コーヒーとお腹の調子の関係

マイケル・アランダ氏:イメージしてください。休み明けの月曜日の朝、仕事始めにカフェインを少し摂ろうとします。温かいホットコーヒーを注ぎ、机について仕事を始めます。でもすぐにお腹がゴロゴロ鳴り始め、そのうち便意をもよおします。

この現象は非常によく知られており、マグカップの猛攻撃とさえ言えます。“コーヒーは便意をもよおさせる”のです。

約10人に3人はモーニングコーヒーを飲んだ後、トイレに行くと言います。1990年の小規模な研究では、それはただ、「人々がものすごくトイレに行きたいというほどではない」というだけのことだと述べていますが、排便したくなる人はコーヒーを飲んで2~3分もすると腸が活発に動き始めるのを感じると答えています。なので、内臓は飲んだものに反応しているのです。

なぜでしょうか?

科学者の中にはそれはまったくもってコーヒーのせいではないという人もいます。朝イチでお腹に入れたものがコーヒーだっただけ、というわけです。胃になにかが入ると、胃が拡張することにより、胃の反射作用を引き起こします。基本的には、腸が目覚め、動き始めます。

しかし、水を飲んだだけでは必ずしもトイレに行くほどにはならないのです。ということは、「トイレにいきたくなるのは胃が動き始めるからだ」という以上の理由がありそうです。

不思議なことにコーヒーと便意のメカニズムに関する大規模な研究は、これまでなされたことがありませんでした。が、研究者たちはさまざまな可能性を試すべく、小規模な研究はしてきました。カフェインはある種の興奮剤で、なにかしらの刺激を与えるので、要因の1つと言えるだろうということです。

それ以外に、ノンカフェインコーヒーでもトイレにいきたくなるとの研究結果もあります。ということは、カフェインだけが理由ではないということです。

コーヒーはかなりの酸性なので胃の酸性度となるとまた別の話かもしれませんが、胃の中の酸性度がかなり高くなると、より多くの胆汁が出て、今度は下痢になることがあります。下痢になるにはしばらく時間がかかりますが、ものすごくトイレに駆け込みたくなるまでにはコーヒーを飲んでから数分しかかかりません。

1980年代からの研究によると、レギュラーコーヒーまたはノンカフェインコーヒーを飲むと、ガストリンというホルモンが多く放出され、胃が酸を出し、腸の動きを促進すると言われています。しかし、被験者がお湯を飲んだ時、またはカフェインと砂糖入りのコーヒーを飲んだ時にはガストリンは放出されませんでした。

このように、コーヒーは、このガストリンというホルモンを生み出し、通常より速く腸を動かすコーヒーに特有ななにかがあり、それがあなたがどこにいようとも朝のミーティングの妨げとなるのです。

私たちはただその正体がなんなのかが知らないだけなのです。