2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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小泉文明氏(以下、小泉):では、最後に会場から質問を受けたいと思うので、なにか「ここをもう少し聞いてみたい」みたいな人がいれば、挙手いただければと思うんですけれども、いらっしゃいますか?
質問者1:今日はありがとうございました。メルカリの伊豫さんに質問です。お話では、メルカリさんのなかで90パーセントのリソースはUSメルカリのプロダクトに割いていると。そのなかの10パーセントはサンフランシスコ、90パーセントは日本にいるという話があったんですけど。今後アメリカで勝負していく、それからUK、それから東南アジアといくなかで、リソースはどんどんアメリカに持っていく予定なんですか? それは状況によって変わるんですか?
伊豫健夫氏(以下、伊豫):そうですね。言ってしまえば、「やっぱり状況によるよね」というのはあります。とはいえ、大半の社員、エンジニアなんかでいうと、ほぼ100パーセントに近い人が日本人。そういう意味でいうと、今はまだ日本にウェイトをおいてやっていくほうが、物理的にスムーズかなという気はしていますね。
質問者1:そこで気になることがあるんですけど、やっぱりアメリカの市場で勝負していくためには、できればアメリカに実際に住んで、そこで飲んだり食べたりしてアメリカの文化を理解することが、勝負に勝てる1つの秘訣なのかなと思うんですけれども、そういった点に関してどうお考えですか?
伊豫:ある側面で極めて正しいことだと思いますね。なので、基本的に会社のプロダクトチームの方針としては、出張・駐在含めてできるだけいろんな人がUSに行って、そこに滞在する。できるだけ長い間行ってものごとを体感しましょうというのは、常に回し続けています。私も先月、8月は1ヵ月アメリカにいましたし、また来月は半分ロンドンにいますし。
そうしたことを繰り返し回していくというのは推奨されていますね。ただ、そこはバランスかなと、正直思うところもあって。やっぱり僕が(現地に)行っていて思うのは、日本人がアメリカ人のことを理解するというのは、当然限界もあるんですよね。いくら住もうが、いくら飲もうが、いくら友達作ろうが。とくに短期で勝負したい場合はそう簡単にはいかない。
20年かけていいというんだったら、いいんですけれども。この3ヵ月、次のクオーターでなにかしら結果を出したいと思った時に、やっぱりなかなかそれだけではまかなえないようなところもあるので。それをやりながら、さっき言ったようにA/Bテストをどれだけ早く打てるかとか、「わからないんだったら試せばいいじゃん」ということをいかに早く回せるかというのは重視しています。
質問者1:ありがとうございました。
小泉:ちょっとだけ補足すると、結局エンジニアリングのリソース、グローバルで考えたら日本はめちゃくちゃコスパいいんですよ。僕らは、プロデューサーとかデザイナーはけっこうUSのオリジナルなメンバーなんです。でも、エンジニアだけは日本人なんですよ。これ、シリコンバレーでなにが起きてるかというと、インド人がCTOだったらみんな基本インドで作っているんですよね。
それは当たり前で、みんなサンフランシスコのエンジニアのコスパの悪さをわかっているわけなので、とくにスタートアップはかなりの部分をサンフランシスコで作ってないんです。僕らもそういう意味でいうと、けっこう同じことを考えてやっている感じなので、そういうグローバルなリソースのアロケーションというのは、比較的そのタイミングごとで変えるべきかなと思っていますね。
そのうえで、日本のエンジニアはちょっと安すぎるなと思っていて。もっと本当は給料高くていいんじゃないかなというのは、アメリカに行っているとめちゃくちゃ思いますけどね。
質問者2:小泉さんにうかがいたいんですが。メルカリの初期は、物々交換をするプラットフォームを作りたくてメルカリにたどりついたとうかがったんですけど、その意思決定はどうされたんですか?
小泉:それは極論言っちゃうと、僕も当時山田進太郎の友達で、(山田氏が)「フリマアプリやるんだよね」と言った瞬間に「マジか!」と思いましたからね。
「それ、フリルいるじゃん」とか思ったんですけど、彼が思ったことはじつはもっと大きくて。フリルとか、当時他社がやっていたことはカテゴリー特化型なんですよね。比較的、「女性」とか「赤ちゃん・ママ向け」とか。やっぱりプラットフォームのレイヤーとして、もう少し影響力を大きくしようと。
もしくは、「ヤフオク!」みたいなかたちでPCでやっている人たちをうまくディスラプトしようとしたら、やっぱり大きなマーケットを取らなきゃいけないので、最初から全マーケットを取りにいったという意思決定は、メルカリにとっては非常に大きかったかなと思っています。後発なので、立ち上げやすくどこか絞っていたら、たぶんこの成功はないんですよ。そこはやっぱりすごく大きなポイントで。
最初、(山田氏が)なんで物々交換にしたかどうか、僕もよくわからないんですよね(笑)。なんでフリマやろうとしたか、ディテールはわからないです。ただ、さっき話したような、彼が旅行しているなかでの大きな課題感というのもありますし。例えば今、アメリカに行っても、UKに行っても、フリーマーケットだとCtoCの僕らのコンセプトは社会的に説明しやすいんですよね。
そういう大きなマーケットを狙うというのがすごい大事で。説明してもわからないものを伝えるのはすごく難しいし、それをアプリでやるのはすごく難しいので、やはり非常にシンプルに攻めていくという。ともすると競争も激しいですし、立ち上げもすごく難しいんですけれども、そこをやりきっているのが僕らの強みかなと思っていますね。
質問者3:お話ありがとうございました。2つ質問いいですか? 1個はエブリーさんとメドレーさんにおうかがいしたいんですけど。吉田さんとかは複数のメディアだったり、複数の事業を立ち上げられていると思うんですけど。1個目が立ち上がって2つ目を始めようというタイミングの考え方とか。
あと、プロダクトだったりメディアというのは、プロダクトマネージャーなど“やる人の思い”みたいなものがすごい大事だなと思っていて。それを複数やろうとすると、そういうのを自分が見きれなかったりとか、そのへんのバランスの取り方がけっこう難しいかなと思うんですけど、そのあたりをどのようにされていたのかというのを、ぜひおうかがいしたいなと。
吉田大成氏(以下、吉田):さっきの小泉さんの話に若干近いんですけれども、僕が思っていたのは、動画のメディアに関していうと、もちろん「テレビのフォーマットがそのままネットで見られます」みたいなことはぜんぜんあるなと思っていたんですよね。
でも、 スマートフォンの登場により、短いすきま時間をどう有効的に使っていくかという生活スタイルに変わってきているなかで、その短い時間でスマホで動画を見るという、今までにはないまったく新しくできた市場だなと思っています。
そういう意味で、既存サービスでの競合もいないなかで、ここからすごく伸びるなと思ったので、あまり戦略性うんぬんを考えずに、もうとにかく立ち上げるメディアの数は最初に決めていました。もう5個やると。やるしかないという。それをやれれば、自社としては、もうすべてのユーザーさんにリーチできますし、いろんな広告主さんのニーズも解決できると思ったので。
これをやることが僕らのゴールだと思ったので、最初にまずやろうと思ったのは、どうすれば5つ早く立ち上がるかを考えた感じになります。でも、5つまとめてやると、確かにいろいろ難しいところもあって、最初やったのが2つ。これでうまくいくなと思って、ちょうど「DELISH KITCHEN」が去年の11月ぐらいに伸びてきて。12月の年末ぐらいにビューティー系の「KALOS」というところを早くFacebookに特化させようと決めて。
それで、「これ、絶対きたな」と思ったので、その次のママ向けとニュースを2~3月に立ち上げたんですね。たまたまその時にママ向けのやつをやってもらっている責任者の子は、「ママの課題をどうしても解決したい」という思いがあったので、その子はインターン生だったんですけれども、採用して「やってくれ」って任せたり。
なので、もう最初からこの市場を全部取ろうと思ったので、「決めていた」というのが一番大きかったりしてます。そこから出てくる課題は考えなくていいので、楽するよりは無理したほうがいいなという気がしました。
石崎洋輔氏:メドレーでいうと、まずそもそもこのメドレーという会社を作ったきっかけというのが、創業代表の瀧口が、自分の親族が不幸な医療体験をしたというところにあります。その体験を経て、「医療・ヘルスケア」を事業テーマにしようと決め、さまざまな調査や実際に病院で働く経験をした上で、地方の病院・診療所の人材不足を解消するためのマッチングサイト「ジョブメドレー」を運営するところから、まず着手することにしたんのです。
そもそも医療ヘルスケア業界には、求人だけではなく、まだまだいろいろ大きい課題があり、会社のミッションとしてそれらの解決を目指しているので、そもそも「ジョブメドレー」だけで終えるつもりはなかったんですよ。
ただ、この2~3年でわりと定期的に新規事業を始められているのは……。基幹事業である「ジョブメドレー」が最初何年かわりと苦戦していたんですよね。ただそのもぐっている期間があったからこそ今、順調に伸びてきていて。ジョブメドレーが会社の基盤となり、サービス運営のノウハウも貯まってきているので、新しい新規事業を始めやすくなったというのはあります。答えになっていますかね?
質問者3:ありがとうございます。もう1個だけ時間あったら、メルカリさんにおうかがいしたんですけど。先ほどA/Bテストの話で、(1日にこなす)本数の話があったんですけど。1個にかける時間というか、プランを立てて、アイデアを思いついてから実際にリリースして効果を取るところまでどれくらいなのか、おうかがいできればと。
伊豫:それはもちろん、案件によるというのが大きいので、なかなか難しいですね。当然、サーバーサイドのA/BテストとクライアントサイドのA/Bテストで、ぜんぜんかかる工数もリリースまでの日程も違うんですけど。無理やりならすとすると、仮にクライアントじゃなくて、サーバーサイドのみでテストできるものであれば、おそらく企画をして、チケットを切ってリリースをするまで、ものにもよるけどたぶん1週間ぐらい。
それで、A/Bテスト回すのはだいたい……これも当然、ものによって判断値が違うのでわからないですけど、ならすと最低1週間はたぶん要ると思います。なので、セットでいうと、早いものでいえばだいたい2週間ぐらいで「これはよかったね・悪かったね」という判断をする、というものもありますね。
小泉:最後。
質問者4:吉田さんに質問なんですけれども。アプリを作ろうという話だったんですが、初期のプロダクトを考えた時に、ユーザーがアプリのなかでSNSを使っている割合が一番多かったから、分散型メディアを選択されたということだと思うんですけれども。
そこで自分たちのアプリを作ろうと思う理由として、例えばユーザーの行動が変わっているからなのか、自分たちのメディアに対するエンゲージメントが高いからなのか。どういう意思決定をして、そういったアプリを作ろうと判断されているのか、詳しく聞ければと思うんですが。
吉田:ユーザーさんのなかで、やっぱり僕らがFacebookとかInstagramに流していくなかで、どうしても情報がストック型じゃなくてフロー型なんですよね。逆にいえば、それがいい側面ももちろんあるんですけれども。すごく使ってもらっている方からすると、わざわざFacebookページ見て、コンテンツを探しに行ったりしなきゃいけないとか、リンクを覚えておくとか、けっこうやらないと難しかったりしているというのがあります。
もともと最初からアプリは作ろうと思っていました。ただ、やっぱり最初にユーザーにうまく知ってもらうのをすごく大事にしていて。
今ある程度、認知度が高まっていっているタイミングなので、このタイミングのなかでフローで流していく情報ではないところ、要はストック型でちゃんと自社のメディアを使ってもらうところで勝負したいと思っているので、アプリを提供しようとしています。
もう1つが、ここから先に広告ビジネスじゃないこともどんどん仕掛けていこうかなと思っています。例えば、わかりやすいものではコンテンツ課金だったり、eコマースみたいなところをつなげていければと思っているんですね。
今までって、いろんな業界が水平分業されてきたと思うんですよ。例えばテレビCM。メーカーさんが「なにか作りました」といって、テレビCMで認知してもらって、小売・スーパーで売られて。それで(消費者のもとへ)届きますという状態で、商品を知ってから買うまで、すごく水平分業されていたと思うんですけれども。最近では小売さんは、自分たちでオンライン販売しているというのもあれば、メーカーサイドが自分たちでeコマースを始めている事例もある。
そうなった時に最後どうなるかというと、メディアを持つんですよね。メディアを持ってさえすれば、自社の商品を見せられるし、みなさんにお伝えすることもできるし、買ってもらうこともできる。ネットが進むことによってなにがいいかというと、ものを買うのが楽になるという以上に、ものを知ってもらうことすらも、垂直統合でやれる時代というのがたぶんくるんだろうなと思っていて。
その時代まで想定して考えると、やっぱり自社で(メディアを)持っていて、最後に自社の製品も含めてeコマースでやっていくみたいなことができてくると、5年後10年後のあるべき姿にたぶん近づいてくるんじゃないかなとか思っています。
動画で分散型でやっているのは最初のとっかかりというか、突破口であって。実は最終的にやりたいなと思っているのは、ネットがすごく普及するなかでどういう世界になってくるか。商品を新しく知って、手もとに届くまでというところをすべて自社でやりたいなと思っているので、そこを実現するためにアプリをやろうと思っている感じです。
小泉:ありがとうございます。じゃあ、時間にもなったので。この後、懇親会もありますので、さらに聞きたいところは懇親会のなかでご質問いただければと思っております。長時間ですが、非常におもしろい時間でしたね。ありがとうございます。1回、ここで締めたいと思います。どうもありがとうございました。
(会場拍手)
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