2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
The Science of Airport Security(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:空港のセキュリティチェックは、旅行をするなかでもっとも気まずく、混乱し、うんざりする出来事です。
1時間くらい列に並んだ後、あなた自身と荷物は得体の知れない技術によりスキャンされ、計り知れない量の放射能を浴び、理由もなく綿棒で表面を拭かれているかもしれないのです。
我々は空港セキュリティの不快さを減らすことはできません。しかし、あなたの身体と荷物に対して一体なにがなされているのかは、しっかりと説明できます。身体はなにを浴びているか、近年の科学的セキュリティがどのようになされるのかといったことです。
あなたがセキュリティチェックの列に並ぶ時、始めに目にとまるのはきっと荷物のスキャナーでしょう。
スキャナーはX線を使って荷物の中にあるものを検知し、それがどれくらいの密度かも測ります。機械の片方の側からは低エネルギーと高エネルギーのX線の両方が放出され、それらは荷物を通過し、反対側の検出器に当たります。
X線が荷物とその中のものを貫通する時、そのいくらかが吸収されます。密度の低い物体、例えば有機物の場合は低エネルギーのX線が通過できます。密度の高い物体は低エネルギーのX線をほとんど吸収してしまい、高エネルギーのX線を貫通させます。
検出器に到達するX線に基づき、機械は荷物の中にあるすべての物体の密度に基づき色分けしたイメージを描くのです。
例えば、もし物体がオレンジ色だったら、その物体はきっと有機物からできたものです。つまり炭素を含む物体です。爆発物は多くの場合、有機物質を含むため、セキュリティチェックには欠かせません。セキュリティチームはその画像が怪しくないか分析し、それが銃の形をしていないかとか、靴の中にたくさんの有機物が隠されたりはしていないかをチェックするのです。
そのようなX線により毎日何千個もの荷物がスキャンされます。そこでみなさんは、セキュリティチェックの係の人がたくさんの放射能を浴びているに違いないと思われるかもしれません。しかし、そのX線は機械の中に閉じ込められているので、係員が浴びる放射能の量はとても少なく、放射線量を測るバッチを付けるのも求められていません。
あなたの荷物がX線機械を通る間、あなた自身もある種のスキャナーを通るようにと指示されます。数年前までそのようなスキャナーは通常、金属探知機でした。
金属探知機は電流がワイヤーのコイルを短い波動が発生することにより作動します。その波動それぞれが探知機の中に磁界を瞬時に発生させます。金属の物体が探知機を通るとき、その磁界が金属物質の中でもう1つの電流を発生させ、それによりその物体の周りにもう1つの磁界を生じさせます。
この磁界により生じた混信により、アラームが鳴ります。
しかし近年は金属探知機を通るように指示されなくなってきています。代わりに、大きな機械の中に入って両手を上げるように言われるかもしれません。そのような機械の場合、それは「後方散乱X線検査装置」か、「ミリ波スキャナー」のどちらかです。
もし機械がただの平らな壁のような形をしていたら、それはきっと「後方散乱X線検査装置」です。それはとても少量の弱いX線で、洋服しか貫通せず、皮膚を抜けることはありません。機械は皮膚や、服の下にある物体に跳ね返った放射線を検知し、あなたが隠そうとしているものがあれば、その画像を容易に描き出してしまいます。
「後方散乱X線検査装置」によりあなたが浴びるX線放射線量は非常に少ないものです。飛行機に乗っている間にあなたが浴びる放射線量と比べれば極端に少ないのです。しかし、この技術はまだ多く使われておらず、多くの国では禁止されています。
代わりに、「ミリ波スキャナー」の方が多く用いられています。それは円柱状で、近未来的電話ボックスのような形をしています。
この機械の構造も基本的には「後方散乱X線検査装置」と同じです。X線の代わりにマイクロ波を放射能させます。マイクロ波は電離化されていない、つまりDNAにダメージを与えることができないので、それを浴びても心配する必要はありません。「ミリ波」は洋服を貫通する事ができるので、もしいけないものを隠していたら見ることができるのです。
あなたがスキャナーを通った後、続けてまだテストされるかもしれません。もしセキュリティがあなたの荷物の中に見た目の怪しいものを見つけたら、爆発物の跡がないか、綿棒で採取されるかもしれません。警備官はあなたの手、靴、カバンを綿棒で採取し、それをまた解析するためにほかの機械にかけるのです。これはETDとも呼ばれる、「爆発性トレース探知機」です。
もしあなたが爆発物を扱っていたり、カバンの中に爆発物が入っていたりした場合、その恐れのある物質の跡を採取により見つけることができるのです。採取したものを分析するのにETDは「イオン移動度分光法」と呼ばれる手段を用います。
機械は綿棒についた分子に電荷し、それをイオン化します。ガスによりそのイオンは管を通ります。異なるイオンがその管を、異なる時間をかけて通ります。その質量や電荷などにより異なるのです。それで機械はそれが管の中をどれくらいの時間をかけて通ったかに基づいて、その異なる物質を見分けることができるのです。
空港のセキュリティチェックは退屈でうっとうしいかもしれません。しかしこれで、少なくともあなたの身体と荷物になにがなされているのかがわかりましたよね。
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