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第5期成果発表会(全2記事)

2016.10.17

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介護からブラウザ、評価管理まで 世界を変える、TECH LAB PAAK受賞プロジェクト

提供:株式会社リクルートホールディングス

リクルートホールディングスが運営する会員制コミュニティスペース「TECH LAB PAAK」の第5期生による、成果発表会が開催されました。各チームが半年間で作り上げてきたプロジェクトを審査員の前で発表。本パートでは、アンカースター賞、TechCrunch Japan賞、マイクロソフト賞を受賞した3チームを紹介します。

“根拠のある介護”を目指して

宇井吉美氏(以下、宇井):よろしくお願いします。株式会社abaの宇井と申します。

「根拠のある介護をテクノロジーで支える」と題しまして、排泄検知シートについてお話しさせていただきます。

私たちが考えるミッションは、根拠のある介護を作るということです。というのは、介護現場はみなさんご存知の通り、勘と経験と信頼関係で、多くの場で介護がなされているからです。どうしてもそういった現状なので、なかなか根拠が取りづらいということがあります。

なので今は、高齢者の方が笑ったのか、逆に嫌な思いをしたのかという微妙なところが取りづらいということがあります。その結果、自分のケアに自信が持てない介護職や介護者たちがいます。

1つの数字として、3年以内に離職する職員が7割を超えています。新人の人たちが自信を持ってケアに携われるように、テクノロジー側として、根拠のある介護を作っていきたいと思っています。

まず、うちが第1プロダクトとして出そうとしている製品が、「排泄タイミング」の根拠をつかむ排泄検知シートになります。

これも、介護職の方に、おむつを開けずに中を見たいと言われて、開発を始めています。今はやはりおむつを開けないと、中がどうなっているかわからないんですよね。それが、開けないでわかるようになればと、まさに根拠を基に、排泄ケアを兼ねたところで開発をしております。

製品使用イメージは(スライド)左上のような感じで、高齢者障害者のベッドの上に敷いていただきます。

右上のように排泄があると、通知をして、おむつ交換に入れる。こういったようなプロダクトになっております。

ケアの質の向上にもつながる

画面イメージなんですけれど、通知方法がいくつかありますが、1つの通知方法として、ケアステーション、ナースステーションにこういったかたちで飛ばすということを考えています。

左側が通知機能で、右側は、そもそもこの人って、いつごろ排泄しているかというパターン表です。データを積み重ねていくことでパターン表を自動作成することを考えています。これは、そのパターン表のイメージ図になっています。

もう1つが、最近けっこう介護職の方々から言われるのが、下剤投与の入力画面を入れてほしいと言うことです。今、下剤を入れてからどれくらいで排泄だったのかということがわからないので、下剤を何滴入れると、この人はいつごろ排泄するかということをちゃんとわかるようにしたいということで、こういった画面を設けております。

技術的には特徴が3つありまして、機械を体に付けなくていいことと、においセンサーで全部検知できるということ、あとは、機械学習機能が入っています。

PAAKに半年間在籍している間に、実際に実験をしたときの事例紹介になります。この介護施設さんだと、夜間帯の便漏れ、おむつの外に便が漏れてしまうということが、月に何回か起きてしまっていて、もちろん高齢者障害者も、介護者の方も大変な思いをしていたんですけれど、うちのシステムは便が出たらすぐ通知をすることで便漏れを防げたという事例を作りました。

あともう1つ、副次的な効果であったのが、便が出始めたところで通知するので、介護者が駆け付けてから一緒にお腹をマッサージして、この高齢者の方のタイミングで一緒に排便をすることができた、ということです。業務の効率化だけではなくて、ケアの質の向上も思いがけずできたというのが、1つ成果になっています。

あと、私自身は、技術をやったあと、介護職を土日だけやっているんですけど、そういったバックグラウンドのなかで、この間、PAAKさんと一緒に、介護職のコミュニティの人たちをここに呼んで、テクノロジーが介護業界にどんなふうに活きるかな、いいことができるかなというイベントをやらせていただきました。

以上になります。

(アンカースター賞を受賞)

児玉太郎氏(以下、児玉):受賞理由なんですけれど、ベッドの中のセンサーというのが、まだこれからいろいろ未開の地だと思うんですね。

においだけじゃなくて、センサー技術を使って、ベッドとともにいろいろなIoTの革命が起きていくんじゃないかなと思うものの1つの実例として、商品化できそうなものを見せていただいたので、すごいなと思ったのが受賞理由です。おめでとうございます。

評価管理にイノベーションを

堀浩輝氏(以下、堀):こんにちは。株式会社モスキートーンの代表をやっております堀と申します。本日はよろしくお願いします。

私からは、企業を中から強くするクライアントツール「HR Brain」の説明をさせていただきます。

HR Brainは、タレントマネジメント領域の頭脳となり、人と組織のパフォーマンスを引き出すための新しいプラットフォームづくりをやっています。注力分野は、「目標と評価」「適材適所」「企業文化」「育成」「活性化」などの人材を採用したあとの要所に対してツールを提供していきます。

さまざまなツールを開発しているんですけれども、本日は目標評価管理ツールにスポットを絞ってご説明をさせていただきます。こちらは11月中にベータ版をリリースする予定です。

背景なんですけど、サイバーエージェントにアメーバという部署がありまして、そこの事業部長をやっていた時に、期末や期初になると大量に目標シートが送られてくるんですね。100枚以上も送られてくると、PCを閉じたくなるというような感じだったんですけれど、これはけっこう闇の深い問題でして。

個々人の目標とか評価管理が時系列でぶつ切りになってしまっているので、過去の文脈を理解した対話がしづらかったりします。また、メンバー間の目標シートがExcelで分断されているので、当然、UXとして相対評価がしづらい。

また、誰がなにを目標としているのか、マネージャーが一瞬でわからない、可視化されていない、こういった問題がありました。つまり、まだ日本中の企業で行われている目標管理や評価管理といったところは原始的で、これに対して抜群に使いやすいツールを提供してイノベーションを起こして行きたいと思っています。

目標シートをクラウドで一元化することで、人事考課の作業負荷を大きく減らすんですけど、特徴としましては、GoogleやIntelでも採用されている目標管理方法の「OKR」をテンプレートとして落とし込んだり、日本のいろんな大企業さんにシートを共有していただいて研究した「ベーシック」と呼んでいるシート、こういったものを用意したり。あとはキャリアイメージや強み弱みといったヒアリングシートも、企業のやり方に合わせて利用することができます。

また、評価者と被評価者のマッチングもこういったUIで一瞬で行い、変更もすることができます。もちろん過去分もサクサク検索することができて、メンバーの過去の文脈を理解した査定評価や対話、面談、そういったことが可能になります。

成長企業は入社・退職、異動、組織の再編などが頻繁にあると思うんですけど、そういったものも簡単なUIですぐに行うことができます。

また、「この人のシートは誰が見ていいんだっけ?」ということは、すごくセンシティブな情報だったりするので、閲覧領域の権限設定も簡単に行うことができます。

リアルに現場で使うイメージが湧くもの

これまでお話ししたのは、「今までめんどくさかったことを簡単にします」というお話だったんですけど、さらに踏み込んでやりたいことがあります。それが、蓄積されたデータを元に意思決定の引き出しを増やしたり精度を上げる。HR Brainが目指すのは、「AI人事」です。

具体的には、AIであぶり出して人で対応するといったようなイメージなんですけれど、例えば3回連続でD評価のメンバーがいたら……。

(会場笑)

:部署異動をしたり、そういった対応をオフラインで行ったり、他社の水準と比較して、本当は優秀なんだけど報酬が低いエンジニアに対して給与を調整したり、ですね。

今までめんどくさかったことを簡単にし、それだけじゃなくさらに一歩踏み込んで意思決定を助ける。そういったプラットフォームを作っていきたいと思っています。11月にベータ版を公開いたしますので、ぜひ応援よろしくお願いします。ありがとうございました。

(TechCrunch Japan賞を受賞)

西村:たいへんすばらしい狙い、サービスだと思います。日本の今の状況を考えると、働き方革命ということで、長時間労働をなんとかしようとか、ヤフーさんが週休3日を導入しようとか、働き方を変えることってたぶん人事考課と表裏な話だと思うんですね。

というわけで、透明化したり、みんなでフェアなシステムや思想みたいなところもどんどん日本に広めていけるような、そういうすばらしいプロダクトになるような気がしました。

僕は今、AOLという会社にいて、BetterWorksというサービスを使ってるんですけど、アメリカではもう200億円調達して、ものすごい勢いで伸びているところなんですね。

なので、すごくグロースするイメージも湧きました。それでTechCrunch Japan賞に選ばせていただきました。おめでとうございます。

スマホのブラウザをもっと賢く

加藤雄一氏(以下、加藤):みなさん、こんにちは。加藤雄一と申します。

本日は「ブラウザが賢くなるとネットがもっと楽しくなる」というコンセプトで作りましたスマホ専用のブラウザのご紹介です。

まず、みなさんがやっているであろうブラウジングって、どんな感じでしょうか。おそらくGoogleで検索をして、ちょっといいなと思ったページを開いて、違うなと思ったら閉じる。こんな感じじゃないでしょうか。これを私たちは、「行き止まりのブラウジング」と呼んでいます。

本来インターネット、ワールドワイドウェブはコンテンツ同士がダイナミックにつながって、それによって新しい価値が生まれる。そんなところに、私たちは、本当のWebの価値があると思っています。

例えば、私が好きな(大河ドラマの)『真田丸』で検索しますと、ソーシャルでの話を知りたいとか、視聴率どのぐらいなんだろうとか、去年の大河ってなんだったっけとか、そんな感じで芋づる式に興味がつながっていく。こういったところが、私たちが目指す新しいブラウジングのかたちです。

新しい芋づるブラウジングを実現するためにはどんなものが必要でしょうか。UI、AI、ソーシャル。この3つを基軸にして新しいブラウジング体験を作ってみました。ビデオをご覧ください。

(動画が流れる)

まず、SmoozはGoogleの検索結果の横に新規のタブを開いていきまして、アップダウンでタブを開いています。そして、スワイプだけでタブを切り替えることができます。タブを消すときには検索ボタンを上に引っぱると片手で簡単にタブ操作ができます。

次に、「AIによる検索予測」。ページを開きますとAIでページをすぐに解析して、(文字を)入力する前におすすめの検索キーワードを出して、タップするだけで検索できます。

次に、スマートブックマーク。「このページ、ソーシャルでどのように話題になっているんだろう」というときに、Twitterやはてなブックマークなどの反応を見ることができます。

自分が気に入ったページがありましたら、このようにコメントやタグを入れて、どんどん貯めていくと、ブラウザの横のホームタグというところに、好きなコンテンツがどんどん出てきます。そういった新しいかたちのブラウジングを提案したいと思います。

リリース翌日に6,000ダウンロード達成

国内のスマホブラウザ市場は5,000万ユーザーと非常に大きいです。私たちはこのうち12パーセントにあたる600万ユーザーを目指して走り出しました。参考にしたのはデスクトップブラウザ市場で、OSもなにも持っていない独立系のブラウザであるFirefoxが12パーセントのシェアを持っていること、これをベンチマークにしました。

そして、このブラウザですが、昨日(9月26日)無事リリースいたしました。

(会場拍手)

ありがとうございます。予想以上の反響をいただきまして、すでに6,000ダウンロードを突破いたしました。

ブラウザが賢くなるとネットがもっと楽しくなる。Smooz、ぜひホームスクリーンの一番右のところに固定して使っていただけたらうれしいです。応援よろしくお願いいたします。

(マイクロソフト賞を受賞)

砂金信一郎氏:いろんな課題を解決するスタートアップのみなさんはたくさんいらっしゃるんですけれど、ブラウザってもう、Chrome、Safari、IE、Edgeとかに絶対に対抗できないって思ってる人が大半のなか、「いや、これはいろんな問題を抱えているし、俺たちがディスラプトしてやるぜ」という、その姿勢がすばらしいなと思っています。

これで世間を席巻して、スマホ向けのブラウザを起点にして、いろいろなところの情報検索、閲覧の文化を新しく作っていただきたいなと思っております。

今後もいろいろお世話になることもあると思いますので、引き続きがんばってください。おめでとうございます。

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