『ウェイキング・ライフ』のすごさ
山田:『ウェイキング・ライフ』なんですけどね。
久世:時間軸がぐちゃぐちゃですよ。
山田:なぜ今なこの話を入れていくかというと、全部は言いませんよ。これ、『ウエイキング・ライフ』。主に夢についての話ですね、だからこれ押井ですね。俺は本当は起きているのか寝ているのかっていって、まあ俺は『攻殻』はあれは守がんばったなであれはいいですけど、リンク超がんばってる、で俺はリンクのがんばりのほうが100万倍個人的には好き。
で、なにが好きかと言うと、俺は起きているのか寝ているのか、生きているのか生きていないのかみたいな、この意識はどうなんだっていう夢のテーマを非常に多角的にポップに美しく音楽的に描いてる。
その夢から覚められない男が夢の中でいろんな人にインタビューに行くっていう話なんだよね、だから脈略もなくいろんな人たちが出てきてはいろんなことをしゃべっていくって話なんだけど、その中で非常にポイントなシーンがあって。それが映画監督がインタビューに答えているシーンなんだよね。
映画っていうのはなにかって言ったら「映画というのは物語ではない」「すべての瞬間が映画なんだ」って言ってて。その瞬間そのものが聖なるものなんだと。その聖なる瞬間っていうのを映画としてやってるんだっていうインタビューが出てくるんだけど。
「その聖なる瞬間ってなんですか?」ってインタビュアーが聞くシーン覚えてる? そしたら映画監督が「いいだろうやってみせようか」っていきなり言うわけだよ。
「いいだろう君の前でやってみよう、聖なる瞬間だ」っていって、映画はどうなるかっていうと、なにも言わない2人がずっと映ってるんだよね。じーっと。最高なんだよ。その瞬間でインタビュアーのほうがぱっとわかって「わかりました」って「すべては層をなしているんですね」って言うわけ、この深さわかる?
守わかるかな
(会場笑)
つまり現状でこうやってしゃべってる時間ともう1つ同時に聖なる瞬間、後から回顧する時間がある。「あの時」って思ってる時の時間でもあるわけ、今は。そして過去にこれから先はこうだったかもしれないって思ったあの時の未来でもあるわけ。
いろんな時間が今この瞬間に層をなして流れているみたいなことをアニメの中で言いやがるんだよリンクは。
久世:アニメっていうのがまたすごいんだよな。
ラストシーンの聖なる瞬間
山田:もうねーこれがやばいんすよ。これに繋がるシーンがこれ出てきますから。
久世:えーっ。
山田:そうなんです。ラストシーンで。言いませんけど。だからいずれみんなが見たころに俺またネタバレさせますけど、この映画のラストシーンのすごさは、これからつながってるんで、まあ見てくださいよ。聖なる瞬間。これが映画だ、これが人生だっていうことについて描いてるっていう。
やばいよね、だから俺いくらかもらってるって思ってるかもしれないけど、もらってませんからね。
(会場笑)
乙君:ただ好きなんだ。
山田:ただ、リンクだからって言って、そしたらいろいろ宣材くれるとかファミリーの方が言ってくれたんだけど、なんか動画? 予告編の動画もこの番組で流してもいいって言われたんで、ちょっと流して、そしたらみんなにみてもらえるかなって。
久世:最高。
山田:そしたらどんな雰囲気かね。大丈夫ですか?
乙君:えっ今日流すの?
山田:今なんとファミリーの人のご好意で予告編もらうことができました。お願いしまーす!
(予告編流れる)
山田:(コメントにて)「さっき見た」。俺がしゃべったから、そういうことじゃないからな、ありがとうございます。ね。バカでしょ。
久世:バカ。いいわ。
山田:バカでしょ、バカでしょ。だから憂鬱なときに見にいきたい(笑)。
俺好きそうみたいなコメント言ってくれたけど、大好き。『ハイ・フィデリティ』っぽいていえばハイ・フィデリティっぽい。ハイ・フィデリティのほうが鬱なんで、それよりもぐっと明るいね。
乙君:ということでリチャード・リンクレイター監督の映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』。
山田:昼の番組っぽいって言われたけど(笑)。こんなのしょっちゅうやらないからね。リンクのやつなんで。
乙君:是非みなさん劇場に11月5日公開ということでね、あの『GANTZ:O』といっしょに『溺れるナイフ』とも一緒に『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』をよろしくお願いします。ということでありがとうございました。
山田:くだらないことをやっているこの瞬間も聖なる瞬間よって話ですよ。
久世:そういう話だよね。
山田:そういう話、ちょっと繋がるなって話ですね。
乙君:聖なる瞬間しかなかったな、思い返してみると。
久世:ほんとだね覚えている事はすべて聖なる瞬間かもしんない。覚えてないことも聖なる瞬間だったんだろうな。マイシャローナ。
(会場笑)
山田:最高じゃん(笑)。
乙君:Whoa! みたいなさ。