フラッシュ撮影で目が赤くなる原因

マイケル・アランダ氏:写真で、自分の目が赤く光っているのを見たことはありませんか? それは赤目効果と呼ばれています。

でも、みなさんが目かなにかからレーザービームを出せるというわけではありません。カメラの明るいフラッシュや、光の変化に対する目の適応に原因があるのです。

みなさんの目は液体が充満した球体で、光を感知し、脳にメッセージを送ることができます。そのおかげでものを見ることができるのです。

光は角膜と呼ばれる薄い層から、瞳孔と呼ばれる穴を通り、焦点を合わせることができるレンズに行きつきます。そして目の裏にある光受容細胞によって吸収されるのです。

みなさんの瞳孔は虹彩と呼ばれる筋肉が詰まった構造に囲まれています。

それがみなさんの目の色が付いた部分です。その筋肉を意識的に動かすことはできませんが、筋肉が瞳孔を大きくしたり、どの程度の光を許容するかをコントロールすることはできます。

暗いところでは、虹彩は瞳孔を広げ、光をもっと集めるようになります。逆に明るいところでは、虹彩は瞳孔を小さくするのです。ですから、赤目効果は瞳孔がかなり開いた状態である、暗い場所で通常起こります。

赤目効果で目の問題を診断

普段は、目に入ってくる光はすべて光受容体、もしくは、目の裏側の繊維にあるメラニン色素によってによって吸収されます。この色素は虹彩や髪、肌の色に影響を与えるのと同じ色素のことです。

すべての光が吸収されるので瞳孔は黒く見えます。でもそこに突然カメラのフラッシュの明るい光が飛び込んでくると、虹彩の周りの筋肉が収縮する前に光が目に流れ込んできてしまいます。

そして目の裏にある血管を反射させてしまうことがあります。このため、目が赤く光ってしまい、せっかく撮ろうとしているグループ写真を台無しにしてしまうのです。

これを防止するには、写真を撮る際に、実際のフラッシュがたかれる前に何回か一瞬だけフラッシュを光らせることができるカメラを使えば、虹彩周りの筋肉が収縮することができ、光の吸収を少なくすることができます。

もしくは、部屋を明るくして、瞳孔が開かないようにすることもできますし、カメラのレンズを直接見ないようにするという方法もあります。

赤目効果は厄介なものですが、常に悪者ではありません。目の問題を診断する道具になることもあるのです。薄暗い部屋で誰かがカメラのレンズを直接見ていて、目が白や黄色に光ったとしたら、がん細胞に侵されているかもしれません。または、血管がねじれていたり、どこかから漏れているという可能性もあるのです。

時々、写真では片目だけ赤く映ることがあります。それはその人の両目がまったく同じ方向を見ていないということです。もしくは、目の裏のメラニン色素の量が両目で違っていて、目の色が違うからかもしれません。

大体の場合、赤目効果は面倒なだけですが、注意して見ていたいですね。