ビーチの焚き火から始まった巨大イベント「バーニングマン」
参加者に“自立”を促すその精神とは

マリアン・グッデル at TEDxTokyo 2014 #1/2

バーニングマンは米国の荒野で年に1度、約1週間に渡って開催される巨大イベント。何もない砂漠に街を作り上げ、新たに出会った人たちと共同生活を営み、自分を表現しながら生き抜いていく。そして一週間後には、すべてを無に還す。

バーニングマン主催者のマリアン・グッデルは1995年が初参加。すぐにイベントの魅力にとりつかれ、広報とマーケティングの担当者として支援活動を続けてきました。現在は9万人以上のメンバーが参加するメーリングリスト、ウェブサイト、ブログなどの管理をはじめ、世界各地の開催会場との橋渡し役を務めています。マリアンはバーニングマンの架空都市「ブラック・ロック・シティ」の精神、そしてバーニングマンの10大原則について話します。(TEDxTokyo 2014 より)

砂漠で行われる一大イベント、バーニングマン

マリアン・グッデル氏:私は1996年以降、バーニングマンで働いています。バーニングマンでは、私は"文化の調整係"として働いています。バーニングマンというのは簡単にざっくりと説明すると、ネバダ州にあるブラックロック砂漠での大きなフェスティバル、集まりです。地図で示すとこちらになります。ネバダ州ブラックロック砂漠に、7万人の人が集うイベントです。

そして、イベントの最後には人形の木を燃やします。イベントの目的としては、よりクリエイティブに、より人が繋がるように助けるということ。今日のスピーチは「ぜひバーニングマンへ来てください」と言うために来たのではなくて、このバーニングマンというイベントがなぜ、世界のどこでも、いつでもできるのか。なぜそういったことが可能なのかをご紹介するために説明しました。

文化というのは共同体、助け合いの精神です。日本文化と似ていると思います。助け合い、互助精神というものがあります。私はバーニングマンについて、世界中でお話しています。「バーニングマンに行きたいんですけれども」とよく言われるんですが、残念ながらキャパシティの限界がありますので、それ以上はお招きできません。

ですので、バーニングマンに来た人は、ぜひこの体験を、バーニングマンというものは単なるイベントというだけではなく、生き方そのものだということを話してください。自分の見方を考える機会だ、というふうに伝えるようにお願いしています。

バーニングマンは行動範囲を動かします。コミュニケーションのしかた、人との繋がり方に大きな変化をもたらします。これは社会的な実験場とも言えます。バーニングマンで体験する喜びや体験というのは、その後、家に帰っても育てることができます。家では、砂漠や寝れない夜、交通渋滞に巻き込まれることなくバーニングマンの体験ができます。毎日の生き方に、このバーニングマンの精神をもたらすことができます。

9日間で参加者に「自立」を促す

(画像は)運営者ですけれども、運営者は最低限のインフラしか提供しません。ビールの屋台も食べ物もありませんし、水も販売していません。そしてゴミ箱はありません。ただ、運営側としてやっているのは、運営原則として「自立」ということを促しています。そしてその自立を促すことによって、自分自身の本当の姿を見つめることができます。

それは人の人格、特性というものに気付くこと。そして他の人と触れ合うことによって、類似性を見つけることがあります。そして自分と繋がるグループを見つけることができます。それによって、この大きな共同体を作ることができます。9日間のイベントです。

ただ、このコンテンツは参加者主導型のアートフェスティバルです。

最初の始まりはゼロでした。全くのゼロからのところから数百人のスタッフ、運営者がインフラを立ち上げました。

まず最初にすることは、フェンスを作るということです。これは大体腰の高さのフェンスを、15キロくらい作ります。

そのフェンスの中にはラジオ局もあります。空港もあります。道路もあります。

そしてここに、7万人の世界中からの参加者が繋がって何かを生み出す、こうした共同体というものを9日間実施します。

この協力の結果、どんなことが起きるでしょうか? 

この(共同体に)協力、貢献することができるのです。そしてもっともっと貢献したいというふうに感じます。そうするとその気持ちが日々の日常にも戻ります。

ネットも携帯もお金も使えない。だから新しいことが試せる

ただ、日々の生活には非常に多くの問題があります。やはりお金を稼いで使うことで、日々の生活というのは回っています。バーニングマンのイベント中は、お金というものはありません。ネットも携帯も使えません。お金も使えません。参加者が買えるものはコーヒーと氷のみです。つまりお金が使えないということによって、実際に新しいことを試す機会があります。

例えば、こんなことがあります。大きな綱があったとします。そしてその綱を引き始めると、気付いたら自分の周りに300人の人が、この大きな大きな綱を、このトロイの木馬のようなものを砂漠の中を引いているということがあります。

これは生活の中での実験場です。地上の中で、こんなところは見たこともない実験場だというふうに言っています。個人と、そして共同体のありかたとのバランスを考えるところです。

そして私たちはみなさんに、社会人らしく責任感を持って生活するようにお願いしています。

ただ、全員がバーニングマンに参加したいと思ってもキャパシティの問題がありますので、できません。そこで、この6人のリーダーの人たちがあるアドベンチャーを考えました。そして2011年にこのバーニングマンの組織を見直しました。その時は民間というよりも個人事業だったんですけれども、この個人事業をNPO法人にすることに決めました。営利目的ではない、NPO法人にすることが2011年にできました。そして2011年から3年かけて、今はバーニングマンプロジェクトという19名の理事がいます。

これはNPO法人です。このNPO法人のミッション、目的というのは、このバーニングマンでの体験、つまり繋がる文化というものを世界に拡散するということです。我々は、人の繋がりのネットワークです。

そして(NPO法人の目的は)この人々を繋げるということ、そして、このバーニングマンでの体験がいかに素晴らしいか、ということを世界に広げること。これはアメリカだけでのことではありません。実際に今世界中で展開されています。

そして実際に今、世界には225名の各地域担当リージョナル・コンタクトがいます。28カ国から、6大陸を代表するメンバーです。

日本にもバーニングジャパンの組織があります。

昨年ですけれども、220人の人や友達が集まって、千葉県のビーチ、海岸で美しい不死鳥、フェニックスを作りました。

そしてイベントの最後にはこの不死鳥、フェニックスの像を燃やしました。このネットワークは、どんどんどんどん日本でも増えています。拡大しています。このバーニングジャパンのようなところをサポートできるように、我々はツールを提供しています。

最初に我々は自分たちのイベントをよく考えて、また他の事例も考えて、世界でどんなことがあるのかを考えました。「バーニングマンの精神を突き詰めると何だろう? なぜ成功しているんだろう? なぜ他のところにも展開できるんだろうか?」ということをよくよく考えたら、その答えは、なぜバーニングマンが成功するかの秘訣、「バーニングマンの10大原則」に行き着きました。

「バーニングマンの10大原則」とは

この10大原則というのは全て相互関係になっています。

例えば、この1つのアートプロジェクトですけれども、70名の芸術家、芸術経験のない人が、このロケットを6カ月かけて作りました。大人も子どもも、このロケットの中に入って、ロープもなく作業しました。そして「このロケットはそのうち発射するんだ」なんていう冗談もありました。ただこのロケットは、その後世界中に持って行って展示されました。

サンフランシスコのウォーターフロントでも展示されました。これはまさに自立して、そして協力した参加型の体験の象徴です。もう1つの事例をご紹介しましょう。

数カ月間の災害支援も行うバーニングマン

それは災害支援です。2005年にバーニングマンのイベントを実施していた時に、ハリケーン・カトリーナが、ルイジアナ州、ミシシッピ州の湾岸に大きな被害をもたらしました。その時、お互いを知ることがない仲間たちが「助けたい」という気持ち一心でキャンプを作って、そしてバーニングマンで学んだ10大原則を実践して、数カ月もこの災害支援をしました。数カ月後、本当にこの結びつきが多く、強くなって、そして自分たちに「Burners without borders」といった呼び名をもたらすことになりました。

このBurners without bordersは、まさにこの社会人としての責任感を果たした生活者、といった実践です。

だれでも参加できます。参加して、協力して、コラボレーションできるんです。

災害被害だけではありません。共同体の地域サポートもしています。ペルー、ハイチ、そしてアメリカでもいろいろな活動をしています。また、日本でも3月11日の東日本大震災の後に災害支援をしました。

始まりはビーチの焚き火、いまや30億円規模の事業に

1995年に私は初めて体験しました。その時に私の人生観が変わりました。その時に私はもっと人と繋がりたい、協力したいと感じました。96年に運営者の人たちと会って、この繋がりがある文化を世界に広げたいと思いました。その17年後、この大きな事業、現在30億円規模の世界組織を運営することになるとは17年前には思いませんでした。

始まりはサンフランシスコでした。ラリー・ハーヴェイとその仲間たちが人型の「マン」と呼ばれるものを作って、そして1986年の夏至の最後に燃やしたことが始まりです。

そして1990年になると砂漠に行きました。一晩のビーチイベントがこの砂漠でのイベントになりました。

そして2014年には7万人が集っています。協力して繋がっていく場所はアメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠です。

そして何千人もの人々が、このバーニングマンイベントに参加しました。ただ、全員がここでのイベントに参加することはできません。ですので、こうした参加者というものが語り部となって、この体験を世界中でもできるようにしています。私たちに共通していることは知識です。それはバーニングマン10大原則です。

だれでもオープンであること。そして自立するということ。こうしたものがバーニングマンの10大原則、カルチャーの精神です。

最後にみなさんに一つ、質問を投げかけたいと思います。もし、自分がもっとクリエイティブでもっと人と繋がることができれば、あなたは何がしたいですか?

(会場拍手)

<続きは近日公開>

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