忘年会の前に知っておきたい“飲み過ぎ”のリスク

The Science (and Dangers) of Booze in Humans

いよいよ師走が近づいていきました。1年の労をねぎらう意味で、お酒を飲むことが格段に増えるシーズンでもあります。しかし、やはりお酒の飲み過ぎは禁物。アルコールは有害物質であり、人間の身体に多くの影響を与えます。もちろん、1日1~2杯程度のビールを飲むぐらいならとくに問題はありませんが、これから忘年会が続くという方は今一度アルコールの危険性について知っておいたほうがよいでしょう。YouTubeの人気サイエンス系チャンネル「SciShow」のマイケル・アランダ氏が“飲み過ぎ”の危険性について解説します。

把握しておきたいお酒の危険性

マイケル・アランダ氏:あぁ、お酒。それはディナーやダンスパーティーで、世界中の多くの人々の気持ちを、ちょっとだけ外交的にするものとして知られています。

しかし、みなさんの身体のなかではお酒は毒として扱われているのです。そしてできる限り早くそれを排出しようとします。みなさんの身体が早急に対処できたとしても、結局は脳に行き着くのです。それはみなさんの細胞の相互作用に影響を与え、泥酔状態を引き起こします。

飲酒ができる年齢の友達とビールを1~2杯くらい飲むのは問題ありません。しかし、日常的にお酒を飲みすぎることは長い目で見れば危険なことなのです。

みなさんがひと舐め程度のアルコール飲料を飲んだとします。すると、エチルアルコールとしても知られているエタノールを含む有毒物質は、胃の内膜や小腸を通りみなさんの血液に吸収されます。

肝臓には酵素やペプチドを使ってエタノールをろ過し、分解する役目があります。そのため、身体はそれを安全に排出することができるのです。

まず、アセトアルデヒドに変換します。これも有害物質であり、ひどい二日酔いになる理由の1つでもあります。そして、酵素はアセトアルデヒドを酢酸塩に変えます。これに害はなく、最終的には尿として排出されます。

肝臓は、身体に吸収したすべてのエタノールを排出するためにとてもよく働きます。しかし、もしまたワインをおかわりしてしまったら、問題は解決しません。血液中に過剰なエタノールが流れると、最終的には脳に行き着いてしまうのです。

通常であればバクテリアや毒素のような異物は、脳の外に留まっています。これは特殊な細胞やたんぱく質によって形成される血液脳関門がろ過装置の働きをするおかげです。

しかし、エタノールにとっては中に入りこむことなど簡単なのです。なぜなら、エタノールは脂肪にくっつき、脂肪細胞の膜を通ることができるからです。一度アルコールが脳に到達してしまうと、脳細胞として知られるニューロンの間で信号を発し、混乱し始めるのです。

脳は神経伝達物質と呼ばれるこういった化学物質を使い、細胞間でメッセージを送りあうのです。その中でももっとも重要なのがガンマアミノ酪酸、別名GABA、とグルタミン酸塩です。

GABAは特殊なたんぱく質受容体と結びつき、ニューロンが少しの信号しか送れないようにしてしまいます。そのため、科学者はこれを抑制性神経伝達物質と呼びます。エタノールはこれらの受容体を結びつけることでこの信号を妨げます。

そしてニューロンが受け取るメッセージを変えてしまうのです。とくに、エタノールはGABAの信号を増進させ、グルタミン酸塩の信号を減少させます。つまり、より抑制された信号があり、全体的に脳の活動を遅くしてしまうということです。そのため、アルコールは抑制薬だと考えらえるのです。

1日に1~2杯程度であれば安全

そして別の脳の部分にも影響を与えることで、ほかの泥酔症状も起こります。

例えば、アルコールは運動協調をコントロールする小脳の活動を減少させます。これによりさまざまな障害が起こるのです。

それは自制心や社会的抑制をつかさどる脳の部分を制限させたりもします。そのせいで、私たちは外交的になったり危険な決断をしてしまったりするのです。こういった影響はみなさんの身体がエタノールに対処することで、だんだんなくなっていきます。私の知る限り、節度を持ってアルコールを摂取することは大したリスクではりません。

しかし、エタノールは有毒物質です。ですから短時間でお酒を飲み続けると、アルコール中毒を引き起こします。

一般的に、呼吸や心拍など、生命維持に絶対必要な機能をつかさどる脳の髄質の活動停止が起こります。過剰な量のアルコール摂取と関係して、長期間に及ぶ危険性も出てきます。肝硬変が起きたり、肝組織に重大な傷ができてしまったりするのです。なぜなら肝臓はダメージを受け、長い間過度な有害物質を処理するような働きをしなくなるからです。

科学者は血液中に多くのエタノールを吸収すると、身体の細胞組織に圧力がかかり、炎症が起き、平常なホルモン値が妨げられ、そして細胞がDNAを修復することが困難になると考えています。こういったことはすべて、ある種の癌のリスクを高めることになるのです。

アルコールが脳の細胞を殺さなかったとしても、過度なアルコールは脳に長期間に渡り影響を与えます。ティーンエイジャーが日常的にアルコールを摂取することは、ニューロン間のつながりの維持や成長に影響を与えるということが証明されています。これは学習や記憶に問題を引き起こすこともあるのです。

アルコール依存症はアルコールへの身体的依存です。アルコール飲料がほしくてたまらなくなったり、一度飲み始めるとやめられなくなるなどの特徴があります。科学者は長期間に渡って血中に過度なエタノールがあることは、腸がチアミンやビタミンB1を正常に吸収することを妨げ、肝臓がそれを貯蓄し使うのを困難にすることにつながると考えています。

チアミン欠乏症も脳の様々な部分のダメージや収縮と関連があるウェルニッケ・コルサコフ症候群を引き起こします。これは運動や記憶、視覚に問題を起こすことがあります。つまり、深刻で好ましくない要素がたくさんあるということです。

アルコールは人間の身体に多くの影響を与えます。なぜならそれは有害物質であり、過度な摂取は深刻な健康問題を引き起こすからです。しかし、1日に1~2杯程度であればまったく安全だと言われています。

さぁ、みなさん、責任を持ってお酒を飲みましょうね。

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