蚊が感染症を媒介する理由

あなたはほかのみなさん同様、蚊が嫌いですか? SciShowでは蚊について多く語ってきました。なぜなら蚊はタチが悪いからです。マラリア、ナイル熱、そして今はジカ熱。

ではウイルスが蚊からのみうつるのはなぜか。ほかのウイルスは大丈夫なのに。インフルエンザにかかった人間を刺した蚊がほかの人間を刺しても、インフルエンザは移りませんよね。

蚊が人間に移す、病気を発生させる組織というのは特別なのです。虫と脊椎を必須とするような進化を遂げたからです。必須要素はとても明確で、特定の種類の蚊にしか保有されません。ネッタイシマカのみがジカウイルスを保有します。

人間にかかる蚊由来の病気は2つあります。マラリアは単細胞の病原菌です。ほかのほとんどは節足のウイルスかアルボウイルスです。アルボウイルスは(蚊かマダニ)節足のウイルスにも病原菌にも感染します。

ふつう、ウイルスは細胞をのっとるべくレセプタのタンパク質にくっつきます。細胞のレセプタが適してなければ中には入れません。

アルボウイルスは人間も虫のレセプタも認識できるので、どちらにも感染します。そうして蚊から人間にうつり、虫のレセプタを使い蚊の胃より唾液腺へと移動します。そうして複製して次の人間にうつっていきます。

それに対し、インフルエンザウイルスはその能力がありません。なぜなら虫の細胞を認識できないからです。なのでウイルスが蚊の胃から人間へうつることはふつうありません。

マラリア寄生虫のプロセスはもっと変です。性的に、または非性的にうつりますが、人間と2匹の蚊が必要です。

まず未熟な寄生虫が蚊の唾液腺へうつり、人間の肝臓で育ち赤血球をのっとり分裂します。ウイルスのいくつかは分裂せず、性細胞に前駆体を生みます。精子や卵子の病原菌のようなものです。

それがほかの蚊に吸われ、その中で性細胞が成熟し、新たな寄生虫を生み、次の人間に感染します。なかなか巧妙ですが、病原菌やそれにまつわる蚊への私の考えは変わりませんね。