2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
Weird Places: Devil's Kettle Falls(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
マイケル・アランダ氏:滝から水が落ちていくのを見ると、その水がどこに落ちるか見えるだろうと普通は思いますよね。そんなことを聞くこと自体おかしな気がします。なぜなら答えはあなたの目の前にあるからです。
しかし、デビルズ・ケトルというミネソタ州北部にある滝は、ほかの滝とはちょっと違います。水が地面に消えて行くように見えるのです。
滝の水はブルール川からきていて、それは曲がりくねりながらスペリオル湖に向かって流れる川から分岐しています。ブルールの東側から流れる滝はまったく普通の滝で、人工池に至るまでの最後の流れを引き続き進みます。
しかし、西側が問題です。それがまったく異なるのです。岩場に沿って何メートルか流れると、水は岩の洞窟の中に落ちていきます。それは「ケトル」として知られています。そして私たちが知る限り、そこに入っていった水は二度と見ることができないのです。
とめどなくケトルに流れ込む水はどこかに行くか、栓をしたまま水が溢れ出すお風呂の湯船のように溢れるはずなのですが、誰もその水がどこに行っているのか知らないのです。
ピンポン球を投げ入れたとか、滝の水に色を付けたというさまざまな話があるのですが、どれも二度と現れることはなかったのです。正式な説明はまだされていませんので、現段階では学識を持ってされた推測しかありません。
しかし人々が考え出してきた、分別あるように思われるアイディアも、デビルズ・ケトルには当てはまらないと言える地質学的理由があるのです。
1つの可能性はブルール川の西側は地下洞窟を通っていて、人工池まで岩の間を通っていっているというものです。石灰岩ではとくに、地下洞窟で力強い川の流れが形成されます。石灰岩は炭酸カルシウムでできていて、チョークのような化合物です。それは水の中で若干溶解します。
それで時間が経つにつれて、溢れるような水の流れが岩を浸食して、すばらしい洞窟を作り出すことがあるのです。
しかし、この理論には大きな問題があります。ミネソタ州北部にはそのような洞窟を作れるような柔らかい石灰岩は存在しないからです。
代わりにその地域は、主に古代溶岩が凝固してできた火成岩で形成されています。そのような岩は石灰岩よりもずっと固く、大きな内部洞窟を形成することはできません。
しかし、ある種の火成岩は溶岩チューブを形成することがあります。デビルズ・ケトルの水がそのような溶岩チューブを使って人工池まで流れていっている可能性はあります。溶岩流の表面が周囲の空気により冷やされ凝固し、その下で、硬い層に断熱された熱い溶岩が流れ続けることにより溶岩チューブは形成されます。噴火が終わると液状の溶岩が通って、空洞のトンネルが残るのです。
ハワイのキラウェア火山や、カリフォルニアのラバベッド国定公園に行くつ、驚くような溶岩チューブを見ることができますし、その中に入ることもできます。
そのようなチューブはオレゴン州などの場所ではよく見られ、毎年のように湖を飲み込み消してしまう現象が見られます。しかし、スペリオル湖の北側周辺で溶岩チューブは見つけられません。そうです、先ほどと同様、問題は岩の種類が違うということなのです。
溶岩チューブは流動性が高い通常玄武岩の中に形成されます。それに含まれる二酸化珪素はほかの溶岩より少ないため、ほかの溶岩より液状です。しかしデビルズ・ケトル周辺の岩は流紋岩という、薄いピンクや灰色の岩で二酸化珪素が高く含まれます。
ですから、流動速度がずっと遅い溶岩からできているのです。玄武岩は流れる時とても遅いので、空洞のチューブを形成することはないのです。それを形成するにはスピードが必要なのです。
このように、その水がどこに行くのかということに関するどちらの学説も筋が通りません。それにスペリオル湖まで本当に滝が続いているのかも分かりません。ブルール川は小さい川ではありませんが、湖は406メートルの深さがあり、表面はオーストリアほどの大きさもあるのです。
そんなに大きな湖では1本の川から余分に水が流れてきても気がつかないのです。ですからデビルズ・ケトル滝の真実は研究者の誰かがそこに降りていってデビルと一緒に流れる水を追いかけるまでわからないのかもしれません。
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗