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バドミントン女子金メダル(全1記事)

【全文】タカマツペア、日本バドミントン史上初の金メダル「2人で10年乗り越えてきてよかった」リオ五輪記者会見

リオ五輪、バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得した「タカマツペア」こと、高橋礼華選手、松友美佐紀選手のメダリスト記者会見の書き起こしです。

バドミントン「タカマツ」ペアが悲願の金メダル

司会者:バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得しました高橋礼華選手、松友美佐紀選手の記者会見を始めます。

高橋選手、一夜明けまして、金メダルをどのように受け止めていますか?

高橋礼華氏(以下、高橋):昨日は本当に19オール(19-19)ぐらいからあまり覚えていなくて、「どうやって勝ったんだろう?」という気持ちがありました。

表彰台に上がってもなかなか実感が湧いてこなかったんですけど、試合が終わって携帯を見たときに、たくさん「おめでとう」というメッセージをもらったり、テレビに出させてもらったりして、「あ、本当に金メダルとったんだな」ってようやく実感してきて、本当にうれしいです。

司会者:松友選手はいかがでしょう。

松友美佐紀氏(以下、松友):目標にはしていたんですけど、本当にまさか、オリンピックで一番高いところに、最後まで勝ち続けることができるとは思っていなかったので、昨日の夜は本当にあきらめないでがんばってきてよかったなと思っていました。

司会者:それではみなさまからの質問を受けたいと思います。いかがでしょうか。

高校の恩師の声援を受けて

記者1:河北新報です。よろしくお願いします。予選からずっと高校の田所監督が応援されていたと思うんですけども、実際プレー中に声が聞こえたかどうかというところと、先生にはなんと報告したいでしょうか。

高橋:正直、試合中はあんまり声とか聞こえなくて、声を出してたのかどうかもちょっとわからないんですけど、同期の子から「田所先生がハチマキして応援してたよ」という写真をもらったりして。

そんなことする先生じゃなかったのに、私たちのためにそうやってしてくれるというのは、本当にうれしいことですし、田所先生が自分たちを組ませていなかったらたぶん今ここにもいないと思います。本当に感謝の気持ちなので、「ありがとうございます」と伝えたいです。

松友:田所先生が私たちを組ませていなければ、私たちはこの場にいないと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

オリンピックのレースが始まる前から、たぶん先生はオリンピックのツアーの予約もしていたと思うので、ブラジルまで来てくださって、最後まで見届けてくださって、本当にうれしかったです。

三代目 J Soul Brothersのライブに行くつもり

記者2:産経新聞社ササキと申します。お疲れさまでした。おめでとうございます。一夜経ちまして、いろんなプレッシャーから開放されていると思います。

今、自分へのご褒美はなんでしょうか。それから今一番食べたいもの、具体的な名前も出して、ぜひよろしくお願いします。

高橋:まず自分へのご褒美は、昨日もちょっとバタバタしていてあんまり寝れていないので、今はしっかり休みたいなという気持ちです。

帰ったら私が大好きな三代目 J Soul Brothersのライブに行くつもりなので、それがご褒美かなと思っています。(食べたいものは)私はお寿司でマグロが大好きなので、マグロのお寿司が食べたいです。

松友:自分へのご褒美は、このオリンピックに向けてずっと休みなしでがんばって練習してきたので、少しだけ休みを自分にあげていいかなと思います。一番食べたいものは、おいしいお肉が食べたいです。

世界ランキング1位にかかるプレッシャー

記者3:最後の逆転劇が非常に印象的だったんですけれども、最後まであきらめないという執念がああいう結果に結びついたと思うんですが、ああいう逆転劇を生み出すような練習方法があったら教えていただけますでしょうか。

高橋:あの場面で逆転できたのは、本当に今までたくさんつらい練習だったりつらいことを乗り越えてここまで来ているので、ここでは終われないという気持ちが逆に出てきました。

前の日にレスリングの伊調(馨)さんが逆転して勝っているのを観ていたので、私も逆転できるという気持ちになれて、そういうのが逆転勝ちにつながったのかなと思います。

松友:あの場面の緊張感だったり、ゾクゾク感だったりというのは、試合の本番でないと味わえない緊張感なので、あれは練習できないことなんですけど、あの場面で自分たちの最高のプレーができたというのは、この4年間自分たちがいろんなことを経験してきて、2人でがんばってきた思いがあったから出せたと思います。本当に2人でたくさんがんばってきてよかったなと思っています。

記者4:読売新聞のニシムラと申します。おめでとうございました。

世界のトップで迎えたことで、重圧とかプレッシャーとか、あったと思うんですけども、それとどうやって向き合って、どうやって乗り越えたのか、楽しいと思えるようになったきっかけがあったのか、お聞かせいただけますか。

高橋:一昨年に初めて世界ランキング1位になってからの去年の世界選手権で、自分たち自身にすごいプレッシャーをかけてしまって、「絶対に金メダルとらなきゃ」という気持ちだったり、「負けたらやばい」という気持ちになってしまって、自分たちのプレーを出せずに終わってしまいました。

そこで、自分たちは世界ランキングは1位かもしれないけど、まだ世界選手権でメダルも取ったことがないので、そういう気持ちで戦ってはダメだと思いました。

オリンピックでは自分たちのプレーを出すことだけを意識して試合に挑んだので、正直、オリンピックに入ってからはプレッシャーがぜんぜんなくて、どちらかというと、出場が決まってオリンピックの2ヵ月前とかのほうが、こういうふうに見られて戦っていかなきゃいけないんだなという緊張がありました。

松友:ロンドンオリンピックが終わってから、私たちは少しずつ勝てるようになったんですけど、女子ダブルス世界全体のレベルもどの国も上がってきていて、女子ダブルスは世界的に混戦の時期に、私たちはバドミントンをすることができました。ロンドンが終わってからこのリオで最後って決めてる選手がたくさんいたと思うんですね。

そのなかで決勝で戦ったデンマークのペアだったり、私たちがずっと目標にしてきた中国のペアだったり、インドネシアのペアだったり、韓国のペアだったり、そういう選手たちと試合ができることが本当に楽しくて、その選手たちがいてくれたから今の自分たちがあると思います。

その人たちとのあと何回できるかわからない試合で、少しでも自分たちの力をぶつけて恩返ししたいという思いが今回のオリンピックではあったので、最後に優勝できてよかったです。

地元徳島の応援団への感謝の気持ち

記者5:おめでとうございました。夕べも徳島中学校の関係者とか、地元の方々が、夜遅くでも応援していてたと思うんですけど、松友選手に地元の方々へのメッセージを聞かせてもらうのと、あともう1点、ご家族の方へはもう連絡はされたんでしょうか。

もし話されたのであればどういうことを話されたのか、これから会われるんでしたら、どういうことを伝えたいかというのを聞かせてください。

松友:家族は両親が毎試合ずっと観客席から見てくれたんですけど、まだ優勝したあといんは会えていなくて、たぶん今日帰る前に少し会えると思っているので、メダルをかけてあげたいなって思っています。

徳島県のみなさまには、本当に毎日夜遅くまで声を枯らして応援しているということをたくさん聞いて、私がバドミントンを始めた徳島県という場所がなければ、今の私はいないと思うので、みなさんに育ててもらって本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

記者6:金メダルを取って一夜明けて、あらためてお互いになにかあればひと言お願いします。

高橋:そうですね……やっぱり組んでもう10年になるので、10年前はまさかここまで来れると思ってなかったですし、私が1学年上で先に卒業してしまって、卒業後も組むと思っていなかったので、ここまで自分自身も成長させてもらいましたし、ダブルスのおもしろさだったり、辛いことだったりを2人でこの10年乗り越えてきたので、本当に感謝の気持ちです。

松友:世界の大会に出始めたころは、本当に1回戦負けばっかりで、昨日の決勝で戦った相手と初めて戦ったときも、「こんな人たちにどうやって勝てるんだろう?」っていうくらいボコボコにされていて、そんななかでも2人で「いつかああいう人たちみたいになりたい」「いつかあの人たちみたいになりたい」というのをずっと諦めずにもってきて、出始めのころを考えると、今ここにいることが本当に夢みたいな話だったんですけど。

たぶん先輩と組んでいなければ、この舞台にも立てていないと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

バドミントン界の暗いニュースを乗り越えて

記者7:共同通信のヨシタニと申します。バドミントン界は春先から男子の暗いニュース(賭博問題)もあったり、そういうイメージもあるなかで、お二人のこういう活躍が一番のいいニュースにもなったと思うんですけど、そのあたり今後、次につながるジュニアだったり、バドミントン界全体につながることで思っていることがあればお話しください。

高橋:ジュニアの子たちに関しては、自分たちの昨日の試合で「ああいう逆転劇もあるんだ」っていうことだったり、最後まで諦めない姿勢を少なからず見せられたんじゃないかなって思っています。

まあ男子のことでいろいろありましたけど、それでも自分たちが結果を出すことで、バドミントン界にいいニュースが届けられたならよかったなと思います。

松友:そうですね……まあどんなことがあっても、私たちは「世界で勝てるようになりたい」という目標がブレなかったので、今ここにいますし、これからももっとうまくなりたい、強くなりたいっていう思いをもって2人でやっていくと思うので、これからバドミントンをやっていく子供たちには、純粋にバドミントンが好きで強くなりたいという思いをもって、楽しんでやってほしいなと思います。

バドミントン界、いろいろあったんですけど、それでも一生懸命やってきたことには、こうやってご褒美が返ってくるということをみんなに見てもらえたと思いますし、少しでも自分たちがいいニュースを届けられたなら、よかったなと思います。

司会者:ありがとうございました。

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