韓国人学校は白紙化

小池百合子氏(以下、小池):じゃあ、NHKさん。

記者6:補正予算案に関してですけども、予算を提出するということになると、当然議会の理解が必要になると思いますけども、自公が6割以上占めるこの議会のなかでの最初の予算になるわけですけども、これは十分理解が得られるとお考えでしょうか?

小池:かねてより申し上げておりますように、知事である私も、今回、都民のみなさまにお選びいただき、そして議会の議員のみなさま方も都民によって選ばれたものでございます。

この喫緊の課題であります待機児童対策というのは、まさしく都民のみなさま方のニーズに応えるものでございますので、またご説明は真摯に行わさせていただき、前もって議員のみなさま方にもご要望がございましたならば、たくさんあると思いますけれども、それらにも心配りをさせていただいて、この補正予算については議会のみなさま方にもご理解をいただいて、一刻も早く実施できるようにしてまいりたいと考えております。

それからすみません、1つ訂正がございますけれども、先ほどビジネスクラスとスイートルームを使わないと申し上げましたけれども、ファーストクラスに訂正をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。はい、後ろの方。

記者7:TBSのシナダと申します。よろしくお願いします。今週、初登庁された日なんですけども、川井(重勇)議長をはじめ自民党側の態度が不適切だということで、講義や批判の声が寄せられてるということなんですけども、その点について知事はどうお考えでしょうか?

小池:川井議長、副議長にお迎えをいただいて、大変ありがたいと思っております。そして議会のみなさま方とは、それぞれの会派によって濃淡は確かにございましたけれども、しかしどれも大切な会派のみなさま方でございますので、都民ファーストは、議員のみなさま方にとっても同じことだと思っておりますので、そこは真摯に取り組ませていただき、都民のみなさま方にご迷惑がかからないように、最善を尽くしたいと考えております。

記者8:東京新聞です。選挙期間中に韓国人学校(貸与予定地)を視察されていましたが、やはり知事になって、白紙に戻すという方針に変わりはないのでしょうか?

小池:答えはイエスでございます。地元のみなさま方にも、選挙が始まる前でございましたが、お会いをいたしまして、反対の署名がすでに2,500筆集まっておりました。そしてまた地元のみなさまの声を反映して、じゃあどうするのかというということについても、よくみなさま方のお声を聴いてまいりたいと思っております。

地域のみなさま方のご要望は、いつ、どこで、どういうかたちで決められたかわからない韓国人学校の建設について、地元にも十分な説明がなかったということが1点と、それからこの所有地を有効にするのであるならば、保育、そして高齢者に対してのケアについて、ご要望がございました。

これについては、都庁の担当にどういうかたちで、なにが実現できるのかについて、研究をしてもらうようにいたしたいと考えております。

テロ対策についても考えていく

記者8:同じ問題で、(前)知事が韓国側に約束された話ですよね。これを撤回されるというのは、かなり問題だと思うんですけど。

小池:これについては、実際どうであったのかをまだよくうかがっておりません。舛添さんから直接うかがうのがよろしいのかと思いますけれども、しかし、それについては韓国の関係者にはきちんと手当てと言いましょうか、ご説明はしていく必要はあるかと思います。

しかしここは東京であり、そして日本でございますので、わが国が主体となって判断をするものと考えております。

記者9:『めざましどようび』のナガノと申します。よろしくお願いします。小池知事のファッションが毎回話題になっておりまして、今日もとてもすてきなお召し物だなと感じたんですが、丸川(珠代)新オリンピック担当大臣の就任時のお衣装が、小池知事の就任時のお衣装とよく似ていたというのが話題になっていたんですけれども、どのように思っていらっしゃいますでしょうか。

また、丸川大臣とは2020年のオリンピックの成功に向けた連携については、もう直接お話にはなったんでしょうか。

小池:大変ワイドショー的な話題で、ありがとうございます。コメントはとくに申し上げることもないかと思いますけれども、まあ……なんでしょうね。

丸川さんは、立場として選挙中におっしゃったというのは、彼女は大変聡明な方ですから、そこは理解されて、私も言ってみれば大先輩になりますので、そこはちゃんと受け止めております。ですから、そのへんのコメントについては、スタジオのコメンテーターのみなさまにお任せしたいと思います。

オリンピック・パラリンピックの成功は、担当大臣になられたからには、ともに連携してやっていくというのは当然のことでございますので、丸川大臣もその点はよくご存知だと思います。

なお、オリンピック・パラリンピックの大臣がなにをするのかと、遠藤利明大臣にお聞きしたところ、「ひと言でいうと、テロ対策」という答えが返ってまいりました。ですからむしろ「この会場をどうして、こうして……」というよりは、セキュリティという大きな役割が彼女に課されるものであると認識いたしております。

もちろん私も、首都防衛と言いますか、テロ対策というのは私の都知事としての所管に当然入ってくるわけでございますけれども、そういった点で、役割的にみなさんが想像されているものと若干違うのかなと思っております。

築地市場の移転見直しはあるか?

記者10:東京新聞のウチダと申します。築地市場の移転時期の見直しについておうかがいしたいと思うのですが。

小池:選挙中もいったん立ち止まるというお話をさせていただきました。昨日も都の担当から説明を受けたところでございます。

一方で都からすれば、この問題は、とにかく11月7日のオープニングに合わせて、引越しもすべて決まっている、まして100日前のイベントもやっているということで、すでにオンゴーイングな話だと。このように承知をいたしております。

一方で私も環境大臣をやっておりました頃から、東京ガスの跡地には足を運んでおります。3.11などもございました。そういった点で、安全性もふくめて、それから繁忙期にかかるということで、11月7日の先延ばしを望む方々もおられると聞いております。

これまでの知事が直接市場関係者と、ヒアリングをされたことがあるのかどうか、これも確認しながら、やはり都民ファースト、実際にその市場関係者の方々が都民であり、その後の築地の話をすると混乱するかもしれませんけれども、私は一度、都のほうにはしっかり聞いておりますけれども、そのステークホルダーである方々にお話を聞く時間を設けたいと思っております。

いずれにしましても、11月7日というのはもう決められているなかにおいて、そこで都民のみなさま方の納得が得られるようなものなのかどうか、8月にはもう農水大臣の承認がございますね。それから10月は事実上の安全宣言になるのかどうか。これらのスケジュールを見ながら、そのなかでなにができて、なにができないのか、見極めるという意味で、「いったん立ち止まる」という表現を使わせていただいているということでございます。

副知事の人事について

小池:じゃあ、一番うしろ。

記者11:TBSテレビのナカタと申します。副知事の人事に関してなんですけれども。若狭(勝)氏が意欲をみせているという点があるんですが、起用する可能性についてお聞かせください。

小池:若狭さんは私の盟友であり、今回の私の選挙も若狭勝さんなくしてはなかったというぐらい、たいへんその力量とその男気には、私は感謝をしているところでございます。

なお、このあと改革本部を都庁内に設けてまいる際には、さまざまな問題点のある種、あぶり出しと言っていいんでしょうか、それらについてはプロ中のプロでございますので、ぜひお願いしたいところではございます。しかしながら、彼自身が今も衆議院議員であるということ。

昨日、私は二階(俊博)幹事長にも、また安倍総理にも、処分については区議を含めて寛容にお願いをしたいということで、お願いを申し上げてまいりましたので、今後も自民党の議員として衆議院議員として活躍されることだと思っておりますが、今は、総合的に判断をしてまいりたいと、このように思います。

いずれにせよ、私にとりましては、たいへんな理解者であり、また助言をいただける方でございますので、これからも連携を続けていきたいと思っております。

で、都庁の人事全体につきましては、まずは、私自身、都庁に来てまだわずかでございますので、まず私自身がしっかりと、この都庁の空気を含めてしっかりと学び、そしてまた、どのようなかたちで今後進めていくのか、まさしく総合的に考えて判断してまいりたいと、このように頭のなかでは描いております。

ガラスの天井を突き破る

記者12:テレビ東京のオオタと申します。「ガラスの天井を突き破る」を小池都知事はまさに体現されているわけですが。国政において、野党の代表に、蓮舫さんが立候補する見通しとなっております。この受け止めをお願いいたします。

小池:私は、「glass ceiling」という言葉を、ヒラリー(・クリントン)さんがお使いになって。この言葉はよくアメリカなどでも世界でも使われる言葉。つまり、女性が頭を出そうとするとゴツンとぶつかるのが「ガラスの天井」ということでございます。

かつてそれを問われた時に、私は「iron ceiling」と、ガラスどころか鉄鋼だと申し上げたことがございます。実際に、それはございますが、それは打ち破っていかなければ、次に続く人が出てこないと思っております。

ですから、私自身なんでも「初の女性なんたらかんたら」というのがつくことが多いんですけれども、満身創痍になっても、そのあと優秀な方々が、ちょっとおこがましい言い方かもしれませんけれども、たくさん出てくだされば、この日本ももっと別の意味で活性化されるのではないだろうかと思っております。

よって、世界的に見れば当たり前のことがようやく起こってるということでございますので、民進党の代表戦においてもがんばっていただきたいと思っております。

スケジュールを決めることで優先順位をあぶり出す

記者13:朝日新聞のイトウです。政策についておうかがいしたいんですけれども。舛添知事の作られた「長期ビジョン」、評価される発言も選挙前の会見であったかと思います。その点について、具体的な事業で、これは継続してもいいんじゃないかというものがあれば、教えてください。

それと、また逆に見直したほうがいいんじゃないかというのも、今日までのブリーフィングを含めて、知事の考えを教えてください。

小池:私は、この舛添知事のときに出されたというか、かなり以前から仕込みがあって、そして舛添知事のときにまとめられたとうかがっておりますけれど。

「長期ビジョン」については評価をいたしております。というか、東京が抱えている課題というのは、もう誰がなにをやっても、基本的に同じ項目が並ぶんだろうと思います。

それを今回は2020という、長期で「いつまでやるの?」みたいな話ではなくて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを1つの区切りに、もう一度デッドラインをひとつ、第1段階のデッドラインを設定することによって、より可及的すみやかになすべきことと、それからそのあとの2020年以降の、つまり東京オリンピック・パラリンピック以降の東京という姿と。

やはりアジェンダは、緊急性によって変わってくるものだと思います。ですから、「長期ビジョン」をベースにしながらも、2020という、そのスケジュールを決めることによって、より緊急性、そしてさらにはそのあとを睨んだ政策が描けるのではないかということでありまして。まあ、ある意味、重なるといっても過言ではないと思います。

どの課題も政策もすべて、重要といえば重要になってしまうんですが、2020年という時限を明確にすることよって、より緊急性があぶり出されていくという考え方でございます。

待機児童などは、まさしくそのひとつの例でございますし。それから首都直下型地震、防災という観点もそうでございますし。

それらのことを、優先権を決めながら、それを、予算配分も等しく、それに優先権とともに決めていくという、そのような作業をしてまいりたいと思っております。

児童相談所への相談件数増加について

記者14:読売新聞のハマダと申します。最近、児童相談所での虐待対応件数が過去最多になったというニュースがありますけども、知事は今日23区の区長会と面会に行かれると思うんですが、区長会はかねてから児童相談所の23区への移管を求めていたんですけども、知事のお考えというのは今のところいかがでしょうか?

小池:児童相談所への相談件数はおっしゃるとおり大変増えております。逆に言えば、相談しやすくなったということも言えるのではないかと思うわけでございます。一方で、実際にそういった案件が増えていることについては、非常に残念に思うところでございます。

要は、受け止めるところが多くなれば、相談をすることによって、問題が解決へと近づくのであるならば、児童相談所の役割は果たしているのではないかと思います。

23区の区長会で大変熱心に移管の問題、移管というのは、お金もつながるわけでございますので、ご要望が出てるということはうかがっております。また、23区ひとまとめといっても、それぞれ濃淡がございますので、そのあたりは、まさしくそれぞれ必要な区をおうかがいしながら、23区まとめてというよりは、それぞれオーダーメイドのかたちがよろしいのではないかと思っております。

いずれにしましても、23区長会としましては初めてお会いいたしますので、その点についてもこれから双方向で連携を取らせていただければと思っております。

都民の意識があまり電柱に向いていない

記者15:インターネットのニュースサイト「THE PAGE」のグシケンと申します。よろしくお願いします。2020年に向けた実行プランを策定されるということで、これについては以前から掲げておられた、東京の無電柱化もきっと導入されることだろうと思います。

それについて、今まで東京都で無電柱化があまり進まなかった、数パーセントでとどまっているという現状についてどうお考えなのかということと、可能な範囲でけっこうなのですが、今後どう進めていかれるかということをお教えいただけますでしょうか?

小池:ありがとうございます。無電柱化は、私自身『無電柱革命』という本まで書いているところで、ぜひお読みいただきたいと思います。

無電柱革命 (PHP新書)

なぜ進んでいないかというのはいくつかございますが、第一に国民の、都民のみなさまの意識があまり電柱にはいっていない。当たり前だからです。当たり前すぎてみなさまが認識されていないというのが1点。

それから、今なにも困っていない。これは意識と同じですけれども、意識がないために、それで困っていないということだと思います。

2つ目、やはりコストが高いということです。これまでのいろんなコスト計算ですと、電柱にした場合と、無電柱した場合とでは、10倍から22倍するということでございまして、費用が高すぎるじゃないかということでございますが、競争のない世界でありますので、イノベーションがあまり行われていなかったというのが1点。

それから2つ目には電線・通信線を非常に奥深くに埋めなければいけないという、電力会社が持ってる規則なんですけども、かなり深く埋めなければならなかった。

それから、トランスについてもほとんど競争が働きませんので、大きいままであったということで、「うちの前に置くな」という反対にあうということであります。

無電柱化のメリット

そしてこの2つがあるということは、要は、意識を変えるということ。電柱をなくすことによって、自転車、ベビーバギー、シニアカーなどがうんと通りやすくなるというのが1点と、それから熊本の時も、東日本大震災の時も、阪神大震災の時も、電柱が倒れることによって、結局、緊急物資輸送路の確保と言ってるけれども、電柱が倒れたら、結局そこは通れなくなるんです。これは現実なんです。

景観の観点というよりも、私は阪神大震災の経験者でございますので、防災の観点で申し上げております。ということで、意識を変えましょうというのが1点。

2つ目のコストでありますけれども、国交省・経産省ほか関連の省庁で、つくばの実験場でどれぐらい深く埋めなければならないかという実験をいたしました。

そうするとこれまで80センチの深さだったのが、25センチでいいという話になりまして、かつ、電線と通信線と離さなければいけないと言っていたのですが、管を通せばいっしょでもいいということで、かなりコスト削減ができるという話になります。それによって、工事期間が短縮されるという話にもなります。

トランスについては電力会社にお願いをしなければなりませんけれども。ですから、これほどなにも手つかずであった分野はない。それから、ここのイノベーションを図ることによって、街がきれいになって、付加価値がついて、これからオリ・パラでもっと多くの海外のお客が来られると。スカイツリーを見ようとしても全部横線が入っちゃうんです。

という話で、きれいな街になり、かつ防災の意味でもそれに資すると。

だいたいみんなが気づかないことに私は大変意欲を燃やすほうでございまして、ぜひこの点についてはさらなるイノベーションとコスト削減、そして都民のみなさま方の関心を高めることによって、無電柱化を進めていきたいと思っております。

ぜひみなさま方もキャンペーンをやっていただければと思うところでございます。

防災対策のなかで一番最初に取り組むべきこと

小池:最後に、コソコソといつも聞かれている……(笑)。

記者16:フリーのヨコタハジメです。築地市場移転について、22日での現地での街宣で安全性の確認と、市場関係者の納得をいただくということをおっしゃって、築地関係者の方々にお会いするという意欲を示されましたが、納得をいただけなければ11月7日の予定の延期もありうると考えてよろしいんでしょうか。

安全性の確認について言えば、発がん性物質が基準値以上と、都の担当者以外の専門家の指摘があるんですが、そういう方ともお会いになって話を聞くお考えはあるのでしょうか。

小池:仮定の話でございますけれども、私はやはり聞いていきたいと思っております。もう賛成されている方は、「なにを今さら」と言う。でも、その「なにを今さら」という話も聞きたいと思っております。そして反対されている方々の理由、「じゃあどうすればいいか」ということについてもうかがっていきたいと思っております。

そして専門家から安全性に関するいろんな声があがっていることについても、すでに聞いてはいるんですが、あらためてヒアリングをさせていただいて、そもそも築地市場というのは東京の宝であり、次の豊洲市場というのは都民のみなさまの胃袋になるわけでございますので、やはりいろんな声があるうちは、都民のみなさま方の本当の納得にはつながらないんじゃないかと思っております。

そういった点で、関係の方々にお話をうかがいたいと思っております。

それをするからこそ、多くのみなさま方にご安心いただけるようなことを、都庁のほうはやってきたと思っておりますので、それについてもみなさま方からお話をうかがっていきたいと思っております。

記者16:延期はあり得るという理解でよろしいんでしょうか。

小池:いや、それは仮定の話でございます。それでは、最後のご質問にさせていただきたいと思うんですけれども。

記者17:テレビ朝日のウチダと申します。防災対策も喫緊の課題だと思うんですけれども、なかでも、一番最初に知事が取り組まなければならないと思っていることはなんでしょうか。

小池:やはり耐震化・不燃化を進めていくということでございます。その点については、国のほうでも取り組んでおられるわけでございますし、連携しながら耐震化・不燃化を進めていけるように、さまざまな支援をしていきたいと思っております。

ちょっと手を加えるだけで、建物の強度は増すと言われております。倒れてしまってからでは遅いわけで、前もってそれをすることの重要性というのを考えながら進めていきたいと思います。地域として考えるならば、木造密集地域の安全性の確保ということで、それも同じことだと思います。

それでは今のご質問で最後とさせていただきますので、また次回どうぞよろしくお願いいたします。