虚構の人物も創造できる?
インターネットを舞台に活躍するアーティストたち

ONLINE | 5 Artists in 5 Minutes

インターネットは私たちの生活に欠かせないものになっていますが、アーティストの中にもWebでの活動を中心に行う人が多くいます。今回の「Little Art Talks」では、驚くべきやり方で動画やインターネットを扱っている5人のアーティストについて紹介します。

インターネットを活用したアーティストたち

カリン・ユエン氏:インターネットは一種の通信手段であり、そこではメールを確認したり、動画を視聴したりできます。インターネットなしでは、我々の日常がどのようになるか想像もつかないでしょう。

ようこそみなさん、私の名前はカリンです。今回の「5 Artists in 5 Minutes」では、驚くべきやり方で動画やインターネットを扱っている5人のアーティストを紹介したいと思います。

ジョディ(JODI)はジョン・ヒースクック(Joan Heemskerk)とディーク・ピーズメント(Dirk Paesmans)の2人から成るアーティスト集団です。彼らは、1990年代の中ごろからWWW(World Wide Web)を用いて創作しはじめました。

この2人組は、ビデオゲームのアイコンを突然なにかの異常のように意図的に紛れ込ませたWebサイト「JODI.org」を創造した、インターネット・アートのパイオニアです。一般消費者によるYou Tube動画を集め、ハイテク製品の物理的な濫用を行いました。

また、ジョディのWebサイトは、Webテキストの図記号がインタラクティブな文字に織り交ざり、これらは基本的なHTML言語で書かれていて、リンクをクリックしながら迷路のようなサイトを閲覧できます。行き止まりでは、気を散らせるように点滅して視覚を混乱させるので、おそらく、見た人は近寄ることができないでしょう。

エヴァ&フランコ・マッテス(Eva and Franco Mattes)の2人組は、ニューヨークを拠点とし、「0100101101110101101.org」というペンネームで活動を行ってきました。彼らは第2ウェイブのインターネット・アーティストの1人として考えられています。

1998年から2000年までの間、虚構のアーティスト、ダーコ・マーヴァー(Darko Maver)を創作し、噂の力を取り込み、そのキャラクターを2年間展開させます。

彼らは、同業者だけでなく主流メディアさえも巻き込んで仕掛けをし、その裏話はWebサイトの時系列で語られます。故郷を追われユーゴスラビアを放浪しているうちに、次第に暴力的な人間像の彫刻を制作するようになった苦悶するアーティストであり、作品は彼らによってヴェネツィア・ビエンナーレでも発表され、このキャラクターに関心が集まりました。

2000年に入り、マーヴァーが牢獄で死んだとされてから、物語は偽物であることが初めて明らかになります。このブラック・ユーモアには、マスコミの刹那的な力が扱うような、国家礼賛的なエピソードを思い起こさせるものがあります。

経済犯として軟禁状態になったアーティストも

アイ・ウェイ・ウェイ(Ai Wei Wei)は、中国の現代アーティストであり、人権と民主主義用語の観点から中国政府への批判を公開したことで知られています。

アイ・ウェイ・ウェイは、2005年にSina Weiboという中国でもっとも巨大なインターネット・プラットフォームでブログを始めて以来検閲と闘ってきました。辛口の論調とそれに対する人気が原因となり、ブログは2009年に突然閉鎖されます。

しかし、彼はその後Twitterに向かい1日に何時間も、多くのツイートを続けました。2013年12月31日に一旦ツイートを停止しましたが、アカウントは今でも動いていて、インスタグラムの画像が投稿されています。経済犯として軟禁状態に置かれてからというもの、アイ・ウェイ・ウェイは、中国に住むことができなくなり、国外で展覧会活動を継続しています。

ぺトラ・コートレイト(Petra Cortright)は、ポスト・インターネットのアーティストであり、ロサンゼルスを拠点としています。動画作品「VVEBCAM」は2007年に最初にYou Tubeで公開されました。この作品では、コートレイトが、コンピューターがランダムに生成したオブジェクトのなかにある自分自身のイメージを見ている姿が、Webカメラに取り込まれています。

そしてキーワードや、You Tubeのアルゴリズムによって、偶然遭遇した匿名の視聴者に対し、オンラインの動画が見られている状況について問題提起しています。制作者と主題の両方を重ねることにより、この作品が視聴されている間、受動的なコンテンツが消費されることを鏡のように反映しているのです。

2011年に元の動画は、不適切なキーワードを行き過ぎて使用したという理由によって削除されました。

最後にお話しするアーティストは、パーカー・イトウ(Paker Ito)です。興味深いことに、彼は「自分はインターネットのアーティストではなく、インターネットでアートを制作するヒップスターなのだ」と述べています。

まだカリフォルニア芸術大学の学生だったころ一連の油彩「Parked Domain Girl」を発表しました。

それは、バックパックを背負い笑っている女性の姿で、この写真は、Webサイトがまだ構築されていないサイト所有者の場所に現れます。ユーザーが打ち間違えて誤ったサイトにたどり着いたとき、あるいは切れているリンクをクリックしたときに、これらのWebサイトは格好の広告の場所となっているのです。

iStockphotoに、「Attractive Student」としてイメージのストックしておき、イトウが中国の会社に依頼し、このストックから本物らしく油彩で複製させたのです。さらにこの複製に操作を加え、再度また中国の会社に本物らしく制作することを依頼します。

そして、ほかの人たちが参加できるようにインターネット上に置きました。美術評論家のジーン・マキュウ(Gene McHugh)は、この作品をマリリン・モンローのテーマの連作(アンディー・ウォーホルのシルクスクリーン作品)と比較して、どちらも空虚なアイコンであり、一方のモンローは欲望を満たすための白紙であるが、もう一方の「Park Domain Girl」はコンテンツのないサイトの象徴であると指摘しています。

動画をご視聴いただきありがとうございました。

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Karin Jyuen(カリン・ユエン)がアートの世界をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。古今東西のアートにまつわる豆知識をお送りします。

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