2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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亀山敬司氏(以下、亀山):じゃあ次、ちょっと適当に後ろにマイク回して。受け取って、喋りたかったら喋ればいいし、いやだったら隣の人に渡して(笑)。おっ、何かある?
中学生:儲けたお金は何に使うんですか?
亀山:そうだねえ〜。ほとんど全部、次の事業に使うよ。生活費は抜いてね。みんなはお金持ちになったら、すんごい生活してるとか思ってるんだろうけど、そんなに変わんないよ。
石川に帰ったときは、レンタカーを借りて、8番らーめん食べて、DVD 1枚借りて、観て、寝るって感じ。
じゃあ、なんで儲けるのかっていうと、俺はビジネスをやるのが好きなんだよ。新しいものを作ったり、いろんな人と仕事をしたり、そうやって稼ぐことがすごく楽しいんだよね。おいしいものを食べるとか、いい車に乗るとかよりも、ぜんぜんそっちのほうがおもしろいね。
君たちは「仕事は生活や遊びのためにやってる」と思ってるかもしれないけど、ハマればこれがけっこう楽しいんだよ。遊びより楽しいかも。
ウチのバアちゃんも今は働く必要がないのに、社員食堂でうどん作ってる。楽しそうにやってるよ。君たちのジイちゃんバアちゃんも働いてない? 人に必要とされるのはいくつになってもうれしいもんなんだよ。
ロボットが増えて仕事がなくなっても、だぶん今の日本なら食べてはいけるよ。生活保護ってのがあるし、将来は国民全員に生活費がもらえるようになるかもしれないからね。
でもさ、何もしなくて、おカネだけ貰うのって嫌じゃない? どうせなら仕事で誰かに喜ばれて、おカネを貰いたいよね。働いて貰ったおカネは、自分の仕事が他人の役に立った証明だからね。
だからね。「仕事」はおカネを稼ぐためのものだけじゃなく、誰かに「いいね!」って言ってもらいたいためのものでもあるんだ。
はい、次行こう。誰マイク持ってるの?
中学生:KC(DMMが運営している地元のビデオレンタル店)に、もっとジャニーズのDVDを置いて欲しいです。
亀山:そうだね、ジャニーズはインターネットの配信をしてないから、DVDで観るしかないよね。KCは品揃え悪いか、やっぱり(笑)。ジャニーズだとDVD買ったりする? お金払う?
中学生:するする、払います!
亀山:そうか。ミュージシャンはCDもDVDも売れなくなってきてるから、買ってあげて欲しいんだよね。でも、お勧めはAmazonだね。たぶんお父さんとかに言って、Amazonで買ってもらったほうがいい。KCより早くて品揃えがいいと思うよ(笑)。
中学生:将来、ビジネスを成功させるにはどうすればいいですか?
亀山:やっぱり人がやらないことをやっといたほうがいいよ。たぶんこの中にもちょっと浮いてる奴っているんじゃない? やることがちょっと変わってるとか、空気読めない奴とかっていない?
でもね、空気読めない奴ってのは、そいつがおかしい奴なのか、実は周りがおかしいのか、わかんないわけよ。でも、みんなは多数決をとって40対1になった時に、40人の側につく方が安心するじゃない。どっちが正しいか迷っても、1人の味方になるのは勇気がいるよね。
事業をやりたかったら、そういう孤独になれる勇気が大事だね。だってみんなと同じ考え方で、同じ方向行っててもさ、その中で新しいことはできないじゃない。
別にあまのじゃくになればいいってわけじゃないけど、今だと英語を勉強するより、人のやらない中国語やスワヒリ語を覚えたほうがビジネスではうまくいきやすいよ。
みんなの中でさ、ちょっとはぐれて寂しい思いをしてる奴もいると思うんだ。そんな奴は「俺、居場所ないんじゃね?」とか「自分はなんかおかしいのかな?」とか、思ってない? でも、大丈夫だよ。オレも中学生のときは友達が少なくて、仲間外れだったんだ。だけど、大人になったらちゃんと仲間ができたよ。
結局さ、君たちのいる世界っていうのは今、自分の家と、この学校の2つぐらいしかないよね。あとは行き帰りの道。そんなすごい狭い世界の中で生きてると思うんだ。
でもね、大人になると、いろんなところに行けるし、いろんな人に会えるよ。必ず同じ思いの仲間に出会えるよ。
大人はいいよ〜。自分で稼いだお金は自分で使えるし、行きたいところにも行ける。今だとみんなは、お母さんお父さんの言うこと聞かなきゃいけないだろ。
でもそれはね、親が正しくてキミたちが間違っているからじゃないんだよ。君たちが親の世話になってるからなんだよ。食わせてもらってるから自由じゃないんだよ。
だから、早いとこ自分で稼いで、自分で生きていけるようになりな。そしたら自由が手に入るよ。自分の思うことができるし、自分にとっての正しいことができるよ。だから、たまに「ずっと子供でいたい」とか言う甘ちゃんもいるけど、大人のほうがぜんぜんいいからね。
中学生:死ぬまでにやっておきたいことはなんですか?
亀山:そうだね、宇宙に行きたいかな。やっぱり1回見ときたいかなって思う。だって、今すごい長い歴史の中でさ、何万年と続いた人類の歴史の中で、宇宙に行けることなんてなかったんだよ。
たぶん、君たちは生きてる間に宇宙に行けると思う。海外に行くみたいな感じでね。俺はちょっと微妙かな。君たちより40年早く死んじゃうから、行けるような行けないような歳だね。
中学生:加賀市に遊園地を作ってください。
亀山:加賀市に遊園地作ってもなかなかお客が来てくれないんでね。今、水族館を作ろうと思ってるけど、やるんなら東京か中国だね。バブルの頃に加賀市にも遊園地や時代村なんてのもできたけど、潰れちゃったしね。ちょっと無理かな。はい、次!
中学生:加賀市に映画館を作ってください。
亀山:映画館か、なんでも作って欲しいんだね(笑)。やっぱりみんなは加賀市にいるし、加賀市っていうのはとても大事だよね。自分は加賀市にずっと住んでこうと思ってる人は手を挙げてみて? 東京とか海外とかに行きたい人は? ん? どっちなんだお前、どこ?
中学生:火星。
(会場笑)
亀山:火星に行きたいの? いいと思うよ。これくらい大きいことを言って欲しいよね。君らの時代だったらぜんぜんあるよね。
火星とか言ったら笑う人もいるけど、自分が想像できない世界へは行けないからね。自分の世界が今ここだけだって思うとさ、すごく狭くなっちゃう。火星も絶対見といたほうがいいよ。
だから、この町が好きだとしてもさ、とにかくいろんなところへ行って、いろんなものを見て、いろんな勉強して、持って帰ってきたほうがいい。そのほうが結局この町も良くなっていくと思うんだ。まあなんにしても、とりあえず映画館も遊園地も作らないね。はい、次。
中学生:動物園を作ってください。
(会場笑)
亀山:おいおい、話聞いてるのかよ。この話の流れでそれを言う奴もいないけどな(笑)。
先生:だんだんと質問というよりは、おねだり大会になってきました。そろそろこの辺で、終わらせていただきたいと思います。
亀山:大人になったら、頑張って稼いで、自分たちで作りな〜(笑)。
先生:それではみなさんのために遠くから来ていただいた亀山さんにもう一度大きな拍手で、今日はありがとうございました。
(会場拍手)
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