動物たちの感情と涙

マイケル・アランダ氏:数年前、Zhuang Zhuangという象がヘッドラインを騒がせました。それは動物の赤ちゃんが泣いているというものです。でも本当に泣いていたのでしょうか? 一般的に動物は泣くのでしょうか?

答えはイエスです。水分を目から出すという意味では、目の健康を保つために人間も動物も涙を流します。ゴミが入った時など、角膜をうるおわせ、とにかく清潔にするのです。そして洗い流します。

Zhuang Zhuangは人間のものに似たものを流していたわけなので、泣くかと言われればイエスです。しかし本当の問題は、Zhuang Zhuangは感情的に泣いていたかということです。

科学者は動物が感情的に泣くと考えてきましたが、逸話的な証拠に過ぎませんでした。

チャールズ・ダーウィンは『Expression of Emotions in Man and Animals』という本を書いています。人間のような感情を見せて泣いたとされるアジアゾウのチャプターもあります。

そう考えたのはダーウィンだけではありません。母と離れたアカゲザルや迷子の犬について分析した人もいます。

しかし多くの動物行動主義心理学者は、つながりの欠如やストレスが原因であり感情的反応ではないと考えています。

動物が感情的に泣くということを科学者がはっきりさせていないので、悲しそうな動物は感情的に悲しんでいるということが言いにくいのです。動物に直接聞ければ楽なのですが。

それをやっているのが神経科学者です。猿、犬、ネズミなどの脳をスキャンすることによって、人間が感情を感じた時の脳に動物の脳が似ているかを調べているのです。

今のところ、人間が恐怖、怒り、喜びを感じた時の脳波に動物の脳波が似ていることがわかっています。2013年には、日本の研究で感情的なイメージを見て、チンパンジーが人間と同じ脳のパターンを見せたという報告がありました。

言葉にはならなくても、同じことを感じているかもしれないのです。泣いているから感情を表しているかどうかなど、動物の考えていることはわからないかもしれません。しかし生理的反応が、似たような脳のパターンに関係しているとは言えそうです。つまりは感情的な涙ということです。

ダーウィンはわかっているのかもしれませんね。