自民党・都議会との今後の関係性

記者7:朝日新聞のイトウです。就任おめでとうございます。知事給与の半減ということなんですけど、議会に条例案を提出する時期など、具体的なところを教えてください。

小池百合子氏(以下、小池):これから行財政改革を進めていくということを標榜いたしておりますので、まず身を切る改革の象徴として、私は知事給与の減額、半減ということをうたわせていただいております。事実でございます。

これについては今、事務方にどのようなかたちで行うのがいいのか、半額にすることによって、寄付のようなかたちにならないためにはどのようにするのか、そういった制度面も含めて検討していただいているところでございまして、具体的な内容が決まればお伝えしていきたいと思っております。

いろいろ考え方があろうかと思いますが、寄付というかたちになるのか、そのルールも含めて進めていきたいと思います。それが整い次第、議会にもおはかりをするというかたちになろうかと思います。

記者8:NHKの『ニュースウォッチ9』のイトウと申します。今日、各会派を回られたと思うんですけれども、議長・副議長のところを回られまして、小池さんが戻ってくるときに、「握手、嫌そうな顔してたね」ということがボソッと聞こえてきたんですけれども、どのような思いだったのか。また、自民や都議会との関係をこれからどう改善していくかというところをお聞かせください。

小池:まあ、これまで選挙期間中にいろいろな発言があって、不愉快な思いをされた方もおられるかと思いますが、都議会は車の両輪でございます。行政を代表する知事と都民の代表であられる都議会とこれから車の両輪で進めていきたいと思っています。

議長・副議長のところで記念写真のひとつもお撮りしたかったんですけれども、そうはいかず、とても残念な思いでございましたが。

議会を代表する議長には、これから都民ファーストでこういったことを進めていきたいということを真摯にお願いをし、ご理解を深めていただきたいと思います。

やはりお互いに都民の代表であるということで、都民の利益にとって必要なことというのは、必ずどこかで接点が出てくるはずでございますので、そのことをゆっくりお願いをしていくということになるかと思っております。

東日本大震災の復興支援について

記者9:時事通信のサイトウです。東北の復興支援についておうかがいしたいと思います。東京都はこれまで職員を派遣したり、支援を行ってきたと思います。その一方で、舛添前と都知事はなかなか被災地の視察に行かずに、批判を浴びたりもしました。

今後東京都として、東日本大震災の復興支援にどのように関わっていくのかということと、とくに福島県については、今年の4月に水素エネルギーの研究や生産について協定を結んだと思います。そのことを今後どのようにしていくのか教えてください。

小池:東日本大震災の被災者の方々は、まだご自宅ではなく仮設住宅……そして公営住宅に移りつつあると思います。つまり、まだなにも終わっていない状況。ing系だと思います。

私も議員として、被災地を何度か回らせていただきました。当時、総務会長を務めておりました折には、小学校入学の子供たちにランドセルをお送りしようとTwitterでつぶやいたところ、何千個ものランドセルが届いて、総務会長室がランドセルでいっぱいになったということもあります。

東京都として、当時は職員の派遣もいたしていたかと思いますし、今もそれぞれの市町村や県も含めてお支えしているかと思います。

私はやはり、福島を含む被災地の方々、これは東京都として支えていくのは当然の話だと思いますし、ただ支えるだけでなくて、福島などの地において新しい産業を支えていくということ、これは雇用の問題やそこでご生活なさっている方々の希望にもつながることですので、(舛添前都知事への)ご指摘もございましたので、もう一度被災地の方々への支援を改めて確認をさせていただきます。

私としても被災地支援の気持ちは変わりませんし、それを強化して、かつ見えるかたちで。私自身が被災地に出向くこともあろうかと思います。それらも検討してまいりたいと思っております。

また、水素ステーションという話もございました。水素ステーションは、燃料電池車であったり、オリンピック・パラリンピックのさまざまな公共の輸送にも使えるし、東京湾の屋形船を燃料電池で動かすという話もございます。

1つの新しいエネルギーとして有望かと思っておりますので、それについても引き続き、この福島も含めて、水素ステーションについては取り組んでいきたいと考えております。

オリンピックで国・都・組織委員会の足並みは揃うのか

記者10:読売新聞のホシムラと申します。よろしくお願いいたします。先ほどの五輪調査チームの件なんですけれども、一方で並行して現在、舛添さん遠藤さん森さんで決めた三者協議が事務レベルで続いていると思います。そこでのお金の計算等々と見直し等々、今回の調査チームの整合性についてうかがいたいと思います。

小池:今回の東京都政改革本部というのは、あくまでも都政という観点からのものでございます。そして、その下部にオリンピック・パラリンピック調査チームということになります。

これは都が負担するオリンピック・パラリンピックの予算、すなわちもっと大きなオリンピック・パラリンピック全体の予算が小さくなれば、分担にもよりますけれども、その部分が縮減される可能性もある。

ですから、知事とすれば、両方に声を出していきたいとは思っておりますけれども、都政改革本部というのは基本的には都が負担する部分についてのチェックをしていくということになろうかと思います。

いずれにしましても、オリンピック組織委員会、それから国・政府、文科省・オリパラ担当大臣、JOC、そして都ということで、基本的には4者の連携をよくしていくことによって、無駄と言ったら誰か怒るかもしれませんけれども、それを省いていく、重ならないようにしていくということが重要かと思っております。

私はもうすでに気がついたんですけれども、例えばボランティアの募集もそれぞれが別々にやっていて、別々のユニフォームがあって、一体感がないように思うんですね。

一体感をもたらすことによって国民や都民によりメッセージが伝わりやすいし、関連する予算についても無駄がないのではないかと。

別々でやったほうがいいというアイデアもあるでしょうけれども、改めて調査チームでチェックしていきたいと思っておりますけれども、ダブリを省くということを徹底していくことによって、事務負担の軽減であったり、予算の軽減につながると思っております。

昨日もブリーフを受けましたけれども、まださわりのさわりでございまして、残念ながら私自身がみなさま方にしっかりとお伝えする段階には至っておりませんが、全容を知るなかで私自身からも考えを述べて、またそれは唐突に述べるのではなくて、根回しも含めて進めていきたいと考えております。

日本の“宝物”を海外に発信するブランディング戦略

記者11:AFP通信社オザワと言います。よろしくお願いいたします。フランスのルノーの社外取締役についておられると思うんですが、そのポストについて今後どうされるか教えてください。

小池:そのポストはすでに辞任をしております。

記者12:共同通信のオオタと申します。就任おめでとうございます。2020年のオリンピック・パラリンピックを控えて、今後強い発信力が求められると思うんですが、東京のブランディングで戦略や考えがあればお聞かせください。

小池:ありがとうございます。成長戦略の1つだと思います。そして私自身、選挙中にもお伝えさせていただいたんですが、東京のブランディングを徹底してやっていきたいと思っております。東京にいるとかえってどこが宝物かわからないかもしれません。

そういう意味では、それこそ海外の目も含めて、ブランドの宝物をあぶり出していく。具体的には切子とか、繊維などもそうであります。

言ってみれば、そういった物品のみならず、お祭りなども入るんじゃないだろうかなと。お神輿を担いだりといったようなこと。それを総合的にブランディングをしていく。

それの一例として、フランスの場合は、1954年に設立されたコルベール委員会というものがございまして、これは私、なにもなければ本を書こうと思っていたぐらい研究をしておりましたので、ぜひ今度は都知事として、東京版コルベール委員会を作ってみたいと考えております。

具体的に申し上げるならば、例えばフランスのブランドがございますね。シャネルとかエルメスとか。東京の目抜き通りはブランドショップで埋められていて、それの最大の顧客はこれまで日本だったということなんですけれども。

そしてそれらは国内ではお互いに競争しておりますけれども、海外に行くときは連携して、例えば、模倣品・コピー商品なんかは一緒にこれを叩いたり、権利を主張したり、どこの通りでどのようにして相乗効果を出すかとか、対外的になるとすごくいい効果を生み出している。

コルベールというのは、昔ナポレオン時代にいた、コメディ・フランセーズなんかを作った人なんですけど、この人がそういう対外的なフランスのブランディングをいち早く進めていた。その人の名前をとってコルベール委員会と言っています。

私は行政の観点から宝物探しということをやっていって、それをいかに対外的に発信をするか、付加価値を付けて発信するか。

ブランディングというのは付加価値を付けるということですので、そういった伝統文化を世界に知らしめると。これは東京オリンピック・パラリンピックと並行するかたちで、お互いが補完するかたちで進めていけば、相乗効果に繋がるのではないかと思っております。

東京五輪のホストシティとしての意気込み

記者13:日刊スポーツのナカヤマと申します。オリンピックとパラリンピック、国と組織委員との連携するということでしたが、具体的にどのように意思疎通して、連携をとっていくつもりなのか教えていただきたいと思います。

小池:まださわりの部分しか、私はまだオリンピック・パラリンピックの全容を掴んでおりません。そしてまた、役割分担については、恒久的なものなのか仮設的なものなのかなど、すでに仕分けされております。

そういうなかで「足りない部分は東京都」と言われても、なかなか都民のみなさま方のご理解を得たうえでないと。必要なことは、東京はホストシティでございますから、それはそれに対して答えていくということもございますけれども。

やはりアカウンタビリティが求められますので、今それを私自身のなかで模索しながら、みなさま方へのプレゼンテーションをしっかりしていきたいと思っております。

そのうえで、それぞれ役割分担があるなかではございますけれども、意思の疎通をよくするということでございます。

ここの疎通がうまくいかなければ、その分、この労力であるとか、それからお金であるとか、ダブリが出てしまうということは大変恐れていることでございます。

その点については、私は党を代表するかたちでコミュニケーションを取らせていただいていきたいと思っております。すみません……まだ声がこんなかたちで。

司会者:それでは時間になりましたので、ここで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

小池:次回はもう少しいい声にしたいと思いますので、本当にみなさん、どうぞこれからよろしくお願いいたします。