デジタル時計はどうやって動いている?

マイケル・アランダ氏:自分で電子機器を、とくにデジタル時計を作ろうというのが今週(動画公開当時)のニュースになっています。これに関してはみなさんたくさん話すことがあるようで、Tumblr(タンブラー)からホワイトハウスまでこの話題で持ちきりです。しかしここ「SciShow」では、実際どのような仕組みでデジタル時計が動くのかを見てみたいと思います。

1つ目に、電源(動力源)が必要です。これは、バッテリーや壁に通っている電線にあたります。もっとも多く使用されているデジタル時計は、時計に電流が流れ込む前に、電力供給量を減らす変圧器のついたプラグを使用しています。さらに、動力の予備として9ボルト電池に接続できます。

2つ目に、一定期間のインターバルを数える「拍」が必要です。これは、時計が正確に作動するために大事なものです。昔よく使われていた振り子時計では、振り子が揺れると拍が作動する様になっていました。

しかしデジタル時計では、振り子時計とは少し異なる方法、つまり電気によって拍が作り出されています。

1つの例として、水晶発振器を使用する場合があります。クオーツ(水晶の結晶)のかけらは、電流に結合した時、一定数振動します。または、電線を通して流れる電流の振動を計測する、電気回路を使用する場合があります。

これらの振動はヘルツという単位で表され、1秒ごとの周期で計測されます。したがって、あなたの時計が60ヘルツで動くなら、電力は毎秒60回振動するということになります。

これらの振動はちょうど一定で、電子機器に流れ込む電気の量に振動が組み込まれています。デジタル時計は正確に動くために、これらの振動を数えているのです。

3つ目に必要なのは、拍を異なる時間の単位に分ける方法です。機械時計では、ギア(歯車)を使っています。それぞれ異なるギアが振り子から「時」を指す針、「分」を示す針、「秒」を示す針につながっているので、一定量の振動でそれぞれの針は異なるように動きます。

もちろんデジタル時計はギアがありません。その代わりに、拍を数えるチップがあり、拍の数をそれぞれの時間単位へ変換する計算機のように働くのです。

つまり、1秒に60回脈打つシグナルがあるなら、チップはその振動を数え、60回ごとに1秒過ぎることを記録します。3,600回の振動毎に1分、216,000回の振動毎に1時間といったように記録します。

最後に必要なのは、計測器と通信し合える個々の通信回路を持つ、LEDスクリーンのような時計のディスプレイです。この通信回路は、どれぐらい時間が経ったかに基づいて何を表示するかをスクリーンに映し出すというシンプルなプログラムで作動します。

例えば、秒を計測する部分が10に到達したとき、プログラムは特別な領域に「1」と「0」を表示するよう働きます。そして計測器が59に到達したとき、その周期は0に戻ります。これが必要なものすべてです!

電源、拍、拍をそれぞれの時間単位で測定できる計測器、そして計測器によって作り出される数字を、どのように処理するかを伝える通信回路があるディスプレイ、以上これらがデジタル時計で必要なものです。

現代のハイテク技術は、驚くことにとってもシンプルなのです。