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「ブレない自分のつくり方」 ~上司は教えてくれないキャリアアップ術~(全7記事)

「人生は打率じゃない、大事なのはヒットの数」元甲子園球児の起業家が語る、“輝ける場所”の見つけ方

『人生のパイセンTV』を手掛け、当初29歳でフジテレビ史上最年少演出家となったマイアミ・ケータ氏と、元甲子園球児、サイバーエージェント子会社取締役を経て20代で起業した株式会社レーザービーム代表・福山敦士氏。厳しい世界で早くからキャリアを積み上げてきた2人が、人生を輝かせるための考え方について語りました。

ライバルはNYヤンキース・田中投手

司会者:次の質問は、福山さんに向けた質問かなと思います。「起業はいつから考えてましたか? また、起業してよかったことはどんなことですか?」という質問です。お願いします。

福山敦士氏(以下、福山):起業することについては、田舎のおばあちゃんに「サラリーマンになりなさい」と言われた時から考えていました。なので、だいたい小学生ぐらいの時です。「サラリーマン? なってやるもんか」と思っていました。あんまり言葉になってなかったですけど、反発する気持ちとしてはそのくらい。それで、社会人になる前、大学の時も社長になりたい(起業したい)という気持ちがありました。

最終的に入った会社、サイバーエージェントのなかで「大きい部署というよりかは子会社に入れてください」と。「そこで僕、社長やりたいんです」という話をずっと宣言させてもらって、社長じゃなく取締役だったんですけども、それに抜擢していただくことができました。

サイバーエージェントは本当にいい会社なので、いるとめちゃくちゃ居心地いいです。なんなら、ずっと成長して……。業界も成長するし、会社も成長してるので、普通にがんばっていればめちゃくちゃ自分も活躍した気になっちゃうんですけども、それでも起業しました。

独立したきっかけとしては2つありまして、1つは父の死でした。2年前に親父が死にました。62歳で死にました。その親父、(福山氏にとっての)おじいちゃんですね。おじいちゃんも60歳で死んだんですね。ないとは思いますけど、僕も60歳で死ぬと考えたら、あと半分ぐらいかみたいな恐怖にかられました。

それをリアルに考えたことがあって、その時に年表を引き直しました。これが2つ目です。未来年表ですね。過去の年表じゃなく、自分がこの先どういう生活していたいのかとか、どれぐらいの影響力を持つかとかいうのを書いていった時に、「このペースじゃ間に合わないな」と気付いたんですね。

僕は、田中マー君(プロ野球選手の田中将大氏)がまだまだライバルと思ってますんで。今はわからないですけど、彼が大リーグ行く時に23億円の値がつけられて、自分も23億超えなきゃなと(笑)。そこを目指していた時に「会社にいたら無理だな」とシンプルに思ったので、出ようと思いました。なので、共通してるのは感情的なところですね。

起業してよかったところというのは、とくにないです。してもしなくても正直僕は、やりがいを感じやすいタイプなので、どっちでもよかったかなと思ってます。独立する前後で、あんま気持ちは変わってないです。

昔からずっと自分で会社やってるという気持ちでやってきたので、独立した後も、多少は怖かったですけど、あんまり焦りとかはなかったです。成功体験・失敗体験の記録をブログに11年間書き続け、1日1センチでも成長するという気持ちでやってきたので。

「たまたまできた」とか「運がよかった」が嫌いなので、どんな状況でも、絶対にできる自信を学生時代からずっと積み重ねてきました。

社会人1年目は人生の23年目

僕は「社会人1年目は人生の23年目」だということを学生に向けてよく話しています。「社会人1年目」という言い方をしてると、一生40歳のオジサンに勝てないなと思っていて。

要は、人生で野球をしてきた時間のほうが長いのに、そのキャリアを生かさないのはナンセンスなんじゃないかなと思うんですよね。

(学生時代)野球では、ちゃんと目標掲げて、現状とのギャップを埋めていくみたいなことをずっとやってきた。社会人1年目でも、人生としては23年目だから、「僕、そうやって生きてきてます」という自己紹介した時にけっこう信頼を獲得できたという背景があったので。学生時代のキャリアはちゃんと伝えたほうがいいなと思います。

前職時代は、あんまり野球の話をしなかったんですね。(以前は)盛り上がって仲よくなったら「実は僕、野球やってました」みたいな話をしてたんですけれども、今はあえて「野球やってました」と、はっきり言います。

僕、27歳なので、社会人でいうとまだ6年目なんですね。なんですけど、人生としては27年間やってきていて、ずっとその目標設定・目標達成をし続けてきてるから。だから「目標達成のプロフェッショナルなんです」という言い方ができます。

なので、話を戻すと、もう最初からそういう気持ちでやっていってたので、あんまり独立した後も気持ちはそこまで変わんないなというのが正直なところです。答えになってますかね?(笑)。

司会者:ありがとうございます。マイアミさん、なにか今後起業するとか(の予定は)……?

マイアミ・ケータ氏(以下、マイアミ):まだわかんないです。

司会者:わかんないそうです(笑)。ありがとうございます。

目の輝いている人と仕事をしたい

次の質問が最後になりますが、すごく興味深い質問なので、お2人からぜひお話いただきたいと思います。

「結局、どんな人と一緒にお仕事したいですか?」。みなさんもすごい興味があるかと思うので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。マイアミさんからお願いします。

マイアミ:これは一言で言うと目の輝いてる人ですね、確実に。やっぱり日々行動してる人とか、夢持ってる人とか、自分に自信がある人は目を見れば1発でわかるんですよ。「この人やべーな」「こいつ、たぶん活躍するな」と。

だから、さっき10秒でわかると言いましたけど、ガッと相手と目を合わせた瞬間にだいたいわかります。それで、一言話せばわかります。「こいつ、俺と合うな」とか「こいつと働きてえな」と。

その輝いた目を持てる人材はどんな人なんだろうというと……。学生時代に電車に乗ってると、サラリーマンがみんな死んだ目をして乗ってるわけですよ。「俺、絶対こういう社会人になりたくねえな」と思ったんですよね。

死んだ目の……酔っぱらってるのかもしれないんですけど(笑)。死んだ目をして電車にぶら下がりながら、ガーガーいびきかいてる太ったオジサンを見た時に、「俺、絶対こうなりたくねえな、20年後」と思ったんですよ。

やっぱり、いつまでもかっこよくて輝いててキラキラしてる大人。それで、デカい背中。「そういう大人になって、後輩に勇気与えてえな」と思ったんです。だから、僕はそういう後輩を探してるんで、そういう目の輝いてる人はすごく魅力的に思えるんですよね。そういう人は日々の生き方、時間の使い方が絶対違うと思うんで、そこを私は見ます。

福山:僕は、感覚が合うかどうかです。決断において、感情を大切にしてるので、「なんかいいな」「一緒に働きたいな」と思ったら、僕のなかではGOサインです。具体的な例を話すと、先週、営業に来てもらいました。会社のホームページ、一応僕が自力で作ったんですけども、すごくダサくて(笑)。「会社のホームページ、作り直しませんか?」と営業受けたんですね。

彼は25歳かな。熱心に僕の話を聞いてくれて、ブログも僕の書き方をすごくベンチマークしてくれて、「実は僕も野球やってました」みたいな話をされた時に、「じゃあ、お願いするわ」と言って、「○○万円」みたいな見積り出されて、「じゃあ、お願いします」とその場で答えました。初対面です。

一緒に働くパートナーは、感覚で決めていいかなと思っています。なんでそういう決断をするかというと、決めたことを正解にする自信があるからです。

正直、どの会社にお願いしても自分がその決断を正解にできる自信がある。お願いして、自分が責任を持って、答えを正解にしていくということができると思ってるから、最初の決めは正直なんでもいいからと思っています。なので、僕の場合は感覚で決めて、「合いそうだな」「横浜出身です」とか……。僕、横浜出身なんですけれども、「なんか同郷が」と話したら、その場で「いいよ」みたいな。

「じゃあ、もう任せるから。その代わり、この仕事を通じて一緒に成長していきましょう」ということを、自分はいつもメッセージとして伝えています。あんまり「条件はこの3つです」みたいなことはなくて、感覚的に合うかどうかというところを重視しています。なぜなら、自分が決めたことを正解にできる力があると思ってるからです。こんな感じですかね。

自分の人生を戦略的に考えるための一冊

司会者:ありがとうございます。(事前に集めた)質問は以上になるんですけど、改めて今日のセミナーは、「常識破りのセルフプロデュース論」「自己ブランディングの考え方と実践」「人と差をつけるキャリアの作り方」、この3つを意識していただいて、お話をしてもらいました。お2人はすごく似ているなと思いましたし、つねに自己鍛錬されてるんだなということを非常に感じました。

みなさんの質問をいくつか拝見させていただいて、僭越ながら私が知るなかでどんな本を紹介したらいいかなと思ったんですけど、『白いネコは何をくれた?』という本がありまして。これは戦略ベーシックといって、自分の人生を戦略的に考える本です。

お2人に共通していたのが、原理原則ですよね。自分がなにをやりたいかということに紐づいてやってきていらっしゃるなと、すごく感じました。

その本にも、「小さい頃の自分を知ってる人に話を聞いてみよう」とか書いてあったりするんですけど、僕も会社のメンバーだったり、上司や部下の人にこの本をすすめてるんです。広告代理店の物語的な本なので、別にこの本の著者ではないんですけど、すごく参考になるので、見てみてください。

白いネコは何をくれた?

それでは、全体をとおしてなにかご質問があればと思います。まだ時間もございますので、挙手していただけるとありがたいです。たぶん、気持ち的には挙手してそうな……。(会場一角を指して)リクルート服を着ている……。手、挙げていただいていいですか。

(会場挙手)

じゃあ、お願いします。

質問者2:○○です。最後に、目の輝きの話されてたんですけど、例えば今、目が輝いてないという人がいても、今後の生活次第では輝くようになるというか、輝きは取り戻せるものなんでしょうか?

司会者:今ので言い切りました? 大丈夫ですか? ポイントはなにを聞きたいか。

質問者2:自分には可能性があるのかなという。

(会場笑)

「自分なんて」とフタを閉めるのはもったいない

マイアミ:もちろん大丈夫ですよ。それを輝かせるために日々生きてくわけですよ、僕ら人間は。大丈夫です。

輝かせるためにおすすめなのは、やっぱりいろんな世界を見ることですよね。僕はテレビの世界にいるんで、必然的にいろんな世界の人とふれ合えるんですけど、「世の中にこんなものあるんだ」とか。知らないものを見ると、人間は不思議な感情でなんか燃えるんですよね。

例えばですけど、好きな人ができるとするじゃないですか。好きな人ができた時は、すべてがハッピーになりません? つまんねえこと、今までは退屈だった時間とかもすごく楽しくなったり、そんな感覚です。常にやることがあったり、「俺、こんなことしたいな、あんなことしたいな」とか、希望に満ちあふれることなんですよ、目の輝くことは。

よく社会人で過去の話しかしない人がいるんですけど、そういう人は必ず目が死んでるんですよ。「あの頃よかったよな」とか言う人ね。僕が一番嫌いなタイプの人。過去なんてどうでもいいんですよ。大事なのはこれからの未来で。

だから、僕は未来のことを話せる人としかそういう話はしない。過去のことばっかり言ってる人とは飲みに行かないです。つまんないから。話が合わないから。時間がもったいないから。

そんなこと話してるぐらいだったら、「俺、これからこんなことやりたいんだよね」「こんなことして、楽しそうじゃない?」とか話してると、自然と人はおもしろいこと考えてるから輝いてくるんですよ。テンションも上がってくるし。そうすると楽しくなって、「よし、明日もがんばろう」となるわけですよ。

俺と一緒にいる奴も「よし、がんばろうぜ」となるわけですよ。福山なんて、まさにそう。学生時代に、とくにしゃべったことないですからね(笑)。

(会場笑)

(福山氏に向かって)ねえ? 不思議なもんで。クソまじめな子だなと思ってたの。ひたすら1人で自主練して、なんかピッチングの練習してるんですけど。「あいつはすげえまじめだな」とか思ってて。だけど、しばらく何年も会ってなかったのにふとした瞬間に会って、なんかお互いの将来のこととか話してたら、「おまえ、俺と一緒じゃん!」みたいな。

そう考える人の周りには必然的にそういう人がどんどん集まってきますから。だから、グチしか言わない人のところにはグチしか言わない人しか集まらないし、「これからがんばろうぜ」と言う人のもとに必然的にそういう人が集まってくるし。そうやって、さっきも言いましたけど、意識を変えると人生変わるんですよ、マジで。だから、「俺、目輝かせたい」、「明日から楽しく生きたい」と思ってたらそうなるんですよ。

それはもう、いくらでも今すぐに変えられる。ここで質問した瞬間から変わってますから。だから、今まで、昨日までできなかったこと、さっきまでできなかったことができたら、もうそれは輝いてますから大丈夫なんですよ。

人間、そのまんまでいられる人なんて絶対いないですから。絶対にみんな進化してるんだけど、「自分なんて」と勝手にフタ閉めちゃうんですよね。それがすごいもったいないなと思ってて。

絶対に現状維持の人なんていない。そしたら、人間なんてもう退化していなくなってるはずなんで、絶対に進化してきてるんですよ。だから、を勝手に自分の可能性にフタしないでください、みなさん。僕はそれをすごく言いたくて。ADさんとかも本当はもっと活躍できる子いっぱいいるんだけど、勝手に自分でフタを閉めちゃうんですよね、「僕なんて」と。

「僕なんて」という発想が一番もったいないですから。だから、「僕なんて」とか「私なんて」と少しでも思ってるんだったら、そのフタを取っぱらってあげること。「私ならできる」という考え方にしてあげる。(質問者が)「僕、可能性が知りたいです」と言ったけど、その可能性にかけれる男になりなさい。1パーセントしかなくても。その確率よりも可能性を選ぶ男になりなさい。もう、それが一番。

人がなんと言おうが関係ない。やればいいの。前提がないんだったら、自分がやって道を作る。そうすれば人はついて来るから。もうそれだけです。だから、いくらでも輝けるし。そうすると楽しい。

人生は打率じゃなくてヒットの数が大事

福山:会社経営と人生は僕、一応別で考えています。会社経営は打率が大事だと思ってます。ヒットの確率。でも、人生は打率じゃなくてヒットの数が大事だなと思ってるんですね。打率を気にすると、どんどんチャレンジできなくなってきます。打席が増えれば失敗の確率も増えちゃうから。でもヒットの数は、打席が多いほうがいいに決まっている。

昔、ユニクロの柳井(正)さんが出した『一勝九敗』じゃないですけれども、人生って、どっかで勝てばいいかなと思っていて。そうすると打席、チャレンジの数は絶対多いほうがいいんですね。そのチャレンジの数を増やせば増やすほど、おそらく自分のやりたいことだったりとか、自分の輝ける場所というのは見つかってくるんじゃないかなと思っています。

一勝九敗 (新潮文庫)

例で言うと、僕、1ヵ月100件営業に行くことを4年間続けてるんですけども。要は、100人とずっと会い続けてるんですね。それを続けることによって、合う人・合わない人とか、こういう考え方もあるのかと気付いて。

打席をずっと増やすことで結局、成約率みたいなものはそんなに上がらないですけれども、成功数は確実に積み上がっています。自分の可能性はどんどん広がって、「ここだ!」と決める決断力はどんどん洗練されてるなという気はしています。

なので、1個のヒットを得ればいいと考えれば打席の数は絶対多いほうがいい。そういう意味で「若い」ということがそもそもの武器になってます。なので、今からチャレンジの数を増やすのがいいんじゃないかなという気がします。結局、人は仕事で磨かれていくんで。

あと、もう1個言わせていただきますと、マイアミさんがチラッと言ってくださったんですけども、付き合う人ですね。周りの人によって、けっこう自分が影響されます。いくら意識とか気持ちの面で考えていても、一緒に仕事する人とか周りの人に自分がすごく影響されるんですね。これ、転職エージェントの話とかによくあると思うんですけれども、「この1週間で一番自分と時間を一緒に過ごした人5人の平均年収が、あなたの年収です」みたいな。

あながち間違ってないですけども、年収だけでなく人間のレベルもかなりそこに近寄ってくるというのは、事実としてあるかなと思ってます。僕も意識して自分よりレベルが高い人と時間を過ごすように心がけていまして、結果的にはどんどん影響されていくというか、近づけていくことによって自分自身のレベルも上がってくるので、可能性が広がっていくなというのは実感として持っています。付き合う人も意識していくといいかもしれないですね。

司会者:ありがとうございます。打率とヒットの数、いいですね。

福山:今、思いつきました。

司会者:マジですか(笑)。めちゃくちゃ使いたいと思います。あと、マイアミさんからのお話で、意識が変われば行動が、行動が変われば周りが、周りが変われば人生が変わる。まず、ここを出た瞬間からなにを変えますか?

(会場笑)

質問者2:目線を前に、前向いて歩こうと思います(笑)。

司会者:すごくいいお話のきっかけ作っていただいて、ありがとうございます。

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  • リッツ・カールトンで学んだ一流の経営者の視点 成績最下位からトップ営業になった『記憶に残る人になる』著者の人生遍歴

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