シマウマの縞模様の謎

マイケル・アランダ氏:シマウマ。哺乳類界のデヴィッド・ボウイ。(声をひそめて)デヴィッド・ボウイは哺乳類ではないですかね?

あの縞模様は言うまでもなくスタイリッシュですが、なぜシマウマはあんな模様を持っているのでしょうか。

多くの論文ではカモフラージュと関係があると述べており、これは本来のシマウマ模様の状況についての観点が欠けている、直観に反しているものなのかもしれません。しかし事実、カモフラージュはさまざまな効果を発揮します。

たとえば彩色ではなく模様です。色覚に異常があるライオンには、シマウマ模様は背の高い草とうまく溶け込んで見えます。

またシマウマのカモフラージュは目の錯覚を起こします。高度に社会的な動物であるシマウマは、群れで生活を送ります。そして彼らが集まると、その縞模様は、群れの中の1頭を捕らえたくて忍び寄ってきた捕食動物から、彼らを見えにくくします。

縞模様を持ったウマ科の動物の群れは、ただの大きな間抜けに見えるかもしれません。

しかし最新のコンピューターの動くシマウマのシミュレーションでは、明確に、方向感覚を失うような錯覚が作用すると提示しています。

回転する車輪が、あるスピードまで到達する時、回転錯視と呼ばれる現象が起こります。まるで車輪が後退しているように見えたことはありませんか?

もしくは、理髪店の象徴である水平に回転するサインポールも、縞模様が上がったり下がったりしているように見えませんか?

シマウマの群れはその両方の錯覚を引き起こし、捕食動物から離れることができるのです。

また縞模様は虫に噛まれるのを回避する効果もあると思われます。多くの虫は病気を持っているので、これはすばらしいことです。

たとえばウシアブは、一般的により暗い色に引きつけられます。しかし幅が狭く、密集した縞模様は、基本的に飢えたウシアブがもっとも引きつけられない彩色であると、研究者によって最近発覚しました。

同一調の黒や白よりも引きつけることがないため、シマウマの模様は天然虫駆除剤と言えるかもしれません。

そして興味深いことに、シマウマの模様パターンは指紋と同じぐらいユニークです。同じ模様が2つもなく、これはシマウマ同士が互いを認識するのにも役立つのです。

以上、シマウマの模様の話でした。それは、すばらしく、そして機能的なものだったのです。