アカツキ代表・塩田氏から母校の学生たちへ

塩田元規氏(以下、塩田):みなさん、こんにちは。アカツキの代表の塩田です。僕は今から10年前に横浜国立大学を卒業していまして、この授業も10年前からありました。

この授業でいろいろな経営者の方々にお会いさせていただいたことにも大きな影響をうけ、自分自身も「起業して世界を変える会社を作ろう」と思い会社をスタートしました。

今日は「ゼロからの起業」という内容でお話をするのですが、起業や経営の話は、人生をどう生きていくかという話とも強く関連すると思います。みなさんのためになるように、この時間を一生懸命使わせていただきたいと思います。

僕は今33歳なんですけど、もともと島根の出身で、横浜国立大学では、電子情報工学科にいました。そのあと、一橋大学大学院のMBAという経営学の修士のコースに行きました。その後DeNAに入社し、2年半後にアカツキという会社を創業しています。

今日のテーマは「物語」ということで、10年前はみなさんと同じようにそちら側の席に座っていた僕が起業を決めるまでと、起業を決めてからの物語についてお話ししたいと思います。

「できるわけない」という“常識”を否定する

まず最初に「この人誰?」「アカツキってどんな会社?」と思ってる方もいるかと思いますが、アカツキという会社を知っている方はどれぐらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

塩田:少しいらっしゃいますね。うれしいです。では、まず、アカツキのことをご紹介させていただきたいと思います。

アカツキというと、みんなだいたい『NARUTO』の暁を思いつくんですけど(笑)、ちょっと意味は違っていて、「夜明け」という意味からとっています。

僕たちはベンチャーなので、基本的には「世界を新しくしたい」「世界を変えたい」というところからスタートしています。

夜明け前というのは、世の中は真っ暗だと思いますが、夜が明けたら、世界はカラフルにキラキラ輝く場所に変わっていくと思います。

僕たちアカツキは、そんな”夜明け”のような変化を世界に起こしたいと思っています。「Change the World.」ということです。

「そもそもベンチャーとは何か?」について簡単にご紹介したいと思います。

ベンチャーの語源はアドベンチャー。つまり「冒険する」ということなんです。ワクワクしながら、1人では成し遂げられない夢をみんなで追っていくチームです。

僕が大学生の頃、満員電車に乗ったとき「社会人になると、テンションが低いおじさんたちがたくさんいるな」と正直思っていました。

ですが、ベンチャーはアドベンチャーなので、実際に働いてみると毎日冒険しているような感覚です。今まで見たことのない景色や、見たことのないものを見るために、日々努力をしています。

世の中の「当たり前」「それって常識」「そんなのできるわけない」という言葉を全部否定しにかかる会社です。「常識? なにそれ?」という感じで、「できるわけない」という言葉が大好物です(笑)。「じゃあ、どうやったらできるか考えよう」というのが、ベンチャーの本質的な要素だと思います。

大企業とベンチャーの仕組みの違い

今後就活される方も多いと思うので、大企業とベンチャーの違いについて簡単にご紹介しておくと、大企業は基本的には海軍だと思っています。

みなさん『ONE PIECE』を観ていると思いますが、基本的に『ONE PIECE』を観ていればベンチャーのことが8割ぐらい描かれているので、だいたい理解できると思います(笑)。海軍の大企業に対し、ベンチャーは海賊です。

大企業というのは、だいたい5万人、10万人が会社にいるので、基本的には「機能や仕組みでどうやって勝っていくか」ということが重要になります。

例えば、僕がどこかの大企業に入って、5万人の中の1人になったら、僕が明日死んでも絶対倒産しない仕組みを作ります。自分がいなくなってもいいように、機能と仕組みを担保するということです。

ベンチャーは逆です。もし明日、うちの新卒が2人ぐらい会社に来なくなったとしたら、アカツキはヤバいです。

新卒2年目で30人規模のチームを2チーム平行してマネジメントしているメンバーもいて、それぐらい新卒にも信頼して仕事を任せています。仕組みがない分、カオスですが、人が担保している部分が多い分、働く人にとっては成長や挑戦する機会は多いと思います。

また、大企業ではルールが決まっていて、「ルールの中でどうやるか」ということを考えるわけですね。ベンチャーというのは、世界を変えたい会社なので、「ルールをどうやったら変えられるのか」ということを考えます。

大企業のキーワードは、「しっかりちゃんとやろう」。ベンチャーのキーワードは、「スピード」と「やんちゃ」です。

あとは、ちょっとわかりにくいと思いますが、大企業の中では、その会社で働く時にしか活きないスキルがたくさん求められます。

つまり、その会社内でスキルを最適化することが重要になります。一方ベンチャーでは、”環境に依存しない力”が重要で、この会社が明日倒産しても、自分で活きていける力をつけることが求められます。

もちろん、大企業とベンチャーどっちが良い悪いではないです。それぞれに必要な役割がありますし、しっかりちゃんとっていう文化が活きる事業もあれば、スピードややんちゃが活きる事業もある。

守る組織が社会にあるからベンチャーのような攻める組織が存在し得る。ただ、違いは明確にあると思うので、どちらが自分としていいと思うかというのはしっかり考えて選択することが重要だと思います。

アカツキを知るヒントは『ONE PIECE』にあり

ではベンチャーの中で、アカツキはどういう会社で、何をやっている会社かについてご紹介したいと思います。

先ほども言いましたが、基本的にポイントは『ONE PIECE』で、これはすごく重要なことです。

まず『ONE PIECE』はラフテルという最後の島を目指すわけですね。これを知らない人にはまったく伝わらない話ですが、知っている前提でしゃべります(笑)。

最後の島というのは、会社でいうとビジョンやミッションになります。ビジョンを成し遂げるために、日々本気で毎日を生きている。

そして、ポイントは、『ONE PIECE』にはいろいろなキャラクターがいて、自分自身の夢を持っています。

例えば、サンジだったら「オールブルーを見つけたい」とか、ゾロだったら「世界一の剣豪になりたい」という自分の夢を持っています。各々夢を持っている中で、向かう先が同じだから一緒に冒険する、ということなんですね。

そして、チームそれぞれがそれぞれのキャラクターを持っている。得意なものもバラバラ。でも、それぞれの得意を活かしながらチームとして成立している。お互いに自立した上で、助け合うパートナーの関係が存在してる。そういう自立した上で、お互いを助け合えるカラフルなチームが存在していることがアカツキが目指しているチームと似ていると思います。

アカツキは僕と香田(哲朗)が2010年に作った会社です。スタートしたときは、僕 が27歳で彼が25歳でした。

今期は、80〜90億円の売上、20〜30億円の利益を見込んでます。時価総額でいうと、だいたい約400億円規模の会社になっています。

昨年は、4年間の企業成長率が日本でトップとして表彰いただいていて、4年間で2106パーセント成長しています。

よくわからない数字だと思いますけど(笑)、4年で20倍ぐらいの成長をしているということです。一応、アジア全体でも成長率3位に入らせていただきました。

会社の柱となる2つの事業

事業ドメインですが、現在は大きく2つ存在してます。創業事業としてモバイルゲームをやっていて、最近は、「ライブエクスペリエンス」という、新しい事業ドメインをスタートさせています。

ゲームは創業以来いろんなものを作っています。オリジナルのタイトルとIPという有名なキャラクターなどを活用したタイトルなど、各種さまざまなタイトルを作っています。

海外でも約40ヶ国にサービスを展開しており、海外タイトルは台湾の子会社「Akatsuki Taiwan Inc.」で運用しています。当社が開発・運営しているIPタイトルが、世界7ヶ国でiOSセールスランキング1位を取っています。

最近では「ライブエクスペリエンス」という新しい事業をスタートしています。ちなみに「そとあそび」というサービスを知っている人はいますか?

(会場挙手)

塩田:ありがとうございます。少しいらっしゃいますね。高品質のアウトドアのレジャー体験をオンライン上で予約できるプラットフォームサービスを展開している会社です。

最近この会社を買収して、一緒に「リアルの世界もワクワクできるような場所に変えていこう」というビジョンのもとサービスを作っています。