2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
"Heloise and Abelard Love Story | LittleArtTalks(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
アベラールとエロイーズの恋物語は、長く愛されている有名な物語です。とても素敵なお話で、情熱とロマンス、秘密の情事、自己犠牲などが盛りだくさんです。秘められた結婚のエピソードもあり、とてもわくわくします。
舞台は12世紀のパリ。高名なフランスの哲学者、アベラールは、ノートルダム聖堂参事会会員、フュルベールの家に引っ越して来ます。
フュルベールの家には、姪のエロイーズが一緒に暮らしていました。彼女は、若く美しい乙女で、当時としては最高峰の極めて豊かな教養を身につけていました。
アベラールは、エロイーズの美しさと聡明さに惹かれ、フュルベールに彼女の家庭教師にしてもらえるよう頼み込みます。
もうお話の先行きが読めて来ましたよね。
2人は恋に落ち、情熱的な秘密の情事に耽ります。女子修道院の厨房や、叔父の家の、少女の寝室で愛を交わすのです。
2人はただひたすら情熱的に、ありとあらゆる場所で肉体的な愛に耽り、何百通というラブレターを交わします。当然ですが、ほどなくしてエロイーズは妊娠します。
さて、2人がいつまでも幸せに暮らすには、障害が2つありました。
まず、エロイーズの年齢に関しては、さまざまな議論がなされてはいますが、おおよそ17歳から27歳くらいとされています。一方のアベラールは30代後半でした。要するに、2人には10歳から20歳ほどの、歳の差があったわけです。
アベラールには、この関係により職を追われる危険がありました。彼のような地位にある者には、極めて恥じるべきこととされていたからです。また、エロイーズの叔父、フュルベールが立腹する可能性がありました。
妊娠したお腹を隠すことは非常に困難であり、エロイーズは、アベラールの出生地である、ブルターニュに身を隠します。
彼女はそこで、アベラールの妹の元に身を寄せ、やがてアストロラーベという男の子を産むのです。
事が露見すると、叔父は喜ぶどころか、アベラールが姪を汚したと激怒しました。
アベラールはエロイーズとの結婚を申し出ましたが、エロイーズは、アベラールの経歴に傷がつき、彼を辱しめることになるとして、これを拒否しました。エロイーズは、鎖に縛られるよりも自由を愛し、アベラールの妻となるよりも、むしろ彼の情婦となることを選んだのです。
しかしアベラールはあきらめませんでした。最終的には、彼はエロイーズを説得してパリに連れ戻し、密かに結婚しました。
フュルベールが、自分の名誉に傷をつけたアベラールを罰しようと、秘密にしていたはずの2人の結婚のニュースを広めたため、問題が起きました。
アベラールは、エロイーズの身の安全を図り、あるいは未婚で女性に子供を生ませ、いったんそれを否定し、さらに内密に結婚した自らの世間体の保身のために、彼女をアルジャントゥイユの修道院に預けます。理由は、どちらでもあり得たでしょう。
しかしフュルベールは、アベラールがエロイーズを修道女にして捨てたと思い込みます。ここでお話は少々ダークになります。怒り狂ったフュルベールは、ならず者の男たちを雇ってアベラールの宿舎を襲わせ、彼を去勢させてしまいます。
回復した彼は、これをたいへん恥じて、サンドニ大聖堂の修道院に入り、修道士の誓いを立てるのです。
アベラールの強い主張で、エロイーズもまた、息子を残して行かなければならないにも関わらず、尼僧となるのです。
別離の中でも2人は、今でも有名なラブレターの数々を通して、愛を貫きます。「男たちは私を貞淑だと言います」と彼女は書き残しています。「しかし、彼らは私が偽善者であることを知らないのです」。
ミサの儀式の中でも、彼女はアベラールと共にした「快楽の淫らな妄想が、祈りの言葉にではなく、淫乱な想いに乱れる、私の不幸せな魂を掴んで離さない」と告白しています。「私は、自分が犯した罪に苦しむべきなのに、失ったものに対して溜め息をつくより他はないのです」。
このラブストーリーは、素敵なおとぎ話だと言うことは決してできません。実際、現代の私たちが読むと、疑問点がたくさんあります。現代の教師と生徒との関係として考えると、なんだか気持ちが悪いですし、無責任ですよね。
エロイーズもまた、高等教育を身につけているにも関わらず、フェミニストのヒロインであるとは、到底言えません。望んではいない結婚をし、男の言うままに尼僧になります。2人の関係はあまりにも過激であり、自己犠牲がつきまとい、とても異質なものに感じられます。
しかし、2人の関係の悲劇は崇高さをまとい、世界中の人々の想像力を掻き立て、その注目を集めました。
600年後、ナポレオン一世の最初の妻、ジョセフィーヌ・ボナパルトは、この物語にたいへん感動し、2人の亡骸を一緒に葬るよう命じました。
今日に至るまで、世界中の恋人たちや、恋に破れた男女が、墓を訪れては2人を偲んで、もしくは真の愛を求めて、墓所の地下に手紙を残して行きます。
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.21
初対面の相手から本音を引き出す「核心質問」のやり方 営業のプロが教える、商談成功のカギを握る質問力アップのコツ
2024.11.22
40歳以降の「つみたてNISA」と「iDeCo」運用の優先順位 老後のための資産形成のポイント