引退は「新井だけには伝えてた」

黒田博樹氏(以下、黒田):本日はお忙しいなか、そしてこのような時間帯に、こういう場を設けていただきありがとうございます。

昨日、球団の方に引退の意向を伝え、そして了承していただき、本日、練習前にまずは監督、コーチ、選手、そして裏方さんの前で引退することを伝えました。

そして、そのあとにこういう場を設けていただき、今まで、たくさんのファンの人に応援していただいたんで、そういう人たちに、最後の登板の前にね、なんとか報告できればいいかなと思って、こういう場を設けていただきました。

司会者:どうもありがとうございます。それでは、代表質問のほう、よろしくお願いいたします。

記者1:それでは代表質問をさせていただきます。NHKのヨシマツと申します。よろしくお願いします。

黒田さん、まず引退を決意した理由から教えていただけますか。

黒田:理由はたくさんあるんですが、みなさんご存知のようにまだ日本シリーズの登板も残っていますし、なかなかすべてをお伝えするっていうのは難しいんですが、まず1つは、今年ね、リーグ優勝をして、日本シリーズに進出できたっていうことが大きな要因だったんじゃないかなと思います。

記者1:いつ頃からこの引退というのは意識していらっしゃったんでしょうか。

黒田:それはもう2、3年前ですね。ずっと毎年毎年、本当そういう気持ちでシーズンを迎えてたんで。ただ本当に自分のなかで考え出したのは、9月過ぎですね。優勝が決まってから本格的に自分で考え出しました。

記者1:その決断なんですけども、それはご自身で決められたのか、それともどなたかに相談されたのか、そのあたりはいかがでしょう。

黒田:まあ相談というか、引退に関しては自分自身で決めましたし、あとは横におられる鈴木さん(球団本部長の鈴木清明氏)にも何度かお話をさせていただいて。あとは選手のなかでは、新井(貴浩氏)だけには伝えてたんで、それ以外にお話しすることはなかったと思います。

記者1:新井さんにはいつ頃?

黒田:はっきり覚えてないですけど、それもたぶん、優勝が決まったあとぐらいだった気がします。

引退にまったく悔いはない

記者1:新井さんからはなにか声はかけられました?

黒田:「もう1年やらないんですか」と言われましたけど、まあ自分の意思はけっこう固かったんで、本人もある程度納得してくれたと思います。

記者1:そしてこの報告なんですけども、今日このタイミングを選んだ理由というのは?

黒田:まあ、いろいろ難しいところがあったんですけど、そうですね……僕自身はシリーズがすべて終わってからみんなに伝えようかなとは思ってたんですが、もう日本シリーズ進出も決まって、自分がね、次に投げる登板が最後の登板になるかもわからないんで、その前にまずはチームメートに伝えないといけないっていう気持ちと、あとは先ほども言ったように、今までたくさんの人に応援していただいたんで、そういう人たちにもね、やはり自分の口から伝えないといけないんじゃないかなという気持ちで、このタイミングになりました。

記者1:改めて、今回のこの決断に、悔いはありませんでしょうか。

黒田:本当みんなの力でね、優勝を経験させてもらって、最高のシーズンを送れたんで、まったく悔いはないですね。

記者1:先ほど黒田さんの口からもありましたけれども、この先日本シリーズがあります。その日本シリーズへのご自身の思いというのを聞かせてください。

黒田:あと何試合登板できるかわからないですけど、とりあえず、今までも本当に最後のつもりで常にマウンドに上がってきたんで、それは変わらないと思いますけど、本当に最後、怪我を恐れずに、目いっぱい投げていきたいなと思っています。

記者1:カープの日本一につながる黒田投手の投球を楽しみにしているファンも多いと思います。ファンへのメッセージをお願いします。

黒田:今まで本当にたくさん……広島に去年帰ってきて、たくさんの声援をいただいたんで、本当に日本一というかたちでね、なんとか恩返しできるように、選手一丸となって日本シリーズ戦っていけたらいいなと思っています。

記者1:代表からは以上です。

司会者:どうもありがとうございました。それでは以上をもちまして、会見の方は終了いたします。どうもありがとうございました。