2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
The Deal with Protein(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:タンパク質についてはいろんなことがよく言われます。筋肉を作るためにたくさん摂取しなければならないとか、痩せるためにも必要だとか。
でも、栄養学はそんな単純なものではありません。1つのものをたくさん摂取するだけで、筋骨隆々になったり、健康になったりはしません。実際、どんなものでも摂取しすぎると健康に害を及ぼします。
タンパク質は高分子化合物の集合体で、いろいろな働きをします。化学反応や免疫反応の手助けをしたり、体の組織構造を形成したり、細胞間の情報伝達の役目も果たします。
タンパク質の化学作用の基本を知れば、どうして体にとって必要なのかがわかると思います。そこで、調査開始です。
化学的に言うと、タンパク質はアミノ酸の連鎖でできています。そしてアミノ酸という有機化合物は、アミン基とカルボキシル基、それに側鎖というものを作るほかのいくつかの原子でできています。鎖状になったアミノ酸はアミノ酸同士の相互作用で、折りたたまれ、安定した三次元構造になり、体内でいろいろな機能を果たすのです。
また、タンパク質のなかには、2種類以上の連鎖が絡みあっているものもあります。血流に乗って酸素を運搬するヘモグロビンもその1つです。
我々の体は、21種類のアミノ酸を組み合わせて、何千種類ものタンパク質を作ります。体の構成成分としてそれらのすべてが大切なのです。
アミノ酸は、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、準必須アミノ酸の3種類に分類されます。必須アミノ酸とは、人間の体に欠かせないけれど、体内では作れないアミノ酸のことをいいます。それで、肉、豆、ナッツ、卵のような食物から摂取することになります。
我々の消化器官は食物に含まれるタンパク質を分解します。まず、胃液で、タンパク質の三次元構造が崩されます。
それから、プロテアーゼという分解専用の酵素で、アミノ酸の鎖を切り離し、1つか2つのアミノ酸に分解します。バラバラになったアミノ酸は、血管と小腸から吸収され、体の色々な場所に送られて、再び新たなタンパク質に合成されます。
非必須アミノ酸の場合はどうでしょう。やはり体にとって必要で、食物からも摂取できますが、体内にある化学物質を合成して自分で作ることができるのです。例えば、エネルギーを作るクエン酸回路の中間体のひとつであるαケトグルタル酸は化学反応により、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、アルギニンの4つのアミノ酸を作ることができます。
このように、非必須アミノ酸は大抵の場合、自分の体が供給してくれますが、体が発育途上であったり、病気や怪我で十分に供給できないことがあります。そのような場合に該当するのが、準必須アミノ酸です。
例えば、早産児の場合、アルギニンが不足し、心臓、肺、脳、腸に様々な障害を起こすことがあります。アルギニン生成にはある化学反応が必要ですが、体が未発育なために、その反応を起こすタンパク質が十分に作られていないのがその理由だと、科学者は考えています。
タンパク質の大まかな基本はおわかりいただけたでしょうか。ところで、タンパク質のサプリメントとして、シェイクやバー、粉末や錠剤が出回っていますが、あれらは本当に効果があるのでしょうか。筋肉増強に役立つと思い込んでいる人も多いと思いますが、本当にそうなのでしょうか。
筋肉増強といえば、普通は骨格筋のことをさしています。骨格筋というのは、大腿四頭筋や上腕二頭筋のように、骨と骨をつなぎ、自分の意思で動かせる筋肉のことです。
骨格筋は筋繊維の集まりでできています。そして、筋繊維は、基本的に筋原繊維と呼ばれる繊維タンパク質を包んだ膜組織でできています。筋原繊維は長いタンパク質の集まりですが、アクチンという細い繊維とミオシンという太い繊維のフィラメントからできています。
筋肉を収縮させるときには、ミオシンフィラメントがアクチンフィラメントを引き寄せるようにして、自分のなかに滑り込ませるのです。
そういうわけで、筋肉組織は絶えずタンパク質を消耗しては生成するという過程を繰り返しています。生成が消耗を上回ると筋肉は増えていくことになります。
運動はタンパク質の生成を引き起こすための化学反応を刺激する1つの方法に過ぎません。筋肉を普段より激しく使うと、筋肉繊維に余分な負担がかかり、細胞膜を痛めるとか、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの接触部分を痛めるとかいう、微小の損傷が起こります。そして、その損傷がタンパク質の合成をさらに促す信号となるのです。
体が筋肉繊維を補修し、新しい組織を作ると、アクチンやミオシンもさらに多く作られます。しかし、筋肉を傷めないと、筋肉を増強できないのかどうかはまだはっきりとはわかっていません。
運動している時にタンパク質を摂取すると、筋肉のなかでタンパク質を合成するためのアミノ酸が体内に余分にできることになります。アミノ酸は体内に溜めておいて、後で使うということはできませんので、ブドウ糖やアセチル補酵素Aのような新陳代謝の過程で使われるほかの有機物に変換されるか、あるいは、分解されて、尿として排出されるかのどちらかなのです。
以上、タンパク質の基本についてお話ししました。
タンパク質は体が機能するためになくてはならないものです。構成しているのはアミノ酸で、アミノ酸には体内で合成されるものもあれば、食物から摂らざるをえないものもあります。
また、タンパク質のサプリメントで筋肉をどんどん増強することができると思ってはいけません。サプリメントは、単に栄養を取り込み、体内でアミノ酸を吸収する1つの方法に過ぎないのです。
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