火の4要素とは

マイケル・アランダ氏:嫌な臭いを感じて見てみると、ベーコンが燃え上がっている……。すぐに消火器を持ってきて吹きかけましたが、適切な消火器だったのでラッキーでした。

燃料によって作り出す炎の種類は違います。それぞれ特定の方法で消火されなければいけません。炎と消火媒体によって、火がさらに広がることもあります。

火は、酸素と燃料の科学的な燃焼反応によって発生します。燃料は木、鉄、油といったものが考えられます。十分な高温に温められた時、それを着火温度と言いますが、その時に酸素があれば火が発生するのです。連鎖反応が火の温度を高め、燃え続けることになります。

酸素、燃料、熱、化学連鎖反応、これらを火の4要素と言います。

消火器は、これらのうちの1つの要素を取り除くことにより機能します。消火器がなかった頃は、水が使われていました。火の4要素の熱を水が取り除くからです。

しかし火の強さと燃料によっては、水が火を消すのに十分とは言えないのです。多くの国に消火システムがあるのはこれが理由です。燃料によって火を分類しています。

アメリカでは、5つのメインの分類はA、B、C、D、Kです。

Aは木、紙、服、プラスチック、ゴムといった一般的な燃料です。分類Aの消火器は分類Aの火を消火できます。分類Aの消火器で一般的なのは水です。つまり分類Aの火には水で十分ということです。

分類Bの火は、ガソリン、塗料、またはプロパンとといった可燃性のある液体です。水性の消化器は分類Bの火には使えません。なぜなら燃料と火を広げてしまうからです。しかし火の酸素をブロックできる消火器ならなんでも有効です。

分類Cの火は電化製品やモーターなどによって発生するものです。水は電気を通し水の上にいる人を感電させてしまうので、水は消火に使えません。

分類A、D、Kの消火器には水が含まれるので、分類Cの火への使用は危険です。しかし、 二酸化炭素消火器は分類BとCの火に有効です。酸素を二酸化炭素へと変換するからです。火を広めることなく酸素を奪います。

消火器から二酸化炭素が発生した時、拡散するため温度を下げ、これが火の熱を下げるのにも役立ちます。

一般的な消火器はABCに対応

家庭で使われる一般的な消火器は多目的乾燥化学消火器といい、ABCの火を消すことができます。

これらにはリン酸が含まれています。これは肥料にも含まれているものです。リン酸は火の燃料に、可燃性でないブランケットを放ち、酸素から隔離し、火を沈めます。

マグネシウム、チタン、ナトリウム、カリウムといった可燃性の金属による分類Dの火は、乾燥化学消火器では消すことができません。

ナットやボルトといった鉄のパーツを生産する機械工場は、分類Dの火のリスクが極めて高いです。なぜなら鋳造する時の火花で点火する鉄くずが発生するからです。

可燃性の鉄は乾燥化学消火器に激しく反応し、待機中に有毒ガスを発生させます。ABC消火器の高圧スプレーは鉄くずを吹き飛ばし、火を拡散させる可能性があります。鉄に火がついたら、分類Dの消火器は必須です。

分類Dの消火器は乾燥粉末消火器とも呼ばれ、弱い圧力で噴射するため、金属が飛び散りません。さらにグラファイトや塩化ナトリウムを含むので、燃える金属に反応しません。燃料を酸素から引き離し、火の熱を吸収します。

最後は分類Kです。分類Kの火は、油や脂肪をもとにして燃えます。レストランやキッチンに存在するものです。油や脂肪の酸は乾燥した化学物質から泡のブランケットの生成を妨げ、鎮火します。

水の分子は油に触れると広がり激しい水蒸気の爆発を起こします。さらに水は油を弾き火のついたコンロに飛ばすので、着火して火が広がります。

分類Kの消火器にはアルカリ、またはベーシックな調合成分が含まれます。これらの調合成分が油の酸とつながり泡のような層を作り、火を消火するのです。

どの火がどのタイプかは難しいですが、こう覚えてください。AはAsh、BはBoil、CはCurrent、DはDense materials、KはKitchen、これであなたのベーコンも消火できます。