信頼を積み重ねていける政党に

蓮舫氏(以下、蓮舫):お集まりいただきありがとうございました。先ほどの党大会で代表に選出されました、蓮舫です。

これから先、この民進党をしっかりと選択していただける政党につくっていく。私たちの政策も対案もあります。人材もその人たちの能力も保証されたものだと思っていますので、信頼を1つずつ積み重ねていくことのできる政党にしていきたいと改めて思っております。

司会者:それでは質疑に入ります。社名とお名前を名乗ってお願いします。では、冒頭、幹事社のセキさんお願いします。

記者1:幹事社の共同通信社のセキです。よろしくお願いします。

蓮舫新代表におうかがいします。代表選出が今日決まりました。与党自民党と比べて支持率が伸び悩む民進党を具体的にこれからどう変えていくのか、代表としてまず最重点として取り組むことはなんなのか、安倍政権との対立軸をどう示すのか、お聞かせください。

蓮舫:信頼がなければ支持率にはつながらないと思っております。1つずつ時間をかけて丁寧に、そして信頼される政党にしていきたいと思っています。

当面、臨時国会が始まろうとしておりますので、政府が提出している補正予算に対して、しっかりと精査をして、同じ財源であればこのお金の使い方で本当にいいのか、選択肢をしめるような、そういう国会論戦ができる準備にすぐ入りたいと思っています。

また10月23日に補欠選挙が東京10区、福岡6区。我々は鈴木庸介候補予定者、新井富美子候補予定者、すばらしい候補者を予定者を立てていますので、しっかりと勝っていけるような、議員全員で応援していく体制を早々に整えていきたいと思っております。

憲法改正については、もう一度調査会を設けて議論を

記者2:朝日新聞のタカハシと申します。新代表は対案路線を掲げています。それについて2つお尋ねします。

1つ目が憲法なんですが。審査会の議論を進めていくことで、与党が改憲項目を絞っていく、向こうはそうした意図があるかと思うんですけれども、そうした意図に乗せられてしまう懸念はないか、というのが1点。

もう1つ各論なんですが、与党側はいわゆる共謀罪の提出を検討しています。これについても対案出すというようなことでお考えなのでしょうか? 過去、民主党の時代には修正のお話もあったかと思うんですけども、その点ふまえていかがでしょうか? 2点です。

蓮舫:憲法審査会は、去年から止めているのは与党ですから。我々は参議院で開かれた憲法審査会にも出ていますので、その部分は私たちは、これまでと同じように立法府の一員として、開かれればしっかりと参加していきます。

ただ、その先の性急すぎる論点整理であるとか、あるいは国民が一緒になって参加する、あるいは関心を持つ、そういう持たないなかでの与党の運営が想定されるのであれば、そこはやっぱり慎重に対応していくべきだと思います。これは国会対策運営上の戦術、テクニカルな問題です。

2点目の共謀罪ですが、実際にどういう内容のものを提出してこられるのか、その中身の確認をしなければいけないと思います。その部分では、党内の法務委員会を中心として党内で審議をして、どういうかたちで臨んでいくのか、そこは議論したいと思っています。

記者3:読売新聞、フジモトと申します。憲法改正について2点おうかがいします。審査会が動けば参加されるということですけれども、その前提条件みたいなものはつけるお考えなのか?

また共産党は、改憲および改憲の発議を審査する機関だと、「合意にもとづいて安倍政権での改憲反対という立場を貫いていただきたい」というような、小池書記局長、党からの要請がありますけど、それにはどうお答えるつもりか?

また具体的な項目についておうかがいしたいんですけれども、8月5日の出馬会見で「私は憲法に対案はない」と、9条は絶対に守るということを示されてます。9月7日には、地方自治、第8章をテーマにあげられているんですけれども。具体的に党として見解をまとめるお考えあるのか、そのへんをおうかがいしたいと思います。

蓮舫:党として見解といいますか、3候補とも、公開討論のなかでだんだん回を重ねることによって意見が一致してきたのは、党内にもう一度調査会を設けて、議論をすべきではないかという声がありましたので、これは検討させてください。

それと他党の皆様方から、憲法改正を守ってくれという声は、私は今日代表に就任しましたので、どういうご要請をいただけるのか、これから考えさせてください。

実際に私自身は自分として、8章への思い、あるいは自民党の提言に対して、家族の項目に関して違和感を感じているところは個人的にはありますけれども、党内としてはどういう意見があるのか、これは調査会を開く開かない含めて検討していきたいと思っております。

我々は批判だけではなくて提案をする

司会者:ではそちらのブロック、NHKハナオカさん

記者4:NHKのハナオカです。先ほどの最初の共同通信のセキさんの質問にも少し関係するんですが、代表選挙中、NHKの世論調査では民進党の支持率は8.3パーセントと、代表選が始まる前よりも低下しました。

一方、自民党は40パーセントを越えてます。その差5倍あるんですけれども、2大政党制まではまだまだ道のりは遠いと思われます。先ほど信頼がなければ支持率にはつながらないとおっしゃったんですけれども、具体的にはどういったことが支持率、信頼回復に必要だと思われますでしょうか?

蓮舫:過去私たちの先輩も、本当にその支持率の低いところから1個づつ頑張ってチャレンジをして、提案をして、そして政府の問題をしっかり指摘をして2009年につなげたというところがあります。

もう1回初心に返って。1つづつ積み上げていくことに尽きる。それが信頼につながるための行動だと思っていますが、やっぱり野党のみなさま方にご注目いただける場面というのは、国会での質疑であったり、あるいは党首討論であったり、あるいは10月23日の補欠選挙に向けて、街頭でどのような活動、行動を展開していけるのか。

その1つ1つがずいぶん限られていますので、大切にするかたちでしっかりと発信をする、我々は、批判だけではなくて提案をして、政権とは違う、こういう考え方があるということを声高に訴えていく、このことをまず徹底していきたいと思っています。

司会者:ではその次。今の方の斜め後ろのメガネの、はい。

二重国籍問題は?

記者5:すいません、朝日新聞のナカザキと申します。蓮舫さん対案路線ということを掲げてらっしゃいますけれども、民主党時代なんですけれども、前原代表時代に、やはり対案を出そうという路線を掲げられていて、ご努力されたと思います。

その際に、党内で小沢さんをはじめとする「批判をもっと強めるべきだ」というご意見もあって、なかなか党内まとめるのに苦慮されていたかと思うんですけれども、対話路線を掲げるうえで、その発想をどのように活かして党内をまとめていかれるか、ということと、対案路線を掲げると、共産党をはじめとする、野党共闘について国会内での協力が少し難しいところがあるのかなと考えるんですけれども、その点はいかがでしょうか?

蓮舫:はい、それはもう「テーマによる」という一言だと思います。例えばその閣内の不祥事であるとか、国民のみなさま方に納得のされないような問題が起きたときには、それは対案前に問題の指摘、そしてなぜそういう問題があったのかの説明責任を求める。これはもう当然だと思っています。

他方でその対案の内容にもよります。例えば安保法制に関しましては、やっぱりその憲法に集団的自衛権の行使の部分で、抵触するということがありますので、これはやっぱり対案は出しますけれども、そことは一線を画するという部分で、ほかの野党と協力してきた経緯がありますので、そこを大きく振り切っていこうという話ではないと考えています。

司会者:ではその次。後ろのアズミさん。

記者6:フリーランスのアズミと申します。二重国籍についておうかがいいたします。13日に、これについて説明されましたが、そのあとに党内で一連の説明の仕方について批判が出ております。

信頼を積み重ねる政党にしたい、それから信頼がなければ支持率につながらない、と先ほどおっしゃいましたけれども、党内の信頼についてはどうお考えなのか、また国民の信頼にどう結びつけていくのか、それについておうかがいしたいということと、あと代表選で専任されたとうことで禊は済んだとお考えなのかどうなのか。

蓮舫:党内外に向けて、やっぱり信頼していただくためにも、しっかりとその都度説明をしていきたいと思います。

衆議院の解散がいつ起こっても態勢はすぐ整う

司会者:ほかに。じゃあファクタのミヤジマさん。

記者7:ファクタのミヤジマです。蓮舫さんの演説もぐっときましたけど、やっぱり前原さんの演説ってさすがだと思いましてね。代表戦終わった後の決意表明で、前原さんから非常にたくさんのことを学んで、「All for All」の考え方を踏襲するとあえておっしゃった。

これはやっぱり新体制で、この旗をどういうかたちか知りませんけれども1つ掲げるという決意表明なのかどうなのか。そこをうかがいたいですね。

蓮舫:前原さんの考え方、国家間のあり方、民進党の目指す国家像、それは応分の負担と、それに見合う行政サービスをしっかり提案をしていくという考え方は、慶應大学の井手先生と一緒にした党内の勉強会で私も聞いていましたので、まったく違和感はありません。

あるいは、その玉木さんがおっしゃるような「こども国債」というある種新しい、斬新な考え方も含めて、財源は行革だけではないんだという、いわゆる予算の振り替えだけではないんだという部分が今回の代表選では新しい結実として1つ出たと思っているんです。

この考え方をもって、今度指名をさせていただく政調会長には、その方向性でまとめていきたいというのが私の意志だということを示そうと思っています。

司会者:じゃあニコニコナナオさんお願いします。

記者8:ニコニコ動画のナナオです。よろしくお願いします。選挙お疲れ様でした。

これは新聞報道なんですけれども、民進党の有力議員から、選挙期間中に「蓮舫さんが代表になれば、すぐに衆議院を解散される」と、そういった発言がありました。これはおいておいても、解散総選挙はいつ起きてもおかしくないわけなんですが、新代表の心の準備はいかがでしょうか。

蓮舫:衆議院の解散は、まさに常在戦場ですから、いつあっても、しかも解散権は総理がお持ちですので、我々がどうこう言うものではありません。

いつあってもしっかり戦っていく態勢で、すぐ整います。

一言で言えば「新世代の民進党」

司会者:ほかに。じゃあそちらの後ろのヨコタさん。

記者9:フリーのヨコタハジメですけども、原発再稼働に慎重な泉田知事が出馬撤回した新潟県知事選についてなんですが、昨日の朝日の報道で民進党県連と本部が候補者擁立断念という記事が出てたんですが、このままだと、再稼働容認候補が当選してしまうと。

こういうなかでニュー民進党の蓮舫執行部として、泉田知事を引き継ぐ再稼働に慎重な候補を擁立するお考えがあるのかおうかがいしたいんですが。

蓮舫:まず岡田前代表からどういう経緯があったのか、話をしっかり引き継ぎます。あわせて新潟県連がどのような考えでいるのかまだ聞いていませんので、それを聞いてから考えを決めさせていただきたいと思います。

記者10:ビデオニュースのジンボウです。蓮舫新代表のもとでの民進党を一言で表現するとどんな民進党になるのか、そしてそれはこれまでの過去の民進党とどう違うのか。お願いします。

蓮舫:新世代の民進党です。なにも年齢ということではなくて、みんなが新しい世代をしっかりつくっていく。

民進党の最初の代表戦ですから、これをやはり旗にしっかり掲げて、全員野球で前に進めていきたいと思っています。

記者11:読売新聞のフジワラです。2点お尋ねします。

先ほどの前原さんと玉木さんに関するお答えに関連することなんですけれども。この代表選で争ったお2人を、政調会長含めて、新執行部の要職で起用するお考えはありますか?

蓮舫:人事はまだ白紙です。今回一緒に戦った方も、あるいは私の選対で中心として働いてくださった方も、それ以外の方も、今いる衆議院と参議院の現職の国会議員は全員がたいへん専門性が高い、それぞれ能力がある。

私はやはりまだまだ勉強しなければいけないところ、足りないところがあると思っておりますので、そのみなさんに支えてもらう代表でありたい、託す・委ねることができる代表でありたいと、途中でも話をしてきました。その部分では、白紙のうえで、誰が適任なのか、これはしっかり考えたいと思います。