体温が高すぎたり低すぎたりするとどうなる?
マイケル・アランダ氏:もし今あなたが温度計を手にとって体温を測ったとしたら、きっと摂氏37度くらいを示しているでしょう。
体温は日によって、もしくは時間によって少し異なるかもしれませんが、その推移には一貫性があります。
とても暑くなれば、血管が開き、汗をかくことで体温を下げますし、とても寒くなれば、血管は収縮し、身震いを起こして体温を上げます。
そして、もし重度な熱や凍えるような天気によって体温が数度上下しただけで、タンパク質と細胞が活動を停止し、あなたは死んでしまうでしょう。
でも、どうして“37度”が魔法の数字なのでしょうか? どうして35や40ではないのでしょうか?
あるメジャーな説として、それは菌類を寄せ付けないためだと言われています。そして、イェシーバー大学の科学者たちはそれを突き止めたのです。
彼らは種類の違う菌類の熱耐性を、摂氏30度から調査しました。
そしてその調査から、体温の上昇が、動物に影響を与える菌量の6パーセントの減少をもたらしていることが判明しました。
もしあなたが日光によって体温が変わるようなカエルだったら、数万の菌類が影響を及ぼし深刻な病気を招くことを心配する羽目になっていたでしょう。
しかし、もしあなたが37度前後の体温を保持し続けている哺乳類であれば、ほんの数百種類の有害な菌しか体に生き残ることはできません。
つまりは、菌による伝染病の危険性について言えば、ある程度の熱を持っていることはとても重要なのです。
また、体温が高すぎてもいけません。
高い体温を保つためには多くのエネルギーを消費しますが、すべての時間を食べ物を見つけて食べる時間には費やしたくはありませんよね。
そう、体温が高すぎず低すぎない、完璧なバランスを見つける必要があるのです。
科学者たちは、菌を防御するタンパク質の恩恵と余分な食べ物を消費するときのコストを比べながらいくつかの実験をし、摂氏36.7度という理想の体温を算出しました。
約37度の体温がまさに私たちにとって最適なのです。
実際に、彼らはこの温かい体温を保持するということが、恐竜が絶滅しても哺乳類が生き残ったという事実につながったと考えています。
早期の哺乳類たちは菌類により耐性を持っていたために爬虫類たちよりも優れていたと言えるでしょう。
つまり、私たちの体温が私たちを現在まで生きながらえさせたのです。