観光立国の鍵を握る"シェアリングエコノミー"

江藤誠晃氏(以下、江藤):進行を務めさせていただきます、江藤でございます。よろしくお願いいたします。

本日、最後のセッションになりますが、ちなみに今日朝から来られているという方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

江藤:5〜6割の方ですね。では、今回のテーマが「観光立国」ということで、観光業界に関わっていらっしゃる方は?

(会場挙手)

江藤:地域の行政に関わっていらっしゃる方?

(会場挙手)

江藤:多いですね。あるいは、それ以外の観光DMOや地域の方?

(会場挙手)

江藤:少ないですね。では、観光立国とシェアリングエコノミーに興味ありという方は?

(会場挙手)

江藤:興味なかったら来ないですよね。こんな高いお金払ってね(笑)。

(会場笑)

江藤:今日、僕も朝からいろんなセッションを聞いていたんですけれど、すごく刺激を受けました。いろんなテーマだったんですけれど、シェアリングエコノミーのなかで観光分野というものは非常に親和性が高い。ただ一方で、「シェアリングエコノミーで観光立国ってどうなんだろう?」というようなお話も当然出てくるんですね。

そこで今日は、この観光立国の、僕から申し上げると“観光立国オールスターズ”の方々を迎えているということなので、熱く語りながら、本日最後の締めとして、シェアリングエコノミーで日本の観光を盛り上げよう、そういったお話をしたいと思います。

ニッチな旅に相乗り「TRAVEL PLANET」

それではさっそく、登壇者のみなさんのご紹介なんですけれど、僭越ながら、まず私からお話させていただきたいと思います。

シェアリングエコノミー協会は、今年の1月に立ち上がりまして、実は紀陸(武史)さんと東(祐太朗)さんは最初からのメンバーだったんですよね。協会が立ち上がったときには、たしか20社弱ぐらいで、僕も一応最初のメンバーとして末席で入らせていただきました。

今、130社を超えたと聞いています。どんどん盛り上がっているんですけれど、そのなかには観光に関わりあるメンバーが、おそらく3分の1ぐらいいるんじゃないかと思っています。いろんなサービスをやっています。

まずご紹介させていただきますと、僕自身は海外旅行のマッチアップのサービスやっています。「TRAVEL PLANET」というサービスをやっていまして、まずこちらのご紹介させていただきたいと思います。

旅行業界をどう変えていくかということで、実は海外旅行に行く日本人は減っていて、「2,000万人を目指そう」と言いながら今、減ってきています。

そこで海外旅行をスケールさせるために僕がやっているのは、海外のニッチな旅行先に対して、「1人で行きたいんだけど、ちょっと不安」という方々、その人たちをマッチアップして、相乗りをして海外旅行に行くというモデルのサイトをやっています。今、ロシアやキューバ、あとモンゴルとか、少し変わった旅行のスケールをさせています。

そこで僕が目をつけたのが、「PASSPORT 2.0」というようなビジネスです。海外渡航1人ひとりの方に、(スライドの)左側にあるんですけれど、「あなたはどういう志向のトラベラーですか」というデータと、「これまでにどこの国行きました」、それから「これからどこの国に行きたいですか」というデータを取っているんですね。

これを「PASSPORT 2.0」と呼んでいるんですけれど、1人ひとりのトラベラーや多様なニーズを持つ人に対して、1人ひとりのデータを取ることによってスケールさせることを考えてメディアをやっています。

“1億総旅人化時代”を作る

今日は、おそらくインバウンドや地域活性をみなさんやっていらっしゃると思うんですけれど、新しくこのパスポートのデータを入れることによって、ユーザーデータを取ってるんですが、今度はこれを国内に転用しようということで、データを取って、それに対してメディアを作って海外旅行をシェアしませんか、というようなモデルを今やっています。

これに対して、今度は国内の観光だよねということで、次にトライしようとしているのが、シェアリングエコノミーを活用して観光立国作っていこう、日本人の観光客を徹底して増やしていこうということです。

現状の3つのマーケット、「海外旅行」「国内旅行」、それから「インバウンド」。このあたりを倍々にしていく計画を作ろうということです。そのために地方創生や、今日登壇される方々のサービスもそうですし、短期移民というかたちを作ることによって、日本の観光客を増やしていきたい。

つまり、1億総活躍時代に対して“1億総旅人化時代”のようなものを作ろう、と。いろんな方々が国内の旅行に行く世界を作ろうということで、「ふるさとをシェアしよう」というメディアを今、作っています。

具体的には、こういったイメージのサイトを作って、「旅する先に故郷あり」と。

今、ふるさとがない方が多いんですよね。だから、地方に憧れる方が多いので、そういった方々と一緒に「ふるさとを探しませんか?」ということを、まず日本人向けにやって。

さらに海外の人に対しても、「日本のfurusatoに来ませんか?」と。「karaoke」「bento」「shiatsu」「omotenashi」 、いろんな日本語が海外で通用するんですけど、「furusato」というものを世界に持っていけないかというサービスを次やろうと思っています。

ここに対しても、世界中のトラベラー、日本のトラベラーのデータを取って、その人にマッチしたサービスを作っていく。

そして、(スライドの)右下に書いてありますが、アッセンブルエージェントということで、これまでの旅行会社は、どちらかというと仕入れをベースにプロダクトを作っていたんですけれど、いろんなサービスをつなぎ合わせることによって、地域活性化のストーリーを作れないかということですね。そうやって新しい旅のアッセンブルエージェントを目指す活動をしているのが、今の私のサイトです。

「日本のお城が好き」「神社に行きたい」「お湯に浸かりたい」、こういったニーズを集めることによって、その方々と地域をマッチングするようなサービスを今、作ることを考えています。

私はこういったかたちで、1つのモデルを作っているんですが、ここからは実際に今、インバウンドあるいは国内の地域活性で活躍してらっしゃる方ということで、順番にみなさんのサービスを紹介いただければと思います。

日本人総ガイド化計画を企む「TOMODACHI GUIDE」

観光オールスターズ、まず1番目は、紀陸さんから自己紹介を含めてサービスのご紹介をいただきたいと思います。

紀陸武史氏(以下、紀陸):はじめまして。株式会社Huber.の紀陸と申します。よろしくお願いいたします。

私どもは、訪日外国人向けのガイドマッチングサービスをやっております。今日は僕たちのサービスをご紹介させていただきながら、どういったことをやっているのかをまずお話しさせていただければと思っています。

株式会社Huber.の「TOMODACHI GUIDE」というサービスです。

観光資源があふれる日本です。しかし、やはり言葉の壁が大きく立ちはだかってしまっていて、訪日外国人の方が日本の魅力になかなかたどり着けてない現状があると、僕たちは思っています。言葉の壁、情報不足、画一体験。これでどんどん先細りになってしまって、体験にたどり着けていない。

これらの問題を解決するサービスを僕たちは提供しようとしています。「日本人総ガイド化計画」というかたちの、Huber.のTOMODACHI GUIDEです。国際交流したい日本人とガイドされたい外国人のマッチングサービスを提供しています。この両者をマッチングしていきます。

ビジネスモデルは非常に簡単です。国際交流したい日本人、主に大学生や留学生の方々が思い思いにふだんの遊びを我々のプラットフォームに登録します。価格も自分で決めます。

それを見た外客の方が「これ、おもしろいね」と申し込んでいただくと、その際に発生した決済の金額の30パーセントを取得するという、非常に簡潔なモデルです。右と左から15パーセントずつ。不動産仲介みたいなかたちでもらうというものですね。

かたちにしたいのは、一緒に楽しむ感動体験です。「私自慢のローカルツアー」や「自宅に招いてホームディナー」などといった、今までパックツアーになりきれなかったようなユニークな体験をたくさん作っていきたいと思っています。

「ペア」にすることで法律をクリアに

サービスの特徴は、「ペアガイド」です。もともと有償で外国語を使って自分の知識で案内を行う場合には、「通訳案内士」の資格が必要でした。ただ、我々は役務をわけることでこの法律をクリアしたということです。

どういうことかといいますと、有償で通訳するだけであれば資格はいりません。有償で案内するだけでも資格はいりません。ですので、2人1組になって案内すれば法律は関係ないでしょうというところで、観光庁さんとお話をさせていただいて、それをクリアしました。

これをクリアした上で、おもしろいことに気がつきました。学生たちがずっとガイドをしているんですけれど、「ペアじゃないとできない」とみんな言います。やはりみんな素人なので、なかなか価格を決めたりということも難しいですし、当然案内をしていると、慣れない観光の英語で、たくさん話が寄ってしまうので、2人で分散するとちょうどいいんですね。ですので、「2人だったらできる」というかたちで、やっとその心理障壁を超えられたんじゃないかなと思っています。

また、旅前から旅終わりまで、日本の旅を完全にサポートします。旅前から、彼らの不安に無料で相談に乗ってあげることによって、信頼関係を築いています。なので、すごく体験がスムーズになりますし、仲良くなるんですね。

なので、ユーザーのオーガニックのレビュー記載率は非常に高く、満足度の高いサービスになっているかなと思います。外客から見ても、ツアーを探して相談して予約するだけという非常に簡単なものです。