怒りの前にある“第一次感情”とは?
イライラしている人との上手な向き合い方

『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』出版記念セミナー #2/5

怒りをマネジメントするための心理教育としてアメリカで誕生し、近年日本でも注目を集めている「アンガーマネジメント」。その第一人者である、アンガーマネジメント協会代表理事・安藤俊介氏が、著書『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の刊行を記念しトークセミナーを行いました。自分や他人の怒りをコントロールするための考え方や自分の怒りを知るための方法について、わかりやすく解説しました。

自分の怒り方の癖を知る

安藤俊介氏:『はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック』の中で、91問の質問に答えてもらうと、こういったものの偏差値が全部出るようになっているんですね。

自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック

今日お買い求めいただいた方は、スクラッチが後ろのほうについていて、削っていただくとアクセスコードが出てきますので、アクセスしていただいて、91問、だいたい5分から10分でできます。スマホでも受けられますので、ぜひ受けてみてください。

全部で91問受けていただくと、11項目について偏差値が出せるんですね。今日はここではできないので、みなさんのタイプを一緒に考えてみたいなと思います。みなさんには怒り方に癖があります。じゃあどういう癖を持っているかというのを知りたいので、この6つのなかで一番自分に合うものを選んでください。

(1)社会正義を大切にしたい (2)なにごとも白黒つけたい (3)自分を大切にしたい (4)自分のルールを大切にしたい (5)他人との距離感を大切にしたい (6)思ったとおりに行動したい

1つ目は「社会正義を大切にしたい」。ルールとかマナーとかモラルとか、そういったものを大切にしたいってこと。

2つ目は「なにごとも白黒つけたい」というのは、なにごともわりとはっきりさせたいってことなんです。イエスかノーか、好きとか嫌いとかいうのを割とはっきりさせたいかどうか。

3つ目は「自分を大切にしたい」。とにかく自分のことを大切にしたい。

それから、「自分のルールを大切にしたい」。(「自分を大切にしたい」との)違いは一体なにかというと、自分が決めた手順とかなんですよ。自分が決めた物事の手順、自分ルールみたいなものがあるじゃないですか。そういったものをすごく大切にしたいかどうかです。

「他人との距離感を大切にしたい」というのは、人とあんまり近づきすぎたくない。離れて距離をおくのがすごく気持ちがいい。

「思ったとおりに行動したい」というのは、とにかく自分が思ったとおりに行動したい。

さて、あえてこのなかで、1つだけ自分が選びたいもの。合うもの。自分がふだん一番大切にしているもの。あえてこのなかで1つだけ選ぶとしたらどれになりますか?

じゃあ選んでください。あえて。それでみなさんの怒り方の癖がわかります。

癖やコツを知っていれば、相手を扱いやすい

さあどれでしょう。決まりました? じゃあいきましょう。

まず、1番目(「社会正義を大切にしたい」)です。社会正義を大切にしたいというのは、本の中でいうと、公明正大というタイプなんですね。1番の人けっこういましたよね?

1番の人の怒り方の癖は一体なにかというと、電車の中のマナー違反が許せない人。そんな感じですね。ですから、電車の中のマナー違反の人がいると、ずっと見るタイプですね。こうやってずっと。見なきゃいいんです。見なければいいんです。でも見ちゃうのが1番の人なんです。

で、別に悪いことじゃない。今からいう癖は悪いことじゃないんです。ただ、自分のタイプを知っておくと、「あ、自分ってこういう癖があるんだな」というのがわかります。

例えば、私はわりと1番は偏差値が低いんですよ。なので、人がその辺でなにかやっててもぜんぜん気にならないです。……でもないか、飛行機で後ろで喋ってるのは気になったから。

今気づきましたね。もしかしたら最近は1番が高いのかもしれないです。この6個に関しては偏差値があとで全部出ますんで。ぜひやってみてください。

それから、2番(「なにごとも白黒つけたい」)。(会場には)2番いなかったんですよね? なにごとも白黒つけたい。

実はね、私は最近これが少し強いんですね。これはなにかというと、なんでもかんでも白黒つけたいんですよ。好きとか嫌いとか、イエスかノーとかをはっきりさせたいんです。

「これどっち?」「いい? 悪い?」「どっちだと思う?」って聞いたときに「どっちもいいと思います。」とかいわれると嫌なんですよ。どっちもじゃなくて、「どっち?」なんですよ。

なのではっきりさせたいんですね。例えば人間関係とかも、1回嫌いになるとすぐ疎遠になっちゃうとか、そういうタイプの人間です。ですから、波があるんで、(タイプに)いいも悪くもなくて、ただ、自分の傾向があるってことなんですよね。

はい、それから3番「自分を大切にしたい」はどうでしょう? これは、一言でいうと「俺様」です。「自分を大切にしたい」ですね。これがなにかというと、自分は大切にされる存在であるというのをすごく思っている人なんですよ。だから、ちょっと邪険に扱われただけでも嫌なんですね。

それが度がすぎてしまうと、周りの人がみんなバカに見えてしまうという悪い癖があるんですね。「なんで俺の部下ってバカばっかりなんだろう?」とか。そういうこと毎日思い出すようになっちゃうので、注意が必要です。

もし、みなさんの周りに、そういうことをいっている上司がいたら、間違いなく3番の威風堂々タイプというんですね。その人はどうすればいいかというと、おだててあげればいいんです。そしたら、豚もおだてりゃ木に登るじゃないですど、おだてとけばずっと機嫌よくやってるんで、いつも「あなたが大切です」って言っておけばいいんです。そうすればいつもご機嫌でいらっしゃいますので。

ちょっとしたコツなんですね。癖とかコツを知っておくと、実は扱いやすいという話なんです。

はい。それから4番の「自分のルールを大切にしたい」って人はどれくらいいらっしゃいます?

自分ルールは頑固な人ですね。ですから、ゴールにたどり着けばいいんじゃないんですね。ゴールにたどり着くまでの手順がすごく大切なんですね。

手順を重視するんです。たどり着ければいいって話ではなくて、いかに手順に則っているかなんですね。だから本当はお役所とかで働いたほうがいいんです。お役所仕事がすごい得意なので、自由にやるのがすごい苦手なんですよね。

もう1つの特徴としては、不安症の人が結構多いですね、不安症の人って、どういう問題があるかというと、ものが片付けられなくなるという問題が出てくるんですよ。だから、部屋がちらかってますね。ものが多いです。旅行に行く時にすごい荷物が多いですね。実は「万が一」なんですよ。

たまたま(会場に)私の知り合いが来てるんですけれども、彼女は一人暮らしですが、女性の一人暮らしで家に米が30kgあります。「なんで?」って聞いたら万が一というんですよ。そういうタイプですよ。とにかく不安なんですよ。ないとダメなんですね。

怒り方の癖はライフイベントによって変わる

それから、5番ですね。「他人との距離を大切にしたい」。これどれくらいいらっしゃいましたっけ? あまりいないんでしたね。1人、2人?

表面上は人と誰とでもうまく付き合えるんですけど、なかなか腹をわらない人ですよ。人を観察するのがあんまり得意じゃない人ですね。

なので、すぐレッテル貼りをしますね。「あの人はああだ」とか、「これはこうだ」とか。性格は客観的な事実に基づいているのではなくて、想像で「あの人、ああだよね」とか「これはこうだよね」というふうにいってしまうところがあったりします。

はい。それから6番(「思ったとおりに行動したい」)です。6番はちょっと多かった気がしますね。6番は、天真爛漫タイプということで、後先考えないタイプですね。とにかく思ったとおりに行動がしたいし、自分がおもしろいと思っているものは全員がおもしろいと思っているはずなんです。

だから、「え? これおもしろいでしょ?」って普通に聞いてきます。「いや」というと、「え? なんで?」って聞いてきます。「なんでわからないの」っていってきます。そういうタイプの人です。

これは相性もあって、6番と5番はうまくいかないんですよね。6番はとにかく行動したいんですよ。だけど5番は考えてじっくり慎重に行動したいんです。そういう相性もあったりするので、本とか読んでくと、そのうちわかってくると思います。ぜひ読んでください。

この怒り方の癖って徐々に変わります。どんどん変わります。ですから、本を買っていただくと1回だけ受けられるんですけど、本当は2、3ヵ月に1回受けていただいたほうがいいので、2、3ヵ月に1回買ってください。

(会場笑)

そうすると、ずーっと定期的に受けられるんで。私自身もずーと受け続けています。

なぜかというと、こういう癖というのはいわゆるライフイベントによって変わるんですね。例えば、結婚をしたとか、離婚をしたとか、就職をしたとか、転職をしたとか、忙しいとか、忙しくないとか、ストレスが高いとか低いとか、そういった時に変わっていくんです。ですから、今自分がどういう傾向があるのか。

この6個の項目というのは、全員が持ってるんです。強弱が違うだけで。全員が持っているので、その時々によって強く出たり、弱く出たり、というのを繰り返しているんですね。

ですから、自分が今どういう状態にあるというのを知るためにも、定期的に受けておくというのがすごく大事になりますので、ぜひ定期的に受けられるんだったら受けておいてください。

怒っている人とどう向き合うべき?

さて、怒りの感情というのは、第二次感情といわれています。これはすごく大事な概念なのでぜひ知っておいてほしいですね。どういうことかというと、怒りの感情というのは単体では存在しない感情なんですね。第二次というぐらいですから第一次があります。

一体どういうことかというと、私たちの心の中には、コップがあると想像してほしいんです。そのコップに毎日朝から、辛いとか、苦しいとか、不安だとかといった一般的なとこでいう、マイナスな感情の水を注いでいくんです。コップの中にその水がいっぱい入っていると、なにかきっかけがあると溢れて「怒りという感情」に変わっていくわけなんです。

逆にいうと、コップの中に逆に水があまり入っていなければ、そうそう怒りというのは生まれないですね。みなさんのコップの中ってなにが入ってます?

みなさんはこういう経験があると思います。「今日は朝から機嫌が悪い」。たぶん誰でもあると思うんですね。その日って一体どんな日かというと、実は、朝からコップに水がいっぱい入ってる日なんですよ。

このコップの水というのは、基本的にはよい睡眠がとれれば、減るんです。ところが、あまりにもいっぱいの日が続いてしまったり、よく寝られなかったりすると、寝てもコップの水が減らないんですね。

そうすると、朝起きた時からすごく溜まっているので、朝からすごいイライラするんです。なので、いかに健康でいることが自分の心に大きな影響を与えるかっていうことなんです。感情をコントロールする上で、健康でいるってことはすごく大事なことなんです。

この仕組みを知っておくと、どんないいことがあるかというと、実は怒っている人ととても上手に付き合うことができるようになるんですね。怒っている人ってどういう人かというと、コップの水を溢れさせてる人なんです。

なので、みなさんが、怒っている人と向き合う時にどうすればいいかというと、怒る前に感じていた第一次感情に目を向けてあげるってことなんです。

クレーム処理とか怒っている人に向き合う時には、怒りに目を向けるんではなく、必ず怒りの前に感じていた第一次感情に目を向けるということなんです。

辛いから怒っているのか、苦しいから起こっているのか、不安だから怒っているのか。「なにを感じていたから怒ったんだろう」ということなんです。それがわかるようになると、その怒っている人に対しては、みなさんに対する安心感とか信頼感というのがすごく上がるんです。

ですので、これから怒っている人に向き合う時は、「怒る前になにを感じてたんだろう?」ということを見るようにしてみてください。

それができるようになると、怒っている人自体は怖くはないです。怒るイコール第一次感情を溢れさせているというふうに理解してもらえればいいです。

ちなみに、世の中に怒りっぽい人と怒りっぽくない人がいます。その違いはなにかというと、このコップの大きさの違いなんですよ。コップが大きい人は怒りにくい。そしてコップが小さい人は怒りやすいです。

コップが小さい人というのは、怒りやすく怒られ弱いです。コップが大きい人というのは怒りにくく怒られ強いです。このコップに関しても、先ほどの本の診断を受けていただくと偏差値が出ます。なのでぜひ受けてみてください。自分の器の偏差値が出ます。

どれくらい大きい人間か、小さい人間か。おそらく愕然とする数字が出てくると思うんでぜひ受けてみてください。そんなにみなさんは大きくないと思います。なのでぜひ受けてみてください。

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