絵本監督という職業が世界になかった

のぶみ:(西野氏ゴーストライター疑惑について)坪田さんも出てきてたんですか? ワイドショー?

西野:Facebookで参戦してきて。でもたぶん、感覚として反対意見があまりにも雑だから、腹立つ人は本当腹立つ。

トンボ:「なにを言ってんの?」っていう。

西野:僕は、そんなことより、いきなりもうそろばんはじいちゃってるから。反対意見が出てきた時に、「よっしゃ! きた!」と思って。

(会場笑)

のぶみ:すごいよね。

西野:「よし、これで何部売れた」みたいなことになっちゃうから。僕はすぐそっちに転換するからあれだけど、ものを作る人からするとピュアに腹立つかもしれない。自分は売上とは関係ないっていうところがありますけど、「そんなこと言い出したら、じゃあ、映画はどうなの?」とか、「アニメーションはどうなの?」「音楽はどうなの?」とか。

のぶみ:だけど、隣で見てたじゃないですか、トンボさんとか俺は。けっこう大人数でやる時って、やっぱり「それ、もうおかしいんじゃねーの?」ていうくらいガーッて突き進む奴がいないと、やっぱり牽引力ないから。たぶん、技術のある人たちがいても、「これが絶対いけるから」って強烈に信じてる人がいないと、たぶん無理なんですよね。

西野:はいはい。

のぶみ:だけど、(反対意見を)言いやすいは言いやすいだろうね。絵本って言われやすいから、もともと。けっこう短い文で短いページでやっちゃうから、こうとも読めるし、こうとも読めるっていうのがあるからね。

西野:あと、絵本監督っていう職業が世界になかった。

のぶみ:あー、そうか。

西野:僕は、本当はこれもあっていいと思うんですよ。要は、文・誰々、絵・誰々、監督・誰々というのが絵本で存在してもいいと思っていて。

まとめる能力と、絵を描く能力、僕は今回は文章もやっちゃっているけれど、でも、この先、僕よりもっともっとおもしろい物語が作れる人がいて、それを提供してくださるんだったらぜんぜん。僕、おもしろいほうがいいから、文章はその人に委ねて、絵も委ねて、いよいよ「西野なんもしてないやないか」っていう状態になっても。

トンボ:もう、だから、監督ですよね。

西野:そうそう、監督。またぜんぜん業務内容が違いますよね、監督って。お金のことも考えなきゃいけないし、スケジュールのことも考えなきゃいけないし。

のぶみ:そうなんだよね。(コメントにて)「ウォルトの背中、見えてきましたね」って書いてあるけど、ディズニーがまさにそうだったんですよね。

西野:あ、そうなんですか。

のぶみ:はじめ、『白雪姫』作る時に、第1作の長編アニメ作る時に、絵も描いてないし、話も任してるんですよね。でも、「これはすごい! 絶対いける!」って言って、牽引していくのがあれなんですよね。

西野:もっと言ったら、『ミッキー』も描いてないですからね。

のぶみ:そうですよね。

ディズニーもジョブズも自分で作ったわけではない

西野:ウォルト・ディズニーって、別に『ミッキー』作った人じゃないですからね。あ、でも、ウォルト・ディズニーは結局作ったんだ。いなかったら作れなかったんだけど、描いたのは違う人ですからね。ジョブズもそうだよね。別に……。

トンボ:っていうか、全部そうなんですけどね(笑)。

西野:全部そうなんです、言い出したら(笑)。ジョブズがこうやって作ってるわけではないんですよ。

トンボ:ジョブズがiPhone作ってないですからね。

西野:そう。でも、ジョブズがいなかったら、iPhoneはできなかったっていう。

のぶみ:有名な話でね、それは。

トンボ:テレビとかも、全部そうですもんね。ディレクターがいて、演出がいて、作家がいて、演者がいて、っていう。

西野:でも、こういう議論は自分がいないところで行われてるわけじゃないですか。これはいいですよね。宣伝ですよね。今週いっぱいはなんとか、薪をくべて。

のぶみ:今週いっぱい以外でも大丈夫だろう!(笑)。

西野:薪をなんとかちょっとずつくべて。

トンボ:うちわであおぎながら(笑)。

のぶみ:すごいんですよ。西野さんのやつ、(Amazonのランキングで)7位とかなんですよ。それで、上は『金スマ』で出てたダイエットの本の人なんですよ。

西野:それか! 急にね、僕の上に5、6冊ぐらいダイエット本がブワーッてなって。

(会場笑)

西野:今、Amazonの上位6冊ぐらい、ダイエット本なんですね。

のぶみ:先週の特集だったんですよ、あの人が。

西野:なるほど、急に! 『金スマ』コラァ!

(会場笑)

トンボ:そう考えたらやっぱりテレビってすごいですね。

『金スマ』の影響力

のぶみ:『金スマ』と、『アメトーーク!』の本屋芸人の時に、絵本の紹介があったんですよ。

西野:ありました。それは抜いたんですよ。で、上に『ハリーポッター』がいるのは知ってたんですよ。

のぶみ:『ハリーポッターと呪いの子』ね。

西野:それで、あとは見たことない表紙だから「なにかな?」と思ったら、『やせるおかず』っていう本が。ムカつくわ、そんな本買う奴、やせへん!

(会場笑)

西野:もう根性がデブやもん!

トンボ:そんなことねーわ(笑)。

西野:ハートがデブやもん!

(会場笑)

西野:そんな本買う奴、運動せえっていう話で。そんな本買う奴、やせるわけないわ!

トンボ:『やせるおかず』読んだらやせますよ!

西野:『やせるおかず』っていう本に頼る奴が、やせるわけがないんや!

トンボ:やせるやせる(笑)。

西野:やせる奴、運動してるで。『やせるおかず』買う前に。

のぶみ:それはそうなんだけどね(笑)。あれなんですよね、『金スマ』に出たら本が売れるっていうのは、もう実はかなり決められてるんですよね。

西野:なるほど。

トンボ:でも、すごい影響力ですよね。

のぶみ:あの、ときめきの片付け(『人生がときめく片づけの魔法』)のこんまりさん(近藤麻理恵氏)も。

トンボ:こんまりさんね。

のぶみ:こんまりさんは『金スマ』出身ですからね。あと、『置かれた場所で咲きなさい』っていうやつも『金スマ』だし、けっこう『金スマ』は本に火をつけるのが得意なんですよね。

トンボ:すごいですね。

のぶみ:作りが、けっこうね。2時間スペシャルでやるんですよね。すごいよなあ。

勝手にヒット本の帯を巻いてみる

西野:あれやったら怒られるんですかね。例えば、本の帯ってあるじゃないですか。わかんないですけど、「村上春樹推薦」みたいな帯があるじゃないですか。その帯だけいただいて、『えんとつ町のプペル』に巻くっていう(笑)。

(会場笑)

西野:「泣いた」みたいな。俺、そのシリーズやろうかな。勝手にインスタにあげる分にはいいですもんね。

トンボ:確かにね(笑)。

のぶみ:インスタにあげる分はいいよね(笑)。

西野:だから、トンボのあれはよかったと思うねんけど。トンボのDJイベントで、Facebookに書いてる文章、秀逸だと思って。トンボのDJイベントのチケット買った人の喜びの声みたいなので、「タバコやめられました」とか「やせました」みたいな、嘘ばっかりやんな(笑)。

(会場笑)

トンボ:嘘ばっかり載せました。

西野:あのふざけてる感じ、むっちゃいい。ふざけてることが宣伝になってる。だから、ヒット本の帯を巻いて写真撮っていくっていう。

トンボ:「帯巻いてみた」っていう。

(会場笑)

西野:メモっといて! 帯巻いてみましたシリーズ。それでどんだけ売れるか。

のぶみ:すごいな、それ。でも、それで、また「大変になってる」みたいなことで、言われるもんね。

トンボ:「ラスト1ページに大どんでん返し」みたいな(笑)。

(会場笑)

西野:あー、いいっすね!

のぶみ:それ、絶対描いてないよね(笑)。

西野:絶対違う内容の。

のぶみ:村上春樹、帯書かねーだろ!(笑)。

トンボ:帯のサイズもぜんぜんちゃうけどな、みたいな。

西野:それ、いいね。「これが徳川家の真相だ!」みたいな(笑)。

(会場笑)

西野:「徳川家の真実」みたいなの書いてある。

トンボ:いいですね(笑)。

のぶみ:「これ、違うくね?」って言われるよね、誰かに。

トンボ:帯おもしろいですもんね。

のぶみ:おもしろ。ふざけてるわ。

西野:いいですよね。ふざけてることが宣伝になる。

のぶみ:完全になめきってるだろ(笑)。