納得のタイムではなかったが、メダルの重みを感じている

司会者:みなさん、おはようございます。メダリストの記者会見を、これより始めたいと思います。

それでは、第31回オリンピック競技大会2016リオデジャネイロ、昨日の競技におけるメダリストから、お話をいただきたいと思います。

昨日のメダルを獲得し、その後いろいろ取材とか、関係者、ご家族等々にもお会いしたと思いますが、一晩明けて、一夜明けての率直な感想をうかがい、みなさまより質疑応答を行いたいと思います。

司会者:それでは、競泳陣で初の女性のキャプテンを務め、200メートル女子平泳ぎにおいて、92年のバルセロナ大会の岩崎恭子選手から24年ぶりに金メダルを獲得しました、競泳の金籐理絵選手、よろしくお願いいたします。

金藤理絵氏(以下、金籐):終わった直後は、金メダルではありましたが、タイムのほうが納得いくものではなかったので、少し微妙な、喜んでいいのかどうすればいいのか、よくわからないという状況ではあったんですが、たくさんの人に喜んでいただいて、本当にたくさん連絡もいただいて、そして、今このメダルをかけていることに重みを感じながら今ここに座ることができていて、とてもうれしく思います。

今まで数々の世界大会のほうには出場させていただいて、メダルを取るチャンスはあったにもかかわらず、今まで取れなくて。やっとメダルを取れて、みなさんにこのメダルを持ち帰ることができて、本当によかったなと、うれしい気持ちでいっぱいです。

司会者:はい、ありがとうございます。それでは、質疑応答に入りたいと思います。

支えてくれた方の気持ちを考えたら笑顔で過ごせた

記者1:おめでとうございます。金藤さんに質問です。大会の前から、大会始まって自分の競技が始まるまで、あとは決勝の前であっても、終始落ち着いている姿がとても印象的だったんですけど、そこまで落ち着いていられた要因っていうのはなんだったのか、教えてください。

金藤:はい。ええと、もちろん不安はずっとありました。それでも、「もうここまで来たらやるしかない」という気持ちと、そんな不安も一緒に包み込んでくれるじゃないですが、支えてくれた加藤コーチや、もちろんほかのコーチの方々や、日本で応援してくれている人たちの気持ちっていうのを考えていたら、とても笑顔に過ごせました。

記者2:朝日新聞出版でAERAの記者をしていますフカザワと申しますが、金藤選手に質問です。

金藤選手はキャプテンとして、北島康介選手が引退した後のチームを引っ張っていくという存在だったんですけれども、そういった圧倒的な存在感がある方が引退した後、チームをどのように引っ張って、このような水泳陣の結果につながっているのか、ということをうかがいたいです。

金藤:北島選手という大きな存在が抜けたことは、本当に誰もが「心細い」と感じたりしているところではあるんですが、最年長の松田選手だったり、もちろんほかのコーチ陣の方も、みんながチームのことを考えて、いろいろアドバイスもくださって。私自身も相談しやすいような雰囲気というか、そういう場もつくってくださったので。

もちろん若い選手も多くて大変な部分もありはしたんですが、おそらく選手全員が、とくに社会人の選手なんかは、「北島選手の分もやらなきゃいけない」っていうそういう気持ちがあったからこそ、チームも1つになったと思いますし、今回メダルも多数取ることができたと思いますし。

この後まだ2日、とくにメドレーリレーのほうもあるので、さらなる活躍があるんじゃないかなと思います。すいません、ちょっと答えになってるかわからないんですが。

今のところ東京五輪に出場することは考えられない

司会者:はい、ありがとうございます。よろしいでしょうか。ほかにご質問、いかがでしょうか? じゃあ、ちょっと、先にこちらから。

記者3:産経新聞のアムロと申します。金藤選手には、東京五輪についてどう今位置づけられているのか、というのをお聞かせください。

金藤:はい。今のところ、競技者として東京オリンピックに携わるということは考えられません。しかし、なにかしらのかたちで携われたらいいなと思いますし、東京オリンピックの時に、もっとたくさんの選手が力を発揮できるようなサポートを、4年後はしていけたらいいなと思っています。

記者4:産経新聞社のササキと申します。おめでとうございます、そして、お疲れさまでした。一区切り終えまして、今食べたいもの、今したいこと、そして、会いたい人を教えてください。

金藤:はい。食べたい物は、おいしいフルーツタルトが食べたいです(笑)。

やりたいことは、8年前、北京目指させていただいた時は、終わった時の率直な感想というか、「これで私の北京オリンピックは終わったんだな」っていう、そういう気持ちがあったんですが、今回は萩野選手と一緒で、たくさん応援してもらった分、私もあと2日間、全力でみんなを応援したいなと思いました。

会いたい人は、たくさんの人に会いたいんですが、今回応援ムービーをつくっていただいて、その中に地元のスイミング選手だったり高校の同級生だったり、そういう人たちも応援ムービーに出てて、高校ぶりに、卒業ぶりに見た人たちもいたので、ちょっと地元のほうに帰って、同級生だったり地元の人たちに会いたいなと思いました。

司会者:はい、ありがとうございます。それでは最後の質問ということで、はい、よろしくお願いします。

記者5:NHKのイマイと申します。金藤さんに質問します。先ほど、「4年後、競技者としては関わっていないんじゃないか」ということがありましたけれども、近い将来、今年、来年といったところでの競技者としてこの先っていうのを、今どう考えていらっしゃいますか?

金藤:はい。今年に関しては、この後、ワールドカップも出る予定なので、それは短水路の試合になるので、今回達成できなかった世界新記録というものを狙っていきたいなと思っています。来年以降はまだなにも決まっていない状態なので、ワールドカップ等が終わって落ち着いたら、加藤とじっくり話して決めていこうと思っています。

司会者:はい、ありがとうございます。それでは以上をもちまして、本日のメダリスト記者会見を終了したいと思います。