「反パチンコ本」を書いたワケ

西村博之(以下、ひろゆき):「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」という本を書いた若宮さんに、日本のパチンコ状況について色々お聞きしたいと思います。というわけで、よろしくお願いします。

若宮健(以下、若宮):若宮健です。よろしくお願いします。

ひろゆき:最初に自己紹介的なものがあれば。

若宮:僕が最初にパチンコに関する本を出しましたのは、2006年です。それから今回の本で三冊目になります。

ひろゆき:じゃ割と、毎年のようにパチンコに関して(執筆を)?

若宮:そうです。たった一人で反対の狼煙をあげてきました。

ひろゆき:なんでそんなにパチンコ本を書く気になったんですか?

若宮:最初の本を出す6ヶ月前に、知り合いがパチンコ依存症で自殺したんですよ、自宅で。悲惨な話なんですけど、首吊り自殺したんですよね。建売を買い増してから5年くらい経たないうちだったんですよ。

ひろゆき:一軒家買って?

若宮:はい。当然のごとく借金を抱えまして、サラ金から追われるという形で。結局僕が書くしかないと思ったわけですよ。

ひろゆき:他にあんまり反パチンコ本ってないですからね。パチンコ雑誌は死ぬほどありますけど。

若宮:おっしゃる通りです。

ひろゆき:で、最初にいきなり取材を始めて?

若宮:そうですね。パート1とパート2がありまして、パート1を2006年に出したんですけど。その後たまたま韓国に取材に行きまして、韓国がパチンコを禁止したのを僕が日本で初めてスクープしたんですよ。

ひろゆき:日本では全然ニュースになってなかったんですか? 僕も韓国でパチンコが禁止になったの知らなかったんですけど。

若宮:そうでしょう。初めて僕がスクープして、マスコミに持ち込もうと思ったんですが、日本の場合はご存じの通り、パチンコ批判というのがタブーのようになってまして。それで自分のホームページでスクープしたんですよ。それで『若宮健リポート』というタイトルでホームページに書きまして、それがだいぶ話題を呼びまして、ネットで多くの方が紹介してくださったんですよね。

ジャーナリストになった経緯

ひろゆき:ちなみに若宮さんって、元々職業はジャーナリストで良いんですか?

若宮:どれでも結構です。

ひろゆき:どういう仕事をしてジャーナリストになったかとかあれば。

若宮:僕は本来は車が本職だったんですよ。トヨタのディーラーに足掛け20年勤務して、独立し、自分で中古車ディーラーを立ち上げまして。

ひろゆき:トヨタの社員から独立して自分で会社を作られたというわけですね。

若宮:全然ちっぽけな会社ですけどね。

ひろゆき:割とじゃあ大成功な感じで?

若宮:いやいや、それが3年でずっこけましてね。 そういう経験がございます。

ひろゆき:その後いいんですか、タクシーの運転手やってた話とかしなくて。

若宮:ああ~、全然それも。あります。

ひろゆき:車が好きだからタクシーの運転手始めたんですか?

若宮:元々車屋ですから、タクシーに乗る事は全然抵抗なかったんですよ。損保の代理店もやりましたけどね、損保の代理店なんていうのは大体直営ディーラーであれば、もともと負担していた仕事ですから、いとも簡単に入れる仕事なんですね。ただ僕にとっては面白くないんですよ、刺激がなくて。 それでタクシードライバーに挑戦しまして……結局本を書くネタが欲しかったんですよね。

ひろゆき:本を書くためにタクシードライバーになったんですか?

若宮:それもありますね、全部ではないですけど。

ひろゆき:じゃあ本を書かれて何年くらいなんですか?

若宮:10年になりますね。これで7冊目ですから、少ないんですよ。年に一冊ペースなんですから。

ひろゆき:本を書きたいと思ってタクシー運転手になられたんですよね? ネタを集める手段として。

若宮:最初のきっかけはそうです。

ひろゆき:タクシーの本を書いて、その後の職業がジャーナリストさん、って事なんですか?

若宮:結局ですね、損保の代理店も経験しましたし……。

ひろゆき:言いたくない事があれば言わなくて大丈夫ですよ。

若宮:秘書的な事もやりましたね。

ひろゆき:政治家の秘書ですか?

若宮:某アパレルメーカーの社長の。ベンツを運転出来る人がいないと。秘書も出来る、両方出来れば最高だという事で。

ひろゆき:ベンツの運転ってそんなに難しいんですか?

スタッフ:ちょっと30秒ほど番組ストップして。

ひろゆき:すいません。30秒ほど再起動します。

(機材トラブルのため番組中断後、再開)

ひろゆき:では「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」という事で、メディアで報じない業界の闇という事で、若宮さんに来ていただきました。どうも初めまして~! まず自己紹介から……、っていうのは冗談で(笑)、すいませんね、トラブル続きまして。というわけで、本題の方いきたいと思います!

2006年、15,000店のパチンコ屋が韓国から消えた

ひろゆき:僕は韓国にパチンコあるの知らなかったんですけど、2006年8月に撤廃していると。これ結構、僕の中では驚きだったんですけど、韓国がなんでパチンコを全廃したのかっていうのが本になってると。理由をちょっと触ってもらっていいですか。

若宮:韓国のパチンコの歴史はそう長くはないんです。2000年頃からですから。最初は許可制だったんですよ。

ひろゆき:パチンコ屋さんを作るには許可がないと作れないと?

若宮:それで2003年から認可制になりまして。あまりに増えたから認可制になったんですね。

ひろゆき:認可制って事は届け出を出せば誰でもパチンコ屋を開けると。

若宮:そうですね。都局が認可すれば。ただ日本と違いまして、そう大きな店は無かったんです。パチンコの台数にして大体40~100台くらい。こじんまりとした。

ひろゆき:学校の教室くらいですか、40台って。

若宮:そうですね。店舗数は多かったですよ。最盛期には15,000店です。

ひろゆき:15,000店。韓国の人口って?

若宮:4,500万人です。

ひろゆき:1,000人に1人分くらい? そうするとパチンコ屋に10人くらい働いてるじゃないですか。そうすると人口の1%くらいパチンコ業界っていう事になりません?

若宮:実際はファミリーでやってるとこが多かったんですよ。

ひろゆき:家族でパチンコを運営している?

若宮:ええ、そういうパターンが多かったんですね。

ひろゆき:じゃあそのお父さん、お母さん、子どもがパチンコ屋を経営してると。

若宮:ですから小さい店が多くて、そのかわり加熱して道路挟んでズラッとパチンコ屋が並んでいたという場所もソウルにあったんですよ。実際そこに僕行ってみましたけど、今はもういっぱい飲み屋さんに変わっていました。

ひろゆき:10,000店って言ったら町じゅうにある感じですもんね。

若宮:15,000店ですね、最盛期には。

韓国式のパチンコシステムとは?

ひろゆき:てことは、それくらい儲かってたって事ですよね。

若宮:儲かってたんですよ。日本のパチンコ台を中古で輸入しまして、釘を取っ払うわけです。で、玉は弾かない。

ひろゆき:そうすると、打ってもストンと落ちるだけじゃないですか。

若宮:メダルなんですよ。10,000ウォンを入れますとね、メダルが出てくるわけです。

ひろゆき:硬貨が出てくるんですね。

若宮:パチスロに使われるようなメダルですよね。皿に乗っけますよね。4秒に一回メダルが落ちて画面が動くわけですよ。リーチの画面が。

ひろゆき:回すといきなりリーチ面が回るんですか? キューンっていってどっかの当たりに入って、スロットが回るとかではない?

若宮:メダルが落ちるとリーチの画面が動いて、かからない時もありますよ、もちろん。日本の台と同じですから。大当たりすると商品券が出てくるんですよ、玉の代わりに。

ひろゆき:それって最初からパチスロにすればいいじゃないですか。メダル入れて回ってくるんだったら、台いらないじゃないですか。

若宮:そりゃそうですね。ただ「海物語」、日本でも人気ですよね。

ひろゆき:海物語、はいはい。

若宮:あれが韓国でもものすごい人気だったんですよ。パチンコの海物語の画面が韓国の人を虜にしたんですね。

ひろゆき:日本でも割と虜になってますもんね。これは別にパクったわけじゃなくて、日本の海物語の台を韓国に持って行ったっていう事ですもんね。

若宮:釘だけ取っ払ってですね。

ひろゆき:韓国でもマリンちゃん大人気と。

若宮:それで商品券が出てきますよね。店の外に出ますと一坪くらいの小屋があって、これは日本と同じですよ。その商品券を持って行きますと現金に。

ひろゆき:それなんか黄色い看板でTなんとかCとか書いてあるんですか?

若宮:ええまあ、日本と同じように店を出て近くにあるっていう。

ひろゆき:日本と同じでどの換金所でも良いんですか?

若宮:その店のすぐそばの換金所ですね。

ひろゆき:通りにパチンコ屋がいっぱいあったとしたら、どれに持ってけばいいかわかんなくなるじゃないですか。それも一応決まってるんですか?

若宮:決まってたらしいですね。

ひろゆき:じゃあ日本の算定方式と微妙に違うんですよね。

若宮:そうですね。その商品券を現金化する時に10%手数料取られてたんですよ。

ひろゆき:日本の場合も何か減ってる感じありますよね。

若宮:まあそれはあります。

撤廃のきっかけは大統領親族による「海物語事件」

ひろゆき:そこまでシステムとして街中に普及していたのに、何でなくなったんですか?

若宮:きっかけはですね、当時、盧武鉉大統領の時なんですよ。盧武鉉大統領の甥御さんがですね、商品券発行台から出てくる商品券。

ひろゆき:勝った時に出てくる商品券。

若宮:それに絡んでですね、疑惑を持たれまして。

ひろゆき:それは甥っ子さんの会社が商品券を扱ってたっていう事ですか?

若宮:違うんですね。甥御さんがその商品券の発行に絡んで口利きみたいな事をしたと、そっから始まったんです。それからマスコミが大騒ぎになりまして、マスコミがパチンコの被害を糾弾したんですよ、徹底的に。

ひろゆき:ちなみに韓国ではどんな被害があったんですか、パチンコで?

若宮:若者の首吊り自殺もありました。

ひろゆき:それ日本でも聞きましたけど、韓国サイドでもあったんですね?

若宮:放火もありました。

ひろゆき:パチンコ屋に放火?

若宮:すぐ消火したようで、死者とかそういう被害はなかったようですけどね。

ひろゆき:放火があったり自殺があったり、その事件の名前が?

若宮:パタイヤギ事件ですね。

ひろゆき:これどういう意味なんですか?

若宮:海物語事件っていう事で。

ひろゆき:韓国語で海物語は「パタイヤギ」と言うと。それでパタイヤギ事件と。じゃあ韓国では有名なんですね、海物語。

若宮:有名ですよ、本当有名なんですよ。

ひろゆき:じゃあその海物語事件のせいで、大統領の甥っ子がマスコミから文句言われるようになったと。

若宮:そうです。疑惑を持たれるようになりまして。