状況に応じて信号を切り替える「グリーンウェイブ」

ハンク・グリーン氏:まったく車がいないにも関わらず赤信号だからといって停車しなければいけないというのは、少しバカバカしく感じますよね。

見渡す限り車がいなかったとしても、忍耐強く信号が青になるのを待つしかありません。

しかし、あなたの運転する乗り物や信号の種類によっては、あなたがそこで信号が変わるのを待っているということを認識しません。

ある信号機は一定のタイミングで信号が変わりますが、信号待ちをしている車を認識するためにカメラや道路の下に電子探知機などのセンサーを備えている信号機もあります。

ほとんどの信号は30秒ごとのような一定の間隔で信号が変わります。

しかし、ある技術者たちがこの問題をとても賢く解決してくれました。例えば、都心部の車通りの多い道路の信号は、運転者がまったく停車する必要のないよう信号が次から次へと青に変わります。これがグリーンウェイブと呼ばれる方法です。

そのほかの信号機は、歩行者がボタンを押したり、ほかの種類の自動車探知用センサーを用いたりと状況に応じて信号が変わります。

例えば、カメラで探知するという方法はコストも低く導入しやすい方法の1つです。

通常、カメラは探知できる範囲を最大化するために信号機のすぐ近くに埋め込まれています。

そのため信号待ちをしている間、あなたは自分で信号機から離れすぎていることを認識することができ、探知用カメラが認識するように車を動かすことができます。

そのほかのよくあるセンサーは地下にあります。路上にちょっとした溝があるのを見たことがありませんか? このセンサーは磁気誘導ループと呼ばれるもので、電気の流れる大きなワイヤーの渦です。

電気がワイヤーを通して流れる時、磁場が生成されます。そのため、車の金属フレームのような導電物体がこの磁界を通る時に、車体の電子に影響を及ぼします。

この磁界は車の金属内部で、渦電流と呼ばれる地上の流れとは逆方向に流れる小さな電流を引き起こします。そして、この渦電流が誘起磁場を作り出し、その磁場は地中の電流に影響を及ぼします。

すると、地中の電流が車内の電流に影響を与え、車内の電流が地上の電流に影響を与えます。信号機に備わっているコンピュータが、地上の電流の変化を探知し、導電性金属からなる車が待機中であることを認識します。

これが、信号が青に変わる仕組みなのです。しばらくの間、信号が変わらず磁気誘導ループが車を探知しているか心配な場合は、ループの真ん中にいるかどうか確認してみてください。

もし、車よりも金属部分が少ないバイクを運転している場合、少しでも金属部分がループに近づくようスタンドを降ろすことをオススメします。

自転車の場合は、ループが反応することはできないため、単純に自電車から降りてボタンを押してください。

信号待ちをするのをイライラしてしまう方もいるでしょう。しかし、このような信号機の仕組みを知ることで、コンピュータがあなたを認識しているかどうかを確認することができるのです。