「一目置かれる存在感」の正体とは?

──檀さんは「できる、できないは酒席での振る舞いを見ればすぐわかる」とおっしゃっていますが、本当ですか? 顔を見てわかるんでしょうか? たとえば服装とか、仕草とかですか?

檀れみ氏(以下、檀):ええ、すぐにわかります。でもそれは外見的なことではなくて、ちょっと抽象的ですけど、その人が醸し出す雰囲気です。

たとえば、お店に入ってくるときに「おおらかさ」や「ワクワク感・ドキドキ感」みたいなものを感じさせる人。なんかこう、「楽しいこと探してます! いいことない?」みたいな。何にでも興味を持ってしまう、ちょっと子供っぽい感じもあったりします。

こういう人には、ほかのお客様たちもひと目見て「おっ、彼は何者?」と一目置くような反応を見せます。ひと言でいって大物に見える。ほとんどの場合、仕事に成功して自信を持っている人ですね。

そして、「できる人」は基本的にマイペースでにこやかです。誰との間にも壁をつくらずに声をかけてくれますね。

ふと頭に浮かんだことをさらっといえることって大事だと思うんですよ。たとえば新人のホステスに「君見たことないよね。最近入ったの?」というように気軽に話しかけるとか。

みんなを仲間に入れてくれる優しさというか、周囲もそんなおおらかさから接しやすいので、すぐ人気者になります。

反対に初対面の人に自然にあいさつができなかったり、相手の出方を待ってしまうような受け身の態度でいる人、周囲との間に壁をつくっているような人は、小物というか、まあフツーに見られがちですね。

──でも、場馴れしてなかったり、初対面の人が多かったりすると緊張しちゃってなかなかそうはいかない気もしますが……。

:緊張? それはしてもいいんです。役者さんは小心者で緊張しやすい人のほうが向いてるっていうじゃないですか。それに、できる男の人って例外なく繊細ですよ。よくお店に来てくださってた某IT企業の有名社長の○○さんなんて本当に繊細な人でした。

──○○さんが? そうなんですか!

:そうです。でも彼らは、さっき役者さんの話も出しましたけれど、大事な酒席にはスイッチを入れて臨みますね。いつもと違う自分を演じることを楽しむんです。それは、お酒を飲む場というのは日常の仕事や生活と違う場所だ、と考えているからだと思うんです。

「おれ緊張しぃだからなあ……」という人も、「演じるスイッチ」を入れてみるといいと思います。本にも書きましたけど、酒席が始まる前にトイレに行って、鏡の前で笑顔の練習をして、顔の筋肉をほぐしながら「今日はこういうあいさつをしよう」と心がまえをつくる。それがスイッチになります。

繊細で、緊張しやすいから、しっかりと準備ができるんですね。むしろ全然緊張しない人はちょっとどうかと思います(笑)。

──そういえば緊張して硬くなってばかりで、準備するなんて考えたこともありませんでした……。では、「できる男」はやっぱりトーク上手ですよね?

:そんなことないですよ。あんまりしゃべらなくても雰囲気づくりがうまい人っていますから。繰り返しになってしまいますが、周囲との壁を無くしてにこやかに声をかけるだけで、「おれたちは仲間だよ」というムードをつくることができます。それが飲み会の流れを決める、といってもいいすぎじゃありません。

うまく話そうとか、バカにされないようなことをいおうすると雰囲気づくりができません。周囲も自信の無さを見抜いちゃう。そんなふうに気にしていたら、飲み会にも、今後のビジネスにもいいことはありません。

一緒にいて楽しい人には「毒」がある

──檀さんから見て、また会いたい、また飲みたい! と思うのはどんな人ですか?

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