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オープンデータ/シティプロモーション先進事例の紹介(全2記事)

2016.09.16

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さいたま市民はナポリタンが好き? データが教えてくれる意外な街の魅力

提供:株式会社リクルート住まいカンパニー

8月23日、リクルートと総務省が共催した街プロモーションをデータから考えるシンポジウム「Machi. Data. Matching.」。オープンデータの利活用による街の魅力向上に取り組み、先進事例となっているのが横浜市やさいたま市です。本パートでは、さいたま市がどのようなかたちでオープンデータをシティプロモーションに活用しているのか。具体的な事例が紹介されました。

さいたま市はオープンデータをどう活用しているのか?

司会者:続いてシティプロモーション先進事例の紹介を、さいたま市役所都市戦略本部シティセールス部主任、中村満枝さんにプレゼンいただきます。

(会場拍手)

中村満枝氏:みなさん、こんにちは。今までの方とは違い、私はこのような場に立つのがはじめてなので、すごく緊張していますけれど、横浜市さんからこの扇子をいただいたので、私も振りながらがんばりたいと思います(笑)。よろしくお願いします。

さっそくではございますが、まず、さいたま市の紹介からさせてください。みなさんご存知かと思いますが、さいたま市は埼玉県南東部に位置しております。

平成13年5月に、旧浦和市、大宮市、与野市が合併いたしまして、平成15年4月には、全国で13番目の政令指定都市へと移行しました。その後、平成17年4月に、旧岩槻市と合併を行って、現在にいたります。

シティセールス部についてもお話させていただきます。平成25年に、訪問・定住人口などの増加を目的として「シティセールス推進課」として誕生いたしました。この時の人口は125万人です。

今、127万人となってるのが、今年の8月時点ですが、2万人増えているのは、きっと私たちががんばったからだと思っております。笑っていただけると……緊張がほぐれます(笑)。

(会場笑)

ありがとうございます(笑)。そして平成26年には、組織改正で「都市戦略本部シティセールス部」となり、今にいたります。

組織立ち上げ当時は、どうやってさいたま市をセールスしていくか、ということでだいぶ苦労がありました。

イベントのPRやマスコットキャラクターの利活用を中心で行っていたこともあり、なかなか庁内にもなにをやっているのか理解されにくいものでした。これが簡単なシティセールス部の生い立ちです。

「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」で市をPR

本題に入ります。「市をPRしなさい」と言われても、効果的なやり方や見せ方がパッと思い浮かぶものではありません。

話が変わりまして、少し市のPRを兼ねてさせていただきたいのですが「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」をご存知の方ってどれくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。けっこういらっしゃるんですね。なんと今年で4回目になります。今年は10月29日開催です。さいたま新都心駅で開催いたしますので、ぜひお越しください。

そして、私の着ているこのポロシャツ、「2016」と書いてあるんですが、これが今年のポロシャツと、またこのネームプレート。こういったグッズも販売しておりますので、よろしければ購入してください。このようなことを、さいたま市のPRも兼ねてやっていたりもします。

ランキングデータをPRに活用

話を戻しますが、市をPRする、さてどうしようか? そこでまずなにをしたかと言いますと、まずは市内での知名度の向上に着目いたしました。

本市は、先ほどご説明したとおり、4市が合併してできた街ですので、お互いそれぞれ、元の市の魅力を知らない部分があるはずです。まずは、市内住民の方に市のことを知ってもらうことから始めました。

そして、昨年度からはいよいよ定住人口の増加を測ることを目的に、主に転入者の最も多い年代である20代〜30代、流入してくる方の転出元で一番人数が多い東京都特別区の在住者の方をターゲットにしています。これは総務省の「住民基本台帳人口移動報告」をもとに出しているデータです。

最近ではさまざまな自治体が、定住に向けた冊子を作っておりますが、本市でも、今年度は市内での生活が思い浮かぶような内容で冊子を作成しております。そこに、さらに興味を持っていただくためにランキングデータを活用しております。

とくに総務省の「家計調査」、リクルートさんの「住みたい街ランキング」。今は改修中で見ることができませんが、経済産業省の「生活コストの『見える化』システム」を活用しております。

家計調査を分析しますと、市内の消費動向、例えば、さいたま市民はスパゲティを多く食べるとか、旅行に多く行く、新聞をよく買っているなど、市民の生活がわかります。ここに表示しておりますが、スパゲティ購入額1位、トマト購入額4位ということで、ナポリタンをよく食べることがわかります。

(会場笑)

笑っていただいて、ありがとうございます。これだけでナポリタンに結びつけるのはかなり厳しいですね(笑)。

次は、住みたい街ランキングです。関東だと、先ほどもデータが出てきましたが、大宮駅21位。これだけだと「関東? 21位じゃ高いほうかな?」となりますが、これをちょっと言い方を変えて「県内1位」と。

「県内で1位は大宮駅なんだよ」と言われると、「おっ」と思うと思います。表現方法を変えながら見せていく方法もありかな、などと考えております。

そして、私も驚きなのですが、ショッピングセンターまでの距離の近さが全国1位なんです。

こういったランキングは出し方を工夫することにより、市の隠れた魅力の表出につながる大切なデータだと感じております。

さいたまで暮らすイメージを冊子で伝える

さて、さいたま市では今年度さいたま市をPRする冊子を作成すると先ほどお伝えしましたが、これが現在作成中のページの一部です。

右側が、まず子供が小学生の時ということで、Aさんファミリーの1日の過ごし方を出しているページとなっております。

まず、「大宮ナポリタン」を食べて、氷川神社に行って、大宮公園を通りながら、NACK5スタジアムに行き、Jリーグですね、大宮アルディージャの試合を観るといったモデルを出していったり。

左側をBさんファミリーといたしまして、こちらはお子さんが中学生になったということを想定しています。

コクーンシティにある「MOVIXさいたま」で映画を見て、さいたま市で採れたヨーロッパ野菜を使っているお店でランチを食べて、最後に市内の温泉施設に行く、というふうに出していき、さいたま市で暮らすイメージがしやすいような構成にしております。

また、先ほどスパゲティ購入額1位、トマト購入額4位とナポリタンを無理やりつなげましたが、今、大宮では新たな名物として「大宮ナポリタン」を育てていこうとしております。これはデータから取ったものではなく、大宮アルディージャのオレンジにちなんでいるということです。

こういったことを、先ほどデータにもありました、ショッピングセンターまでの距離が近いことや、大宮ナポリタンにかこつけて、スパゲティの購入量が4位ということを、こちら右下と左下に豆知識というかたちで、ランキングデータを活用しようとも考えています。そういうことで、さいたま市に興味を持ってもらうこともできると考えております。

ターゲットに沿った表現の工夫が必要

まとめに入りますが、我々、さいたま市シティセールス部は、総務省の家計調査や民間調査のデータを活用し、県内1位、県南で1位など、特徴のあるデータを集めることが大切だと思っております。

どのデータをもとに、どのターゲットに沿う表現をどうやっていくか、こういったことがシティプロモーションに必要であるとも感じております。

本市では、今後データを活用しながら、ターゲットがさらに関心をもつように、ターゲットが気になるであろう、本市の特徴をPRしていきたいと考えております。

最後になりますが、国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ2016」が9月24日から12月11日まで、市内各会場で開催されます。新宿駅、東京駅から30分のさいたま市にぜひお越しいただき、見ていただければと思います。

途中と最後にPRが入ってしまいましたが、今日はこのような機会をいただきありがとうございました。

(会場拍手)

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