飛行機に乗った時、耳が詰まるのはなぜ?
マイケル・アランダ氏:飛行機に乗っている時、耳が詰まるような感じになったことはありませんか?
それで大きなあくびをすると、ポンと耳が鳴って圧が下がるのです。しかし時には、通常どおり物を飲み込むだけでも小さく耳がポンとなるときもあります。
これは両方ともまったく同じ耳の構造の働きによるもので、これにより耳が健康に保たれるのです。
なにが起こっているのかを理解するためには、耳が音をどのように処理しているかを知る必要があります。
耳には3つの部位、外耳、中耳、内耳があり、それらが一緒に働きます。
外耳は外から見える部位で、ピアスをして飾ることができます。ジョウゴのように音波を鼓膜に向けて送ります。鼓膜は簡単に言うと、薄い膜です。
鼓膜は中耳にある3つの小さな骨に振動を与えます。中耳は小さい空間で、ほとんどが毛で覆われています。それは耳管を通って喉の奥と繋がっています。耳管により耳の中で、ポンという音が鳴るのです。
外耳と内耳の空気圧の差
これらの管は通常閉じているので、鼻や喉の奥にある物が中耳に入り込むのを防ぎます。
しかし、唾を飲み込んだりあくびをする時、これらの管は一時的に少しだけ開くので、中耳にある体液を流し出したり、新鮮な空気をとり入れることができます。
そして内耳ですが、それはスパイラル型の空間に液が入っている状態で、そこで骨の振動を音の信号に変えて、それを脳に送ってくれます。
通常は外耳と中耳での空気圧が同じ、つまり同じ分量の空気分子が耳の空間内で跳ね回っていて、鼓膜によってその間が分かれています。
しかし例えばあなたが飛行機に乗っている時、周りの分子が少なくなります。それで周囲や、外耳の空気圧が低くなります。
しかし、中耳の空気圧は変わりません。中耳の余分な空気分子は鼓膜に向けて少し押されるので、膜が少し膨らみ、それにより、あの耳が詰まったような感じになるのです。
それに、通常よりも引っ張られすぎた鼓膜は、音を伝えることができなくなってしまいます。
それにより、ガムを噛んだり、強くものを飲み込んだり、あくびをしたりする時に、中耳内の空気が飛行機のキャビン内の空気圧と同じ圧になるように、耳管を開こうとするのです。
中耳にある空気が勢いよく出入りし、鼓膜が微調整する時に、あのポンという音が聞こえるのです。
医師たちは、鼻をつまんで息を吹くことに警鐘を鳴らしています。なぜなら、多くの空気を耳管から流してしまうと、鼓膜を破ってしまったり、喉の奥の異物が中耳に入り込んでしまったりするかもしれないからです。
しかし、飛行機に乗っている時に、軽く空気を送り込んだり、唾を飲み込んで耳をポンと鳴らすのは、まったく通常で、健康的なことです。それにより鼓膜が破れたりするわけではありません。鼓膜が破れたらとても痛いですから!