東京五輪で重要なのは「アスリートファースト」

記者1:50年以上ぶりにオリンピックの旗が東京に来ました。あらためて今どのようなお気持ちでしょうか。

小池百合子氏(以下、小池):この50年間プラスアルファで、日本は人口増、そして高度成長から今まったく50年を経て新たな時代に入っていると思います。

それだけに、新しい時代を作るためのオリンピック旗をリオから運んできたということは、私としてもとても責任を感じておりますし、将来の東京、日本を作るという意味では、描き甲斐のある青図をぜひとも実行していきたいと思っております。

記者1:リオオリンピックは東京都内、そして全国にも大きな盛り上がりを見せていました。機運の高まりというところで、今後どのようなことに注力されますか。

小池:なによりも今回は、日本選手、各種目で本当にすばらしい成果を残してくれました。金銀銅あわせて41、それに入賞者もたくさん輩出して、本当にすばらしい成果だったと思います。

それを踏まえましても、会場の問題、仮設なのか高すぎるのかいろいろと議論はございますけれども、やはり中身はアスリートのがんばりによるものが一番大きいんだなということをつくづく感じてまいりました。

しかし、そのアスリートのみなさんが活躍しやすい会場をどうやって作っていくのか。このことに注力していきたいと思っております。

いずれにしても、「アスリートファースト」というのをやはり最初に持ってこないと、東京オリンピック・パラリンピックが結局、箱物だけが残りましたというかたちになってはいけないと思います。

記者1:今、都内がすごく機運が高まっているかと思うんですけれども、今後この状況をどのように高めていくか維持していくかっていうのをお願いします。

小池:これから4年間ずっと持続させながら、この機運を続けていくというのは大変難しいことではあるかと思いますけれども、それだけに今、改革本部のほうで問題点の洗い出しもしております。そのことが逆に機運を高める方向につなげられるように、そのようなことを頭に入れながら進めていきたいと考えております。

「ここは着物でなくちゃ」と思った

記者2:着物姿での世界でのPRっていうのはご自身でも成功されたというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。

小池:はい、やはりここは日本を世界に広げる……少なくとも10億人があのシーンを見るということでしたので、「ここは着物でなくちゃ」と思いました。

ただ、残念ながらバッハ会長から旗を受け取った瞬間から大変な雨になりまして、ずぶ濡れになって、その結果として風邪もリオから持って帰りました。

記者3:あらためて、今回の東京オリンピックはどういうテーマをもって国民や都民が臨める大会になると思われたか教えていただけますか。

小池:アジェンダ2020というオリンピック委員会、IOCのほうも出されておられます。そのためには若者、それから「サステイナビリティ」持続可能な、それから「クレディビリティ」信じられるという3つが重要だということをおっしゃっておられました。

私はとくに、元環境大臣としても、サステイナブル、持続可能なオリンピック・パラリンピックにしていきたいと思っておりまして、いろいろと環境の技術、それからクールビズもそうなんですけれども、都民・国民のみなさんの意識に訴えるような、そんなキャンペーンも張っていきたいと考えております。

記者4:時事通信のサイトウです。知事はかねがねコンパクトなオリンピック、それから簡素に会場も作っていけばいいとおっしゃってますけれども、今日のこのイベントはかなり壮大なものだったと思います。

今後4年間いろいろなイベントをやっていくかと思いますけれども、その点についてもどういうふうにコストを抑えていくかっていうことが大事になってくるかと思いますが、そのあたりをお願いいたします。

小池:機運を高めていくという意味では、いろいろなイベントを行っていくべきだと思っています。

お金がかかるかどうかもそれの効果ということをよく考えて、必要なイベントを行っていくべきだと思っております。

いずれにしましても、都民のみなさま方、国民のみなさま方が納得できる、そういう東京オリンピック・パラリンピックにしていきたいと思っております。これは常に申し上げていることであります。

ありがとうございました。