ:そうですね。でも、もともとそうでしたからね。お互いの誤解が解けて、よかったですね、本当に。

のぶみ:西野さんがいないから、俺、なんか読むか?

トンボ:いきなり! 早々に? 大丈夫ですか? 無料のところで。

のぶみ:あ、そっか。でも、僕は、別に見せてるしね、講演会とかでもね。

トンボ:本当ですか。いきなりの。でも、どうします。一番いいところで西野さんが来るという。そういうパターンもあるかもしれませんけど。

のぶみ:そうかも! 今、僕、こんだけ書いてるんですよ。

トンボ:すごいですね。全部新作ってことですよね。

のぶみ:うん。これ見えるかなぁ。

トンボ:すごいなぁ。

のぶみ:これでしょ。来年出る新作なんですよ。これ全部。『あくまちゃんとてんしちゃん』ていうやつと、『こどものママにあいにゆく』っていうやつと、『3センチママ』っていうやつで。ママが3センチになっちゃうんですね。これは、アニメ案ですね。そして、『コンビニさんのはつこい』っていうやつをやって。

トンボ:すごいですね。同時に。

猫におしっこをかけられた原稿

のぶみ:今、書いてて……。今、悩んでるんですよ。

トンボ:なにを悩んでるんですか?

のぶみ:なんか、『ママがおばけになっちゃった!』が出たじゃないですか。で、なにしようとしても、やっぱり、あれを意識しちゃうんだよね。

トンボ:あ~。なるほど。

のぶみ:だから、売れた人ってどうしてるのかなと思って。売れて、自分パクリみたいなやつを発生させちゃうから。

トンボ:似てくるってことですか?

のぶみ:そうそう。だから、出版するかしないかじゃなくて、とにかくいっぱい書いて、元の俺の感じ。その『ママがおばけになっちゃった!』を意識してる状態を遠ざけていこうかなと思ってるんだよね。

トンボ:なるほどね。

のぶみ:今、1、2、3、4、5、6。6本書いたんだけど、今日、猫におしっこされて(笑)。なんで猫におしっこされんの!? と思って(笑)。

トンボ:猫におしっこされちゃった(笑)。

のぶみ:(原稿を嗅いで)くっさー! 今でも!

トンボ:すごいですね。あえて、それにおしっこする猫(笑)。

のぶみ:だってさ、猫でもさ、俺のお金で食べてるじゃんか? なんでここにおしっこすんのと思って(笑)。

トンボ:本当に親不孝者ですよ(笑)。

のぶみ:俺、本当に悪いけど、猫だけど、すごい怒ったもん!

トンボ:怒るんですね、やっぱり。

のぶみ:「お前、これおかしくない!?」って(笑)。なんか普通に(笑)。

トンボ:誰のおかげでご飯食べれてると思ってんだって(笑)。

のぶみ:「俺がすごくがんばってやってきたのを、お前も知ってるじゃんか!?」みたいな(笑)。

トンボ:見てたのに(笑)。

のぶみ:「なんでこういうことすんの!?」って。

トンボ:猫なりの愛情表現なのかもしれないですよね。

絵本なんか描いてないで触ってほしい

のぶみ:うちの奥さんに、俺が稼いだお金であいつ(猫)も食べてるのに、なんでおしっこするんだろうねって言ったんですよ。そしたら、にゃんこってうちの猫なんですけど、「にゃんこは、パパの洋服の上でしかおしっこはしないんだよ」って言ってて(笑)。やめてほしいけどと思って(笑)。

トンボ:なんなんだろう、それ。

のぶみ:それで、じゃあしょうがないかって思わないし(笑)。なんだそれ!

トンボ:匂い的なものなんですかね。

のぶみ:いや、わかんないけど。

トンボ:猫の砂的なのは置いてあるんですか?

のぶみ:猫の砂は置いてあるよ。ピッカピカの買ってあるよ(笑)。なんでそういうことすんの。(コメントにて)「嬉ションですよ」って。猫飼ってる人いるのか。

トンボ:大好き過ぎてかまってほしいのか。

のぶみ:まじか!? だとしたら、やめてほしいよ(笑)。

トンボ:もうちょっと相手してっていう意思表示かもしれないですね。

のぶみ:そうなのか?

トンボ:絵本なんか描いてないで、触ってほしい。

のぶみ:(笑)。どうしよう! 西野さん、ちょうどいいところに来るかな。どうなのかな。じゃあ、これだけ読もっかな。

トンボ:パッといきますか。ありがとうございます。

のぶみ:ちょっとだけ、パッと読んでみようかな。いいですか?

トンボ:これは?

のぶみ:『あくまちゃんとてんしちゃん』ですね。『あくまちゃんとてんしちゃん』。拍手! じゃあみんな、「888」をやろうね。コメントをね。パチパチパチっていう意味だからね。

新作絵本読み聞かせ

(以下、のぶみ氏の絵本読み聞かせ)

かんたろうは、まよってました。

かんたろう:「プリンにするか、チョコレートケーキにするか」。

「アンちゃんがかえってきたら、ぜったいチョコレートケーキっていうんだろうな。ぼく、プリンたべたいけど、たまには、ちょっとだけチョコレートケーキもたべたいよう」。

そんなことかんがえてると、みみのなかから……。

ぶしゅうううう~!

かんたろう:「うわあ、なんだなんだ!?」。

あくまちゃん:「グハハハハハ! おれさま、あくまちゃん」。

てんしちゃん:「あたちは、てんしちゃんなのよさ。かんたろうさんのあたまのなかに、すんでるなのよさ」。

あくまちゃん:「オメー、さっきからウジウジ、プリンとチョコレートケーキ、どっちをたべようかまよってるけどな。こたえは、かーんたん……」。

「どっちもくってやればいいのさ~。プリン、チョコ、プリン、チョコ。そうさ、おまえは、きょうからプリンチョコにんげんになるがいい〜!」。

かんたろう:「いやだよ!」。

てんしちゃん:「ダメよ。あくまちゃんのいうことなんかきいちゃダメなのよさ」。

「アンちゃんとママがかえってくるまでまって、みーんなでたべるのが、いっちばんしあわせなのよさ。キラキラ~!」。

かんたろう:「そうだよね。キラキラ~!」。

あくまちゃん:「そんなキラキラ~! には、おならぶっかけてやる!」。

「まずママとアンちゃんがかえってこれないようにドアにかぎをかけろ~。そして、さけんでやるのさ、おれさまがプリンチョコにんげんだ~とな」。

かんたろう:「そうだ~ぼくは、プリンチョコにんげんだった~」。

てんしちゃん:「ちがうでしょ!」。

かんたろう:「まずドアをぶちこわせ~」。

あくまちゃん:「おっおい! ドアはかぎをしめるだけにしなさい! なっ? なっ?」。

てんしちゃん:「なぜかかんたろうがあくまちゃんよりわるくなってる~!」。

てんしちゃん:「クスン、あたち、かんたろうさんが、いいこだってしんじてるなのよさ。チョコレートケーキたべちゃダメよ。アンちゃん、たのしみにしてるなのよさ」。

てんしちゃんは、なみだをポロポロながしながらいいました。

あくまちゃん:「グムム、おれさま、なみだにはよわいのねーん。それじゃあ、チョコレートケーキたべるの、ちょびっとだけにするか~?」。

かんたろう:「いや、てんしちゃんのいうとおりだ。ぼく、ママとアンちゃんがかえってくるまでまって、みんなでたべる。それがきっといちばんおいしいんだもん」。

そこへようやくママとアンちゃんがかえってきました。アンちゃんは、かえってきてすぐに、プリンとチョコレートケーキをみると……。

パクリ!

ふたついっしょにたべました。

アンちゃん:「んまかった!」。

かんたろう:「うっぎゃー! そんなことってあるの!? ふたついっしょにいたべましたって~!」。

それをみると、かんたろうのあくまちゃんは、みるみるおおきくなって……。

グハハハ! かいぶつちゃんにだいへんしん!

てんしちゃん:「うわぁ、ダメダメダメなのよさ! かんたろうさんのかおがかわっていく~!」。

かんたろう:「もう、アンちゃんゆるさない! ぶったたく! アンちゃんぜったいぶったたく!」。

かいぶつちゃん:「おっおい、かんたろう。まず、おちつけ、なっ? そうだ、ちょっとおすだけにしよう。ちょっとおすだけにしよう」。

てんしちゃん:「かいぶつちゃんよりわるくなってる~!」。

てんしちゃん:「かんたろうさん、よーくきいて。アンちゃん、まだおちびさんだから、わからなかったのよ。ここでアンちゃんをゆるせたら、かならず、かんたろうさんにいいことがおこるなのよさ。キラキラキラ~」。

「って、もうぶったたいてる~!」

あくまちゃん:「ぜんぜんきいてね~! そして、アンちゃんもぶちかえしてる~! じぶんがわるかったのに、なんでぶちかえしてんだ~!」

ママ:「アン! かんたろう! ここにすわりなさい」。

かんたろう:「え~! アンちゃんがわるいのに、なんでぼくまですわんないといけないの~?」。

あくまちゃん:「そうだ。ママはまちがってるぜ~。うるせ~、ゴリラブスっていってやれ~」

ママ:「オメーもたたいたんだろうが~! いいからちょっとこ~い!」。

てんしちゃん:「おそろしい。おそろしすぎるわ」。

あくまちゃん:「おれさま、うるせ~ゴリラブスっていわなくてよかった~」。

ママ:「まずアンがいまのはわるかった。アンからあやまりなさい!」。

アンちゃん:「イヤだもん! アンたん、あやまらないもん!」。

ママ:「じぶんがプリンたべたんでしょう? おにいちゃんたのしみにしてたのよ。なーんで、あやまらねーんだ!」。

アンちゃん:「にいには、ぶったたいたから、ぶたやろうだ!」。

てんしちゃん:「だとするとアンちゃんもぶたやろうだよ!」。

ママ:「かんたろう、あんたもなんでぶったわけ? あんたがちょっとガマンしたら、ケンカにならずにすんだんじゃないの!?」。

かんたろう:「だって、アンちゃんがたべたのがわるいんだろ!」。

「アンちゃん、あやまれよ!」。

アンちゃん:「イヤだ! アンたん、あやまんない。おまえのかあちゃんでーべそ!」。

かんたろう:「おまえのかあちゃんのほうがでべそだ!」。

ママ:「そのケンカやめなさーい!」。

アンちゃんはなきつづけています。

かんたろうは、ちがうへやにいって、ブロックをしました。

かんたろう:「ママは、アンちゃんのほうが、すきなんだ。いつも、えこひいきばっかり! ぼくは、ブロックばっかりみて、ガマンするんだ」。

てんしちゃん:「かんたろうさん、あたち、ちょっとおこっていい?」。

「ママだって、まちがえるわ。ママだって、ふたりどうじにみたいけど、みれないときあるのよ。ママは、かみさまじゃないんだから! ただ、ママがどれほど、あなたをみてたかだけは、わすれないでほしい」。

しばらくしてアンちゃんは、おままごとしてから、ママのおてつだいをはじめました。

ママ:「アン、ありがとう。たすかる」。

アンちゃん:「うん」。

ママ:「なんかわすれてることない?」。

アンちゃん:「え?」。

ママ:「わすれてることよ。あるでしょう? ママね、それいえるのをまってるわ」。

アンちゃん:「アンたん、わすれてること、あった……」。

すると、アンちゃんは、ようふくのはしっこをギュウって、なんどもにぎって、はなみずをたくさんたらしながら……。

アンちゃん:「にいに……こめんにゃぱい!」っていいました。

「アンたん、プリンとチョコレートたべちって……プリンとチョコレートぜんぶたべちって……ごめんにゃぱい! そんで、そんで……」。

「アンたんのおこづかい、ぜんぶもってきたかや、こえでプリンかってくだしゃい」。

かんたろう:「50えんじゃ、たりないよ。それに、そのおかね。たくさんためて、おにんぎょさん、かうんだろ」。

アンちゃん:「にいにのほうが、だいじだもん。おにんぎょさんより、だいじだもん」。

かんたろう:「じゃあ、にいにもおかねだすから、いっしょにプリンとチョコレートケーキかいにいこ! あ! こんどは、ふたつたべたらダメだぞ!」。

アンちゃん:「うん!」。

そのあと、プリンとチョコレートケーキをようやくかってくると、それをみた、あくまちゃんが……

ふたついっしょにたべました。

あくまちゃん:「んまかった」。

かんたろう:「ウッギャー! あくまみたいなやつだ~!」。

てんしちゃん:「ウフフ。それでこそ、あくまちゃんなのよさ」。

(読み聞かせ終わり)

のぶみ:そういう話でした。

トンボ:すばらしい! すごい!

(会場拍手)

のぶみ:毎週1作、描いてるんですよね。

トンボ:毎週1作! うわ、すごい。

西野亮廣氏(以下、西野):すみません!

のぶみ:うわー! ちょうどだ!

(拍手)

西野:ちょっと前から来てたんですけど、読み聞かせ聞いてたから。

のぶみ:すみませんでした(笑)。

トンボ:ありがとうございます。