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「ブレない自分のつくり方」 ~上司は教えてくれないキャリアアップ術~(全7記事)

フジ『人生のパイセンTV』演出マイアミ・ケータ氏が就活生に贈るアドバイス

就活するうえで、大学名は重要なのか? なにを自分の武器にしたらいいのか? 就活生たちから寄せられた悩みに、『人生のパイセンTV』を手掛け、当初29歳でフジテレビ史上最年少演出家となったマイアミ・ケータ氏と、元甲子園球児、サイバーエージェント子会社取締役を経て20代で起業した株式会社レーザービーム代表・福山敦士氏が回答しました。

大学名で決める企業には行かなくていい

司会者:では、2問目にいきたいと思います。「質問です。就活するうえで、やはり大学名で有利不利はあるのか、有名大学でなくてもやりたい仕事に就けますか?」という質問です。一応、僕、人事なので一言で言うと……。ないですね、これは。学歴で業績が上がるんであればいくらでもそうしますけど、そういうことではないですし。

私たちはとくに価値観で人を選ぶというか、一緒に仕事したい人たちを選びます。さっきマイアミさんが言ってくださったことで、「自分ごと化する」ということだと思うんですけど。私たちの行動規範のなかにも「自分原因論」という言葉があるんですけれども、まさしくすべての問題を自分ごと化するという。そういうことがつね日ごろからできるかみたいな。

入ってきたいと言ってくださる学生さんもたくさんいるんで、勉強してくださるんですけど、うちの人事のメンバーはすごくがんばってまして、何回も何回も面接するんですよ。書類選考は基本的にそんなに重く見てなくて、論理的にちゃんと書かれているかみたいなところですけど。あと、(人事が)見るのは、何回も何回も人と会って、その人が本当になにを考えてるのか、なにを成しとげたいのかみたいなことをスクリーニングしていきます。

なので、大学名というのはとくに考えていなくて。最近でもヤフーがリリースを出しましたけど、18歳以上からとくに集団で就職活動をするみたいなそういう傾向がなくなってきていたりするので、世の中的な潮流も、大学名(は関係ない)。結果的にそういうこともあるかもしれないですけど、僕らの会社ではときにそういうことはなくて、やっぱりその人たちの考え方と行動理念みたいな、そういうところで選んだりしています。

という参考意見でございました。じゃあ、すみません、お願いします。

マイアミ・ケータ氏(以下、マイアミ):短くいきます。大学名で不利か有利か、もちろんみなさん考えると思うんですけど、はっきり言って、大学名で決めるような企業には行かなくていいです。就活生の方は「そんな会社」と思っておいてください。そんな会社に行くぐらいだったら、自分のやりたいことをやらせてくれる会社に行ったほうが絶対いいです。

大学で教えてることが、社会人になって役立ってるとは1つも思わないし、僕は。人とのつながりとかは、すごく感謝してるところはあるけど。これからの時代、もっともっとそういう時代になると思います。個人個人の能力がすごく問われる時代。昔は確かに学歴だったかもしれないですけど。

だから、そもそも就職活動は「あの会社に入れてもらいたい」とか思ってたらダメだからね。選んでやるんだからね、こっちが。

あの会社に入れてもらうためにがんばるんじゃなくて、「俺、がんばってきたんだから入れろよ、コノヤロー!」と思っとけば大丈夫です(笑)。そこの発想をしっかりと転換してください。もちろん面接で偉そうにしたらダメだよ(笑)。これはダメだけど、だけどやっぱり「採用してもらう」という考え方じゃなくて、「俺、こんだけがんばってきて、将来輝けるから入れたほうがいいよ、君たち」ぐらいの気持ちでいいんですよ。気持ちとしては。

これからはバイネームの時代に

だから、大学なんてそう考えたら関係ないわけですよ。「俺、将来活躍する人材なんだから、あなた採用しなかったら、僕の将来を見抜けなかったおバカな大人だよ」と思っておけばいいわけですよ。そのために「自分はこれだけのことやってきたよ」と言えればいいわけですよ。だから、それを言うために日ごろなにするかがやっぱり大事で。とくに学生さん、就職活動中の方は。

それを思っておけば絶対大丈夫だし、そういう考え方だったら大学とかは絶対に関係ないですよ。そもそもそういうレベルで就職活動しないということが大事じゃないかなと思います。

福山敦士氏(以下、福山):そうですね。関係ないですね。ただ傾向として、偏差値が高い学校が集まる会社というのはあるにはあるとは思っています。ただ、学校教育とか受験勉強と就職活動と社会で活躍するというのは、ぜんぜんイコールじゃないなというのは、たぶんみなさん感じると思うんですけども、まったくイコールじゃないと思っています。

例えば、数学Bとか数学IIIとか、社会出て使うかと言えばまったく使わないですし、僕とかは。要は、学校のテストで点を取るとか学校で単位を取るという話と、社会で活躍するという話はイコールではないというところから考えると、そもそも大学受験とか就職活動が本当はイコールじゃないので。ただ、わかりやすいのでランキング化して人気ランキングとか作って、三菱商事に入ったら偉いやつみたいなのはあると思うんですけども。

これからの世の中はまったくそんなことはなくて、三菱商事だからお願いするとか電通だからお願いするではなく、それこそ福山さんだからとかマイアミさんだからみたいなバイネームになってくる時代になります。すでになっています。なので、自分に実力をつけること、社会で活躍するためになにが必要かというのを考えてやっていけば、大学名はとくに関係ないと思っています。

1個付け加えると、そういう学校を来年の4月に僕は作ります。社会で活躍する力をつけるための学校、ビジネススクールという言い方でもいいんですけども。そのお知らせをまた後ほど、させていただきます。

マイアミ:売り込みきましたよね。

(会場笑)

人のイメージは会って10秒で決まる

司会者:じゃあ、次に進みます。次も大学生ですね。「なにを自分の武器として就活にのぞみましたか?」、「また、その自分の武器はどうやって見つけ出しましたか?」。これは、たぶん今までのメッセージでも出たかと思うんですけども、改めてお答えいただきたいと思います。

マイアミ:ちなみに就活生の方はどのくらいいらっしゃるんですか?

(会場挙手)

社会人の方がほとんどということですよね。それなら、就活の話ばっかしてたら申しわけないので、社会人の方にも通用するアレで言うと、就職活動とか社会に出て、いろんなところで人と出会うと思うんですけど、会って10秒で人はイメージつきますよね、だいたい。「はじめまして」と言った瞬間に、「この人、明るい人なのかな」とか「暗い人なのかな」とか。

俺、『パイセンTV』で「イヤッホ~!」とかよくやってますけど、5秒で自分のバカさとチャラさを伝えたいからやっているんですよ。人の印象づけはすごく大事で、「イヤッホ~!」とやるだけで「あ、こいつバカだな」とわかるわけですよ。「イヤッホ~!」とやってるやつが根暗なわけがないし(笑)。バラエティはそういう現場だから、僕はアレをスイッチを入れてやるわけですよ。

それがすごく大事だなと思ってて、社会人でも就職活動も一緒ですけど、会って10秒で人のイメージが決まるのに、ゴモゴモ自己紹介してもしょうがないわけですよ。「ヤッホ~、マイアミです!」と言えば、「こいつ明るくて元気なやつなんだ」と通じるじゃないですか。それでいいんですよ、面接も「はじめまして」の名刺交換も。「この人と仕事したいな」と思うから。

「なんかこの人、魅力的だな」とか「引き込まれるな」とか、それをこの10秒でぶつけてください。僕も就職活動の面接しますけど、(声のトーンを落として)「僕の取り柄は元気なところです」とか言ってる就活生がマジでいるんですよ。

(会場笑)

「ちょっと待てよ、君!」と言いたくなるわけですよ。「どこが元気なんだよ!」と思うんですけど。みんなガチガチになっちゃってたりするので、もしかしたら元気なのかもしれないけど、でもそれはたぶん説明の仕方が違うんですよね。印象としゃべっている内容が違うと入ってこないですから。

だったら、「僕はちょっとまじめなんですけど、実は考えることはバカなことが多いです」と言ってるほうが、まだいいわけですよ。

だから、僕が就職活動中にやってたのは、「自分を一言で表すとなんだろう?」というのをずっと探していたんですね。今はちょっと変わっちゃいましたけど、そのころ面接で「僕は人の中心、核となる存在となって周りをパッと照らし出します」というのを、ずっと言ってたんです。

だから、「その結果周りが笑顔になって、僕中心に明るい世界が広がります」みたいなことを、偉そうに楽しそうに言ってたんですね。ピンクのネクタイ締めて、ストライプのスーツ着て。それは「TBSの1次で落ちるわな」と今思うんですけど、だけどそれが僕の本当の取り柄だったから。TBSにはこの面接して、日テレにはこの面接して、テレ朝にはこの面接して、フジテレビにはこの面接してというのは一切やらなかったんですよ。

やっぱり僕というものを知ってほしかったし、僕というものはこういう人間だって伝えたのに、それを認めてくれない会社に行っても絶対に俺は活躍できないと思ったんですよね。だから、「俺はこれなんだよ」というのを出すまでがすごく大変でした。過去、未来、全部考えながら……それを考えるのはけっこう人生のターニングポイントが多いんですけど。

中学校で野球部を選んだ時に「なんで野球部選んだのかな」とか、僕はよく学園祭とかでお笑いとかやってたんですけど、そういうのも「なんでやったんだろうな」とか。とにかく、高校で野球部入った、大学で学生コーチ選んだとか、その人生のターニングポイントをどんどん振り返っていって、「なんであの時、あの道を俺は選んだんだろうな」と考えると、意外とそこにヒントがあったりするんですよ。

「あれ、もしかしたら、これは俺が将来やりたいことにつながっているのかな」とか、「もしかしたら、俺は将来やりたいのは、これなんじゃないか」ということを、ひたすらひたすら毎日毎日3~4ヵ月自分に問いかけて、ノート何十冊も書いて、それで人生のプランニングをしました。

就活では「面接官すら楽しませてやろうと思っていた」

もう、その時は周りになんと言われようが、野球部の学生コーチも「俺は就職活動命がけでやるから、休ませてくれ」と言って。周りのコーチと学生、監督にもブーブー言われましたよ。「あいつはなんなんだ」と。「こんな大事な時期に1人だけ抜けて、自分のことしか考えてないのか」と言われて。「どうせ無理なのに、あいつは本当にダメなやつだな」みたいな、すごく言われたんですよ。すげえムカついたし。

だけど、それが原動力となって「絶対こいつら見返してやるわ」と思ったわけですよ。「1パーセントの可能性しかない、知らねえよ、そんなもん」と。「やってみせるから見てろよ、このヤロー」と言って、結果できたわけですよ。だから、いかに本気になるかという、もうできるか・できないかじゃなくてね。さっきも話したんですけど。

だから就職活動とかは、僕はすごく大事な経験だったなと思うんですけど。もちろん浮き沈みはすごくあるんですよ。面接で落ちたりしたら、全部自分の人生を否定されたみたいな気分になりますから。「やべー、俺、大丈夫かよ」と。「今までの20年間、全部否定されちゃったよ。まじかー」みたいな。

「面接うまくいったと思ったのになー」と言ってても始まらないんですよ。「やべー、切り替えてもう次の可能性に賭けるしかねえ」と、そこのもう本当に見えない光を追ってくしかないわけですよ。そこでもう怖がっていたらなにもできないし、自分の未来なんてないから、ただただひたすらやるしかなくて。自分を信じるしかないんですよ、究極。

だから、僕がずーっと意識していたのはとにかく自分から逃げないこと、日々自分のなかで満点を取り続けるということですよね。「今日、俺ムダな日過ごしたな」とかじゃなくて、就職活動中はとくに「さあ、今日も疲れ切って寝るぞ」と言って。朝、また次の日から「俺は今日はこれやった、あれやった」といって、めちゃくちゃ充実した日々を送るわけですよ。

そうすると、やっぱ面接の時に周りの学生見た時に、「俺、こいつらに負けねえな」と思うんですよ。「だって、俺こんだけやってきたもん」と。「自分の人生もこんだけのこと考えてきたし、これからのこともこんだけ考えてきたし。それを認めてくれなかったら、俺、この会社には行かねえや」と、どっかしら思ってたわけですよ。

だから、あとは就職の「いざ入ります」という10秒間に僕はすべてかけてました。面接のドアを開ける時から、「はい、今日のメインディッシュきましたよ!」ぐらいの感じで、ズドーンと衝撃は与えてましたよ、やっぱり。それがないと、面接官も絶対ひまなんですよ。全員の話聞いてんですから、興味ない人の話も。だから、僕は面接官すら楽しませてやろうと思って、面接をしに行ってました。

そういう気持ちがやっぱり伝わるので。話してる内容じゃなくて、ファッションだったり、情熱だったり、しぐさ、表情、そっちのほうが大事なんじゃないかなと思います。これから就職活動やる人、社会人も、もちろんそうですけど、そういう「自分はこんな人間だぜ」というのを1回考えてみると、すごくいいんじゃないかなと思います。以上です。

いろんな人の価値観にふれるべき

福山:そうですね。就職活動の時と今とで武器が変わってきたというか、進化しているんですけども。就職活動の時によく言っていたのは、「大人のいうことを聞けない」とか「わがまま」とか、それを武器にしていました。ただ「自分で決めた決断を正解にすることはできるんです」という締め方をしていました。大人の言うことを聞くのがどうしてもできない三男坊だったので、わがままに育てられたというのもあったんですけども。

例えば今でも覚えているのは、うちの母親やおばあちゃんに「敦士はりっぱなサラリーマンになりなさい」と言われたんですね。というのは、私の親父も実は起業家というか、自分で会社を作ってたんですけども、彼は事業がうまくいかなかったという背景があって。

(自分の)家だったり、祖父母のおばあちゃんの家に迷惑をかけていたというのがあったので。母親とおばあちゃんからは「もう絶対サラリーマンになりなさい」ということを言われ続けたので、「絶対なってやるもんか!」と思っていたというのがよくありましたね。

あと、野球をやってた時も、だいたい決め球のサインとかキャッチャーに示されるんですけども、スライダーと言われたらストレート投げたくなっちゃうし、ストレートと言われたらスライダー投げたくなっちゃう(笑)。あまのじゃくなんですね、簡単に言うと。

こんな自分のこの気持ちが、もしかしたら強みなんじゃないかなと思って。それで打たれてももちろん自分の責任だと思いますし、おさえてやるというか、絶対にそれを正解にしてやるという気持ちがあること自体が武器なんじゃないかなと思って。就職活動時代は、「僕は、大人の言うこと聞けません」とはっきり言っていました。

今に関しては、「目標達成の力がダントツです」と思ってるんですね。目標をかかげたら絶対達成できる自信があります。これが今の僕の強みであり、武器です。

今の話、2つあるんですけども、大前提として自分の武器が変わっていい。進化するべきかなと思っているので、僕も日々こういう「自分の強みとはなんだろう」とか「自分の価値はなんだろう」ということを、とくに独立してからめちゃくちゃ考えます。選ばれる理由がないと仕事がないですし、来月の自分の収入がわからないので。

自分の価値観を毎日めちゃくちゃ考えて、ブログにずっと書き続けているんですけども。ブログを書き続けて今11年目で、「あれ、僕、続ける力があるな」みたいなところに気付いたりとかしています。そんなふうに今は気付かなくても、続けていると気付くということもあると思います。

決めきらずに「今はこうなんだ」と仮定して言い続けたら、だんだんとフィードバックをもらって変わっていくということもあると思うので。

昔は大人の言うことを聞けないと言ってましたけど、今は成果を出す「目標達成の力」を武器にしています。

あえて就活生にアドバイスするとしたら、いろんな人の価値観にふれるといいかなと。「なぜその会社を選びましたか?」みたいな価値観を聞くと、それが自分に合っているか、近しいかみたいなところが見つけやすい。これまで考えたこともなかったことに対して、悶々と1人で、いきなりオリジナルを作ろうとすると、けっこう大変だったりして遠回りしちゃうと思うので、そういうやり方をお勧めします。

司会者:ありがとうございます。

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